「武将でありながら武将にあらず。坊主である。」
的を得た簡潔さだと思いました。
ただ、領地切り取りを望んでいなく、正義のために戦をし世をあるべき姿にするのだという景虎の考えに対しては、やはり感想なし。それに対しての感想も聞いてみたいところなのですが。
晴信が問う。
―その景虎と戦で対峙したらとしたら、勝てるのか。―
勘助が自信に満ちた声とまなざしで答える。
―勝てまする。―
敵を知った者の自信なのか、それは分かりません。
だけど、山越えた越後の国でも言っているだろうなあ、と思ってしまいます。トラちゃんがうさちゃん相手に
―御仏の加護がある限り、この景虎は武田などには負けぬ―
あっ、これセリフじゃないですよ。こんな事を言いそうと言う妄想です。ただ、今回においては敵を知るということと共に己も知らせてしまったなあと思ってしまったわけです。
ラストのシーンで、宇佐美と景虎が向き合って、ヤレヤレと言う感じで話していましたよね。
「道元を放した途端に、城が一つ落ちたました。」
なにやら、対岸の火事と言う物言いでしたが、敵を「見た」と言う意味では、どちらに勝負があったのだろうかは分からない所です。今頃感じるのは変ですが、面白いエピソードではあったかもしれません。
それと言うのも先週、伸ばし伸ばしでとうとう書かなかったものですから、又今回無理やりここに押し込もうとしているわけです・・・・
先週、まるっきり書かなかったわけではありません。ちょっと書きかけて放置していたのです。
なかなか魅力溢れた越後勢だったと思います。私的には、もし私がこの時代に紛れ込んでしまったら、武田に着くか上杉に着くか二者選択なら迷う所です。景虎の言う事は綺麗事の世迷言のようにも聞こえますが、私には弱い言葉です。以下色の違う所は、33回の一言感想です。
「鉄砲百丁は届かない。正体はとっくにばれている。木に括られて、景虎の火縄銃が勘助の頭上を捉える。だけど、私はテレビのこちら側で動じない。なぜなら、ドラマの定石を信じているから。主人公は途中では死なない。ちがうって!!
晴信がメイクもオドロオドロしていた黒フグだった以前ならいざ知らず、『人は城なのだ。人は石垣なのだ、』と悟ったからには、裏切らない家臣を主君が助けないわけがないのだ。来る、何かがきっと来る。そこに届いた鉄砲百丁。ちょっと感動。『我が人生に悔いなし』なんていっている場合ではない。」
無理やりねじ込んだ前回の感想。男たちのドラマはなかなか熱く、武田もかなり魅力的です。そして、今回、女、子供だって、負けてはいないよと言うお話でした。(ふ~ぅ、引っ張ってきましたよ。タイトルまで)
毎回書いているような気がしますが、私はやっぱり真田のエピソードが一番好きなんです。だから、楽しみにしていました。その期待を裏切らなかった「真田の本懐」。
いきさつはややこしいので、お詳しい所でどうぞ。
と、丸投げして、私は「とにかく」と言う四文字でいかせて貰います。
とにかく、海野家を再興させて弟を懐柔しようとする真田。その智慧を授けたのは勘助です。地味ながら、軍師のお仕事を着々と行っています。
なかなか巧くいかないと見ると、忍芽は単身、いや嫡男の真田源太左衛門を連れて、常田隆永(真田の弟)の所に乗り込みます。
自分の命と引き換えに、真田を助けよと言う忍芽。腹切ると言う源太左衛門。
嫡男を連れて行った忍芽に驚きを隠せません。最初、彼女が息子を呼び寄せた時、嫡男だけには自分の決意を告げていくのだと思いました。でも、連れて行った。もの凄い決意です。決して彼女がヒロイズムに浸って行動をとったのではない事が伝わってきます。
でも、これは「無意識の計算」かなとも思いました。避けるに避けれない選択を常田も突きつけられたわけですし、目の前で甥が死ぬぞと脅かしているわけですから、
「やってみろ。」と恫喝もしたくなるわけです。が、どっちがされているのか分かりはしません。
そこに真田が駆けつけて、
―助かった~― と、思ったのは忍芽たちではないかもしれませんね。
調略は巧くいき、難攻不落だった砥石城はあっという間に陥落してしまいました。
村上は小笠原を見捨て撤退していきます。
どうでもいいことですが、私はこの小笠原の今井さんを「大奥」のドラマで見た事がある様な気がして、困っていました。(困る事もナイのですが)それほどエステーのCMがインパクトがあったということでしょうか。
昨日、確認していましたが、「新撰組!」で徳川慶喜役が印象に残ってしまっているか、西島秀俊 さんと勘違いしたのかも知れません。(西島さんに叱られそうです。)本当に、どうでもいい事ですみませんでした。
でも、この小笠原、京都に逃れていくと言うナレーションに、思わず「しぶとーい!!」と思ってしまったのは、決して私だけではないと思いました。
そして、真田は悲願だった自分の郷に再び立つ事ができました。
しみじみと真田夫婦と勘助が、その郷に立つシーンはとってもいいシーンでしたね。ふと見ると路傍には誰かのひっそりとした墓が。
―この戦で命落とした者の墓かのう。―
あれ、この場所見た事があるなあと思ったら、墓の前には平蔵が置いていった摩利支天が・・・・
あのヒサと平蔵が涙に暮れながら、父の墓の前で手を合わせていた姿が蘇ってきました。忍芽が同じように手を合わせます。
近頃、この「風林火山」では涙は無縁でしたが、このシーンではホロリときました。そこには勝者、敗者の語りつくせぬ生き様があり、駆け抜けるような歴史の風を感じてしまいました・・・
<おまけ>
―そなたを失っては、わしが生きてゆけぬ―
きゃあ、いやだ~、って真田の言葉に私が照れてることはないですね。
小山田が元気。元気で悪いのと叱られそうですが、なんか元気じゃ嫌だと駄々をこねたくなってしまいました。
<追記>
どうも、「勝てまする」ではなく、「勝ちまする」らしいです。
追記にて訂正させていただきます。