ああ、終わってしまった・・・・としみじみと思いました。
ワタクシ、「野の花を愛でる会」のメンバーなので(注:会員は一人)、この物語は最初から期待し、そしてその期待以上のプレゼントを受け取ったように思いながら見ていました。
野の花を愛でると言いながらも、私はこのドラマのモデルになった牧野富太郎氏を知らなかったのです。このような偉人であっても世にその名をあまたの人に知らしめると言うことは、簡単なことではないのかもしれません。
大河にしても朝ドラにしても、地域の人や関係のある人たちの誘致やアピールとか、かなりあるらしいですね。
これはそのアピールした人たちの、ある意味勝利のような気がします。
先日北海道のどこかの山にハイキング(友達にとっては立派な登山)に行った時、ガイドさんが牧野博士は北海道でも多くの新種を発見したと言い、またそこでバイカオウレンを教えてくれたそうです。
それを聞いて、「ああ、このドラマではあの『スエコザサ』は北海道で見つけたのよね。」と、胸が熱くなるような気持になりました。
またその彼女は、今まで四国の旅行パックなど見ていても、まったく入っていなかった「牧野植物園」がどの旅行パックにも入っていると教えてくれました。
この素敵なドラマは、静かだけれど小さくはない影響を世の中に与えたような気がしました。
(「鎌倉殿の13人」もけっこうそうでしたよね。)
そう、このドラマ、素敵でした !
確かにこのドラマの主人公は、神木君演じる槙野万太郎でした。だけどここに出てきた人たちはみんな、このドラマの中で、ちゃんと自分の人生の主役を演じていたと感じていました。
とうとう綾は、悲願だった新しい酒を造り、その酒に「輝峰」と名付けました。
もちろんずっと彼女を支えた竹雄と共に。
この二人が最後まで出てきたのは納得でした。ちゃんと彼らの物語が描かれていたと思いました。
生涯親友だった波多野も藤丸の人生も。そして佑一郎も。
他の人達も、あの人この人と思い出すと、本当に胸が熱くなります。
最後に図鑑の前書きに、多くの人たちの名前が載っていました。
図鑑のために手伝ってくれた人たちの名前ばかりではなく、田邊教授の名前も園ちゃんの名前も載っていたのですよね。ここに至る道で万太郎が出会った大事な人々・・・
ジーンときました。
だけど流石に載ってないでしょう。
故郷の神社で出会った天狗。彼はその後も彼が坂本竜馬であったことなど知る由もなかったのかな。
やっぱりあの人この人と、彼の子供時代から青春時代などもいろいろ出会った人々を思い出すと、本当にしみじみとしてしまいます。
毎朝毎朝、楽しいと思って見ていたからだと思います。
そして妻の寿恵子。
この美しいヒロインには、毎朝励まされました。
彼女は万太郎と出会ったときから、彼女の冒険の旅に出たのですよね。
万太郎の夢を叶えるという冒険の旅。
だから彼女は渋谷に店を出し、そしてその店を売って練馬に広い家を買う・・・・。
彼女の冒険の旅がなかったら、万太郎の図鑑は完成したか分からないことだと思います。
だけど彼女は、万太郎と違って名もなき勇者で終わったかも。でも万太郎が新種のササに彼女の名前を名付け、彼女は無名の勇者ではなく、植物の中に名前を刻む人になりました。万太郎と共に。
「学名は『ササ スエコアーナ マキノ』 …寿恵ちゃんの名前じゃ」
図鑑の最後のページのササの絵はカラーでしたね。
あっ、今も思い出すと涙が出てしまいます。
最後の二人の会話には、本当に泣かされました。なんか誰もいないことを良いことに、ちょっと声をあげて泣いてしまいました。俗にこう言うのを号泣と言うのでしょうか。
「草花にまた会いに行ってね」 「そしたら、私もそこにいますから。草花と一緒に、私もそこで待ってますから」
ありがとう、「らんまん」。
本当にこの半年、幸せな朝でした。
☆ ☆ ☆
ついでながら
と
→enpaku 早稲田大学演劇博物館 (waseda.jp)
にはいつか必ず行こうと思います。
(十徳長屋にいた堀井はやっぱり・・・・
なんかいろいろと細かいですよね。)
もう一つついでながら、
あの理学博士の授与式は「小石川植物園」で撮影されたのですってね。