本日、保育園・幼稚園 死亡事故に関する記事が各紙で掲載されています。
<記事の概要>厚生労働省7日発表:
2004年4月以降、全国の保育所で52人の園児が死亡。
年齢別では、0歳児の死亡数が23人と最も多く、次いで1歳児13人。
(全国の自治体からの報告をもとに04年4月~09年11月の死亡事例)
発生場所:最も多いのが園内で41件。
乳幼児突然死症候群(SIDS)とみられる事例を含め、昼寝中の死亡が目立つ。
死亡した52人のうち、認可保育所が19人で、無認可保育所が33人。
(無認可園の入所児童数は認可園の約9分の1の約23万人で、認可園と比べて無認可園の死亡事故の発生率が高い。)
厚労省保育課見解:「無認可園の事例には保育体制の不備や観察不足があったと考えられるものがある」
ある団体が、実際の死亡事故事例をまとめていました。
http://www.eqg.org/fighters/data/hoikuen-jiko.htm
その例を振り返り、二度と繰り返さないための教訓にしたいと考えます。
下線、赤字は、小坂による。
死亡例をみて、感じたこと。
①防げた、もしくは、発生したとしても救急処置で一命をとりとめることができる例が多い。
異物を喉に詰まらせたなら、取り出せる処置ができたはず。
②大半が、不注意により発生している。
③予想だにしない形で、発生しているものもある。
かくれんぼでの隠れた場所での発生。
10cmの水面での水死。などなど
いままでも、区議会でも、子どもの事故をなくす取り組みの充実を当初より、取り上げてまいりました。
皆様の通われている保育園・幼稚園、小学校、公園、児童館などで、危険箇所がございましたら、ご指摘をいただけましたら幸いです。
⇒メール kazki.kosaka@e-kosaka.jp
子どもの事故死は、残念ながら、子どもの死因のトップです。
これは、必ず予防可能です。
なくして行きたいと思います。
***以下、掲載****
保育園・幼稚園 死亡事故事例
日時 事故概要 事故状況
1)2008.11.20. すべり台の手すりに服が引っ掛かり、3歳女児窒息死
20日午後0時40分ごろ、広島・廿日市市の「くすのき幼稚園」の運動場にある滑り台で遊んでいた女児が、着ていた服の一部を手すりに引っ掛け、首を絞められる形になった。近くにいた別の園児が見つけ、教諭が助け出したが、女児は意識不明の重体となっている。
警察の調べでは、滑り台は高さ1.5メートル、手すりは転落防止のためのもので、女児は頭からかぶっていた毛糸のポンチョが手すりの先端に引っ掛かったとみられている。当時、幼稚園は昼休み中で、運動場には園児約100人と教諭がいた。
→<続報>広島県廿日市市の「くすのき幼稚園」で、すべり台の手すりに服が引っ掛かって息を詰まらせ、重体となっていた同市内の園児の女児(3)が29日、入院先の病院で死亡した。
2)2008.07.28. 学童保育の小学生が川遊びで流され死亡
28日午後2時40分ごろ、神戸市灘区篠原南町の都賀(とが)川が激しい雨で一気に増水し、川遊びなどをしていた子供らが流され、河口付近で遺体が見つかった。
兵庫県警などによると、河川敷にある都賀川公園で水遊びをしていた近くの民営学童保育所「六甲学童保育所どんぐりクラブ」に通う児童19人らのうち、5人が流され、3人は自力ではい上がったが、同市立六甲小4年生男児と同小6年女児が死亡した。
3)2008.05.18. 1歳男児が変死
18日午後11時5分ごろ、大阪市天王寺区生玉(いくたま)前町の無認可保育所「子どもの森幼児園」から「子供がぐったりしている」と119番通報があった。救急隊が駆けつけたところ、1歳男児が心肺停止状態になっており、病院に運ばれたが、約1時間後に死亡した。外傷などはなく、大阪府警天王寺署は司法解剖をして死因を調べる。
調べでは、当時同園は、男児を含め3人の子供を預かっており、保育士ら職員2人が勤務中だった。午後9時に消灯し、保育室のフローリングに敷いたふとんで寝かせていた。同10時50分ごろ、母親が迎えに来たため、職員が起こそうとしたところ、男児が寝たまま嘔吐(おうと)し、うつぶせの状態でぐったりしていたという。同園は、「就寝後も同じ部屋で保育士が付き添っていたが、異常には気づかなかった。」と説明している。
4)2008.03.05. 道路に飛び出した5歳男児がはねられ死亡
5日夕方、大阪府守口市内の市道で、高瀬ひまわり保育園の敷地内から飛び出してきた5歳の男児が、進行してきた軽乗用車にはねられた。男児は収容先の病院で死亡。
大阪府警・守口署によると、事故が起きたのは5日の午後4時45分ごろ。守口市馬場町1丁目付近の市道を走行していた軽乗用車が、道路に隣接する保育園の敷地内から飛び出してきた5歳の男児をはねた。
男児は全身を強打。近くの病院に収容されたが、翌6日の未明に脳挫傷などが原因で死亡した。警察はクルマを運転していた34歳の男を自動車運転過失傷害の現行犯で逮捕。男児の死亡後は容疑を同致死に切り替えて調べを進めている。死亡した男児は母親が迎えに来たことに気づき、道路に飛び出したところではねられたとみられている。(注:母親と門を出た直後にはねられた、という報道もあり。)
5)2008.01.29. 添い寝の乳児が窒息死
29日午後9時40分ごろ、福岡県久留米市六ツ門町の託児所「ひまわり」(今年3月廃業)で職員が生後六ヶ月の女児に添い寝をして眠り込み、胸や右腕で女児の鼻や口をふさぎ、窒息死させた。
→<続報>託児所で預かっていた生後6カ月の女児に添い寝をしている際に、窒息死させたとして、業務上過失致死罪に問われた託児所の元職員、徳永富美子被告(58)の初公判が11月7日に地裁久留米支部(長倉哲夫裁判官)であり、徳永被告は起訴事実を全面的に認めた。
検察側は「女児の死亡を確信しながら、その事実を母親に告げることなく(遺体を)引き渡しており、責任を逃れようとした行動」として禁固1年を求刑した。
→<続報>福岡県久留米市の民間託児所で生後6か月の女児が死亡した事件で、業務上過失致死罪に問われた同市荘島町、元託児所職員徳永富美子被告(58)の判決が11月28日、福岡地裁久留米支部であり、長倉哲夫裁判官は、徳永被告に禁固1年、執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。
6)2007.11.27. 昼寝中の2歳女児が死亡
死因は不明 27日午後2時50分ごろ、北九州市八幡西区岩崎2の認可保育所「岩崎保育園」(新川知明園長、114人) から「園児が呼吸をしていないようだ」と119番があった。市消防局の救急隊員が駆けつけたところ、2歳女児が心肺停止状態になっていた。近くの病院に搬送したが、午後3時37分、死亡が確認された。
福岡県警八幡西署の調べなどによると、外傷や内臓疾患はなく、死因は不明。同署は28日にも司法解剖を行う方針。 同署の調べや同保育園の話によると、同2時45分ごろ、保育士の1人が昼寝をしていた女児を起こそうとしたところ、顔からすっかり血の気がひいていたという。吐しゃ物のようなものが口内にあったという。
女児はぜんそく性気管支炎で通院しており、母親がこの日朝、投薬依頼書と薬を保育園側に渡し、保育士が午前中に薬を服用させたという。
7)2007.11.02. 生後4カ月の女児が死亡 死因は特定できず
山形県天童市柏木町1丁目の認可外保育施設「みんなのベビーホーム」(後藤キミエ園長)で2日、預かっていた生後4カ月の女児がぐったりしているのを保育士が発見。近くの医院を経由し県立中央病院に搬送されたが、約2時間後に死亡していたことが3日、分かった。天童署は同日、司法解剖したものの、死因は特定できなかった。担当していた保育士らについて業務上過失致死の疑いもあるとみて、関係者から事情を聴いている。
2日午後1時半ごろ、布団にうつぶせで寝かされていた女児の様子がおかしいのに保育士が気付き、 近くの医院を経由し、救急車で県立中央病院に転送されたが、同日午後3時半に死亡が確認された。
女児は、1日から同ホームに預けられたばかり。2日は午前9時すぎに登園。同9時半ごろから異変に気付くまで、ずっとうつぶせのまま布団に寝かされていたといい、発見当時は真下を向いたまま布団に顔を押し当てた状態で、顔色が真っ青だったという。
当日は職員9人が出勤し、生後数カ月から3歳児までの41人を保育。零歳児の部屋では、保育士2人が交代で9人の乳児を担当していた。当初は3人で担当する予定だったが、他の部屋の保育士が足りなくなったため、2人になったという。
認可保育所の場合、厚生労働省が定める最低基準で、乳児3人に1人以上の保育士の配置が義務付けられている。認可外施設には法的義務はないものの、市が今年夏、同ホームを調査した際、職員態勢が不十分だったことから、増員などを指導したばかりだった。同署は、こうした管理面などに問題がなかったのかも含め、捜査している。
→<続報> 天童市の認可外保育施設「みんなのベビーホーム」(後藤キミエ園長、既に閉園)で、昨年11月に生後4カ月の女児が死亡した問題で、女児の死因について「窒息死と乳幼児突然死症候群(SIDS)どちらの可能性もある」との鑑定書が出ていたことが分かった。
天童署は後藤園長や担当保育士への業務上過失致死容疑での捜査を続ける。
8)2007.08.17. 学童保育の川遊びで7歳男児水死
17日午後2時25分ごろ、宮崎県延岡市北浦町三川内の北川支流・小川で、7歳男児がうつぶせで浮いているのを、遊びに来ていた女性が発見した。119番通報を受けて駆けつけた救急隊員が同市内の病院に運んだが、意識不明の重体。
延岡署によると、現場は北浦町自然休養村清流荘そばのキャンプ場近く。幅20メートルで浅瀬もあり、川遊びの場となっている。
男児は同市北浦町の古江保育所(斉堂和夫所長)の学童保育に通っており、昼過ぎから男性を含む保育士3人と園児6人、小学生10人で遊びに来ていた。
→<続報>延岡市北浦町三川内の小川で学童保育中におぼれ、意識不明の重体となっていた男児が24日午前4時1分、延岡市内の病院で死亡した。死因は低酸素性脳症。
延岡署は保育所の監視態勢に不備があった可能性もあるとみて、業務上過失致死容疑も視野に捜査を進めている。
→<続報> 学童保育の川遊び中に男児を水死させたとして、宮崎県警延岡署は業務上過失致死の疑いで、同県延岡市の私立保育所の当時の男性所長(46)と、40代の女性保育士2人の計3人を書類送検した。
調べでは、3人は昨年8月17日、学童保育の小学生や保育園児計16人を引率して遊びに訪れた延岡市北浦町の小川(こがわ)で、小学2年の男児をおぼれさせ、7日後に死なせた疑い。
3人は男児が流されたことに気付かず、いなくなったことが分かってから捜索を開始していた。延岡署は現場の状況や事故後の事情聴取から、3人が川の危険個所を事前に調べたり、子ども全員に目が届く監視態勢を取ったりする注意義務を怠っていたと判断した。
9)2007.07.27. 2歳男児を送迎車に放置 熱射病で死亡
7月27日午後5時半ごろ、北九州市小倉北区中井1の無認可保育園『中井保育園』(北村寿和園長)の女性保育士(41)から『近くの駐車場に止めた園の送迎車の中で園児がぐったりしている』と119番があった。
市消防局の救急隊が駆け付けたところ、2歳男児が心肺停止状態になっており、病院に運ばれたが午後7時5分ごろ死亡した。熱射病とみられる。
福岡県警小倉北署は同園職員らが暖人ちゃんを3時間以上にわたり送迎車内に置き去りにした可能性が高いとみており、業務上過失致死の疑いもあるとみて関係者から事情を聞いている。
10)2007.03.23. 学童保育の7歳男児 こんにゃくゼリーをのどに詰まらせ窒息死
23日午後4時ごろ、三重県伊勢市古市町の学童保育所「杉の子学童クラブ」で、7歳男児がおやつに出たこんにゃくゼリーを食べて気道に詰まらせた。指導員が掃除機で吸い出そうとしたが除去できず、約3時間後に窒息死した。
11)2006.10.15. 生後五カ月の男児が死亡 死因は不明
和歌山県岩出市の無認可保育「しろうさぎ保育園」で十月十五日午後六時四十分ごろ、生後五カ月の男児が心肺停止状態になっていることに気付き、病院へ運んだ。乳児はいったん回復し、別の病院へ移したが、四日後に死亡した。
死因は不明。岩出署は司法解剖し、事故の可能性があるとみて調べている。県は保育態勢が不十分だったと判断。児童福祉法に基づき十一月二十八日付で改善勧告した。施設長ら二人がいたが、いずれも保育士や看護師の資格はなかった。
12)2006.07.25. ミニトマトで1歳女児窒息死
静岡県東伊豆町の「稲取保育園」(鈴木八重子園長)で、1歳の女児がミニトマトをのどに詰まらせて窒息死していたことが27日、分かった。
下田署などによると、25日午前10時半ごろ、女児は園庭で遊んでいて、急に苦しみだした。職員が119番し、ドクターヘリで同県伊豆の国市の病院に搬送したが、間もなく死亡したという。女児ののどからは、直径約2センチのミニトマトが見つかった。
園庭ではミニトマトを栽培しており、同署はミニトマトを女児がのみ込んだとみて職員から事情を聴いている。
当時、園庭では保育士7人と実習生3人の10人が、女児を含む3歳以下の園児約30人を遊ばせていたという。
13)2006.07.19. 病院の院内保育園で、生後9カ月の男児が死亡
東京都板橋区の都立豊島病院の院内保育園で、生後9カ月の男児が死亡していたことが分かった。園を運営していたのは、保育士などの人材派遣会社「テンダーラビングケアサービス」(東京都中央区)。同社が都に提出した事故報告書によると、7月19日午後1時半ごろ、昼寝中に泣き出した男児を保育士がうつぶせにして布団に寝かせた。約1時間後、別の保育士がうつぶせ寝のまま男児がぐったりしていることに気付いた。男児は院内の集中治療室(ICU)に運ばれたが間もなく死亡した。司法解剖では「肺に炎症があった」とされた。しかし母親が開示請求したカルテには、男児の鼻腔には搬送時、凝固したミルクが詰まっていたことが記載されていたという。
14)2006.07.13. 4歳園児が用水路に転落死
13日午前11時10分ごろ、千葉県東金市台方の市立城西幼稚園に隣接する農業用水路で、4歳男児が倒れているのを園長が見つけた。男児は病院に運ばれたが、死亡した。東金署は誤って転落した可能性が高いとみている。
同署や市教委によると、園庭で13日午前10時から保護者も参加して交流行事が行われていたが、行事後の点呼で男児がいないのに気付いた。 用水路は幅約80センチ、水深約10センチ。園の敷地とはフェンスと生け垣、樹木で仕切られているが、園児がくぐり抜けることもできるという。
15)2006.01.16. 屋根からの落雪で6歳男児死亡
16日午後1時45分ごろ、福島県下郷町豊成の町立しもごう保育所(五十嵐勝幸所長)で、園庭で遊んでいた6歳と5歳の男児が屋根(高さ約7メートル)から落ちた雪に埋まった。2人は約20分後に助け出され病院に運ばれたが、6歳の男児は同日夜に死亡、5歳の男児は一時意識不明だったが回復し、軽いけが。2人の近くにいた6歳の男児も固まった雪が頭にぶつかり、頭を切るけがをした。
→<続報>福島県下郷町の町立しもごう保育所で1月、屋根から落ちた雪に埋まり、男児3人が死傷した事故で、県警捜査1課と南会津署は16日、当時の同保育所長で現下郷町公民館長の五十嵐勝幸容疑者(55)ら4人を業務上過失致死傷容疑で福島地検会津若松支部に書類送検した。
ほかに書類送検されたのは、当時の同保育所保育係長(52)と、死亡した園児の担任だった33歳と40歳の保育士2人。 (2006.6.16.)
(下のブログに続く)