ラッタ君が旅行から帰って来た日。
いつものように夜、コタツでうたた寝していたら、彼の
「‥‥・というわけで、まんじゅうなどの食べ物系は無いんだ。」と、夫殿と話している声で
ああ、帰ってきたんだな。土産はナシか・・・・と、ぼんやりと目が覚めました。
「おかえり~~・・」と寝ぼけた声で言うと、
「はい、コレ。」と言ってくれたのが、上の画像のサボテンです。
うふふ。
こっちの方が、嬉しい♡
タイトルは「ちゃんと、捨てましょう。その4」・・・
いやいや、これは捨てちゃいけませんよ。
ちゃんと、大切に育てます。
※ ※ ※
連休後半は、いったい何をしているのやら・・・。
普通の家事をヤルだけでフゥフゥ言っているような気がします。
小さな出来事ややったこともあるのですが、なんとなく毎日が過ぎて行ってるように思います。こういう時ほどゲームなどで遊んでいないで日記などを書き、日々の生活を見つめるべきなんだと思います。
だけれども書いた日記は、一体いつ処分するのが妥当と言えるのでしょうか。
ルート君の部屋の魔境のクローゼットの話の続きですが、そこでワタクシ、恐ろしいものを見つけてしまいました。
さすがに魔窟の奥の魔境です。
奥に「開ける必要なし」と書かれたダンボール。
別に「開けるべからず」と書いてあるわけではありません。
これは、こんな風に整理などをした時に、開けて中を確認する必要がなく、このまま仕舞っておけという指示なのだと思いました。でも中に何が入っているのかすっかり忘れてしまっていた私は、そのメモ書きを無視して、開けてみました。すると中に入っていたのは夫殿の子供時代のアルバムでした。
‥‥‥ああ、何だ。それで「開ける必要なし」なのね、と思いました。
が、その下にあったものは・・・
それは私の日記帳やサイン帳でした。
中学生時代、高校時代、大学生の頃・・・・・。
あるときまで、それらは私の原点でもあり大事なものだったのだと思います。
だけど今パラパラとめくってみると、・・・・。
馬鹿らしくて読んじゃあいられませんて・・・・。
しかも・・・・
ああ・・・
なんで・・・
日記帳にみんな名前が付いているんだよ!!
思わず、
「おみゃーは日記帳しか友達がいなかったのかよぅ」とどこの地方の言葉かわからない言葉で、ラップ調で突っ込んでしまいましたよ。
今もですが、昔から影響され易かったのです。
モンゴメリの影響で10年後の自分に手紙を書いたりしていた私ですものね、このぐらいのことはやっていても可笑しくはないのですよ。
「いとしいロリィ、私の気持はあなたしか分かってもらえないと思います。」
って、あなた止めなさいよ、もおぉぅ。
こんなのが、ある日私に突然残念な事が起きて、息子たちの目に止まったらですね、
「ああ、オラっちの母ちゃん、ちょっとビミューな人だと思っていたけれど、やっぱし思い切り変な人だったんだ。」などと思うことまちがいなしですよ。
なんたって、私は男子ばかりの親なので、こういう事を理解してはもらえないと思うのです。もしも私に娘がいて、少女時代をモンゴメリやオルコット、そしてその後はサガンやヘッセ、大島弓子や萩尾望都で育てたら、少しは私と被る子供にもなったかも知れませんが・・・・、いやいや、考えてみるとラッタ君は大島弓子や萩尾望都は読んでいるので、やっぱり‥‥むにゃむにゃ‥‥もういいや、過去とは訪ねて行きたくても行くことの出来ない遠い都。
さあ、早く捨てるのだ。
いや、待て私。
このようなものを捨てるには、それなりの儀式がいるんじゃないかなと、私は思いました。なんたって中学なんて私にとっては既に大昔。大学生時代と言えどもかなりの昔です。最後にちゃんと読んであげなくちゃいけないんじゃないかなと思ったりもしたのです。
そんなこんなで、それらは元の箱に戻されました。
そして「ちゃんと捨てる日」を持たなくちゃと思いました。
ところが数日経つと、ちょっとだけ考えが変わってきてしまったのです。
もしも私が80過ぎまで生きることが出来たなら、それらの馬鹿馬鹿しい日記は、およそ70年前の過去への鍵になるわけです。
80まで待たなくても、1年後にはまた開けて、3年後にもまた開けて、一人で顔を赤くしながら笑い転げるというのも、なかなかのもんかもねなどと思い始めたのです。それに今の今まで持ち続けていたのですから、何も「今」捨てなくてもいいんじゃないかと思えてきたわけです。
それで、なんとなくですが、前にそれらを箱詰めし「開ける必要なし」と書いた自分の気持が分かるような気がしたのです。
必要でないもの、だけど捨てる必要も無いもの。ただそこに存在させておきたいもの。それらはまさにそんなモノたちだったのですね。
(・・・・旦那の子供時代の写真もそうだったのか・・・?)
その時は、自分だけに向けて書き込んだメモでしたが、今、新たに意味が加わったと思います。
もしも私に突然何かがあって、私以外の人が整理しなくてはならなくなった時には、それらは「開ける必要もなく捨ててくれ」という意味だと思います。
だけどゴミ捨てって、かなりのエネルギーを使いますよね。
「迷惑をかけない」という事を考えると、やっぱり、「ちゃんと捨てる日」というのを、いつか持たなくてはいけないのかも知れませんね。
※ ※ ※
ラッタ君が言いました。
「サボテンの育て方というパンフも貰ったが、いらないよな。サボテンを枯らすやつなんかいないだろ。」
思わず夫と私は顔を見合わせて、微かに微笑み合う・・・^^
「いいや、そんな奴もいる。」と夫。
私の耳には「お前の近くに」とまで聞こえてきました。
サボテンの育て方を知らないで、水をやりすぎて、サボテンの色が変わってしまいました。友人からは、この先に中がどろどろになっていきもう駄目だと言われました。
サボテンは人の気持ちがわかる植物だと聞いていたので、事あるごとに
「ごめんね、ごめんね」と刺のないところをさすっていました。そして自分が悪いことは棚に上げて
「頑張れ、頑張れ」とも言って来ました。
激励がなくても、きっと勝手に頑張っているんだと思う我が家の別のサボテンです。
ナンカ、ボケテイルシ・・・汗
「ロリィ、私は思うの。あの花の蕾は、彼女、もしくは彼の『許してあげる』ってサインじゃないかと・・」
って、もう、ヤメレ。