<小江戸掛川散歩 その壱 その弐 の続きです。>
「蔵の町エリア」 に着いてみると、思ったとおりの趣きのある家並みが並んでいます。ですが、思ってもみなかった交通量の多さです。昔はこの天下の往来を、大勢の人が行き来して、川越と言う所は栄えたのでしょう。でも、今はワーイなどと浮かれていては命に危険が及びます。しかもここは祭りでも有名な所だからなのか、歩道と車道の段差がありません。
思っていた情緒とは、若干違っていたかも知れません。それでなのか、家に帰ってから気がつきましたが、その「趣きのある家並み」の写真が、明るい時間のにはないじゃない。あ~あ。
それは諦めて、下からの画像は「蔵造り資料館」の写真です。一の蔵、ニの蔵などがあります。
蔵に続く古民家。
何で、こんな天井の写真ばかり撮っているかというと、なんかこの天井は、懐かしいです。昔の家はこんな天井が多かったですよね。しかも、なにげに「百鬼夜行抄」の雰囲気があるような・・・・
ここは蔵造りの家の二階です。よく見ると窓に格子が入っているでしょう。
その窓から撮った「時の鐘」。
階段もメチャクチャ狭いでしょ。関取は通れませんよ、絶対に。
お庭にも、いにしえの雰囲気が漂っていますよね。ちょっと、秋の雰囲気も漂っていました。
その後は、菓子屋横丁に行きました。
そうこうしているうちに、夕闇が迫ってきました。さて、いろいろ見逃しているような気もしますが、帰るとするか・・・
ところで、姉が書けと言うので書いておく事にしますが、この町は<イケメン>がいっぱいです。
あちらこちらで出合ったといったら嘘ですが、川越タヌキに化かされたのか、夕闇迫る頃、私たちはイケメン青年に少なくとも三人は出会ったのですよ。
一人は菓子屋横丁でです。これはそこに住んでいる人なら、誰の事をいっているのか分かってしまいますね、きっと。私はその町で、まだ若くていい男なのに、手作りの飴をおばちゃんに一生懸命に売っている人を見たのですよ。
「うちの飴はねえ~。」と自信に満ちて売っていました。私はこういう人に弱いのですよ。
まあ、いい男。このおばちゃんたちが終わったら、私もここで買おうかなと思っていたら、その手作りの飴はもう完売しちゃったんですって。と言うわけで、飴は飴屋さんで買ってしまいました。ゴメンね。。。
その帰り道、地図も見ないで帰り道を急ぐ私に、姉が不安を感じました。
「地図、見ようよ。」と姉に言われて見てみたら、迷っている事に気がつきました。橋の欄干で「ええと~」と言っていたら、道の向こう側から自転車に乗って、欠伸をしながら渡ってくる若者に、目が留まりました。
行き過ぎようとする若者に
「もうし、もうし、そこの口をあけている若者よ・・」なんてことは言いませんが、
「すみませーん、川越駅は何処ですか。」
と尋ねると、教えてくれた道は、まるで反対でした。そこに彼が来てくれなければ大変な目に遭っていた所です。しかも、その若い人は自転車から降りて、自分もそっち方面に行くからと、案内してくれると言うのです。
でも、コレには私は恐縮してしまいました。私が呼び止めなければ自転車で、サァ―と行けたのに、・・・
だけど、その若い人は私たちを気遣って
「少しかかりますよ。」
「まあ、どのくらいですか。」
「20分ぐらいかな。」
・・・・・え~。たぶん人が20分と言う時は30分はかかると言う事だな、と私は思いました。
「それでは、バス停をさがそうかな。」私は少し聞こえるような声で呟きました。それからその人に
「もう大丈夫ですから、本当に、お先にどうぞいらっしゃってください。」
と言いました。すると、青年は去っていきました。姉が言うにはものすごい勢いで自転車をこいで行ったそうです。
たぶん私たちがバスで行くと思って安心したのでしょう。本当の事を言うと、私には全然その気はなかったのです。ただ、この親切な若者は、20分全部とは言わないまでも、きっと10分ぐらいは私たちのために時間を使ってしまいそうでした。そんな申し訳ないこと出来ません。
でも、私たちはその若者が去った後でも、
「親切だ~、いい人だ~。」ととっても気分が良かったのです。
流石に、一日最後の駅までの徒歩は少し疲れました。普段が引き篭もり生活の運動不足なので、足がパンパンです。ふ~、やっと着いたと思ったら、「川越駅」近くの「本川越駅」。ここからでは二人は帰る事が出来ません。道も分かりません。地図を見てもイマイチ分かりません。誰かに聞きたくても、近くにはティッシュ配りのお兄さんしかいません。
う~ん、どうしようかな・・・
すると、そこにティッシュ配りのお兄さんが近づいて来て
「僕は★★スポーツクラブのお知らせのためにティッシュを配っています。どうぞティッシュを貰ってください。道も聞いてください。僕は地元の人間です。」と、淀みなくさわやかに言いました。
オオ~。私はこのようなスカ~ッとした言い方が好きなんですよ。
ティッシュも戴き、道も教えてもらいました。
姉と、川越には良い男がいっぱいいるねと言い合いました。
姉が感じた事は
―川越は観光の町。訪れる者には親切にするという教育が行き届いているね。―でした。
さすが、川越は小江戸といわれるだけあって、江戸人情の町だったのかもしれません。そうした町が人を育てているのでしょうね。
そんな事を感じつつ5時20分に「川越駅」を発ち、バスの連絡が悪かったので7時20分ぐらいに家に着きました。
ところで夜、留守番だっただんなに聞きました。
「そういえば、パパ。お昼は何を食べたの?」
「お弁当買って来て食べたよ。」
「ふ~ん、じゃあママと同じだね。」と聞こえないような声で呟いていた私。
↓ ママのお弁当。