一方、移転候補地の豊洲6丁目東京ガス工場跡地の土壌汚染がたいへん深刻な状況下、東京都には、土壌汚染対策に関する都民への十分な説明(リスクコミュニケーション)が求められています。同時に、東京都は、汚染土壌コアサンプルを廃棄しようとしているところですが、コアサンプルが廃棄されて追試ができなくなれば、土壌汚染対策の信頼性を科学的に検証する道を失うことになってしまいます。現在、そのような“証拠隠滅”を食い止めるために、仲卸の皆様を中心に総勢210名により提起された「コアサンプル廃棄差止め訴訟」の裁判が、東京地方裁判所で、進行中です。(第三回口頭弁論期日は、平成22年2月25日13:30~)
おりしも、鳩山現首相は、「築地は世界の言葉である。築地はいのちの源である。東京都の暴挙を絶対に許すわけには行かない。」と先だって行われた都議会議員選挙初日の第一声を築地の地で明言されています。国政の中心にあられる方からの支援の言葉に、大変勇気付けられます。
大阪の市場も、札幌の市場も営業を継続しながら、現在地で再整備を立派に成し遂げることが出来ました。「築地市場地区を核とした活気とにぎわいづくり委員会」や「新しい築地をつくる会」での公開の議論の下、中央区として現在地再整備に向けて何ができるか真剣に検討し、環状二号線のもともとの計画であった地下化に向けた「都市計画再々変更」や種地提供の手法の提案をはじめ現在地再整備へ都を誘導する方策を、今こそ取っていくべきであると考えています。
日本の食文化は、築地市場からはじまります。中央区民、都民そして日本国中の多くの人が、築地市場を現在地で守ることを願っています。
来年こそ、築地を大切に思う皆様とともに、夢のある築地市場現在地での再整備の絵を描いていきたいと思っています。