「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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明石小・中央小・明正小改築問題(1) 昨年10月決算特別委員会にてー教育費ー

2010-03-20 19:34:56 | 財務分析(予算・決算)
 いよいよ、3/23 学校改築問題に関して、平成22年度予算特別委員会で質疑いたします。

 何度も掲載しておりますが、私自身、いままでの経過を振り返るために掲載いたします。

****昨年平成21年10月の決算特別委員会(平成20年度決算分)****

○小坂委員
 では、よろしくお願いしたいと思います。

 平成20年度の目玉はフロンティアスクールでした。この委員会の前に常盤小学校、城東小学校、阪本小学校を訪問させていただきましたけれども、常盤小学校では改修、城東小学校ではきめ細やかな指導、阪本小学校では先ほども申されたように環境と、さまざまな取り組みをされていて、やはり教育の中央区というのを私は肌で感じました。この教育の款もわくわくする款だなと、改めて感じております。

 ただ、今回の私の決算特別委員会の山は、今まで決算特別委員会、予算特別委員会、4回連続出させていただいておりますけれども、今までは土木建築費が自分の山だったんですけれども、今回はここ、教育費が自分の山であります。

 始めるに当たりまして、もしお持ちでしたら、3冊報告書を準備ください。「小学校改築計画策定調査報告書」、「中央区学校教育検討会報告書(平成18年2月)」、それと「教育の中央区学校づくり検討会報告書(平成20年3月)」、この3冊がお手元にあれば御準備ください。

 では、始めさせていただきます。

 まず、小学校改築、まさにこの3冊がかかわってくるんですけれども、小学校改築です。

 まず、1点目、策定調査報告書は326万余りを決算で計上されております。これは外注ですか。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 これにつきましては、委託をして進めたものでございます。外注で委託契約を結んで調査を進め、検討を進めてきたところでございます。

○小坂委員
 外注ということで、こちらがつくったものではないということで確認させていただきます。いいんですよね。外注ですよね。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 調査につきまして委託をしたものでございまして、その内容を踏まえて、検討は教育委員会でしたものでございます。

 以上であります。

○小坂委員
 では、次にいきますけれども、まず小学校改築なんですけれども、結論からいいまして、京橋地域に3校は要らない。それよりは月島地域に1校つくるべきだと考えます。それは置いておきながらも、これが一番言いたいところなんですけれども、まず小学校改築が、今、述べられてきているところなんですけれども、まずこの決定のプロセスに誤りがあり、計画ありきで進めていると思います。5つ理由を述べます。

 まず、理由のその1は、区議会に対して正しいプロセスを経て計画が進められておりません。基本設計を、予算審議する予算特別委員会(平成21年3月)で判断材料としてとても重要な意味を持つ「小学校改築計画策定調査報告書」、ここには残念ながら「平成21年3月」と書かれておりますけれども、これが、私は何度も請求しましたけれども、予算特別委員会では提出されずに、我々議会に提出されたのは、明けて4月20日の区民文教委員会でございました。一方、予算が通っていないのに3月10日、3月6日には、予算審議最中でありますけれども、改築準備協議会はもう始まっている。そのようなことで、きちんと予算審議の前に判断材料となるようなものが提出されずに予算が進んでしまっているというふうな状況です。これは一つの事実として述べさせていただきます。今後、予算特別委員会におきましては、このような報告書とか計画が出たのであれば、これは2月中に私たちに渡していただき、予算特別委員会までに出していただきたいと考えます。決算特別委員会前に行政評価書が欲しいという同様な思いで申し上げさせていただいております。このあたりは事実として、これは回答は要りません。

 2番目の、この決定のプロセスの誤りを述べますと、これは区民に対して、正しいプロセスを経てこの計画をつくっていないと私は考えます。関心のある皆様が傍聴可能な公開の場で検討するのが本来のあり得る形です。多くの住民、区民の十分な意見を聞くことなく、この計画を進めていると私は考えます。実際に、これは改築に対して反対の声を多くの人が述べているにもかかわらず、その声には耳を傾けようとしておりません。私、結構ここの小学校のお母さん方と明石、明正、中央小学校、よくお話しするし、実際に生徒ともお会いして話すんですけれども、改築に関して、いいねと言った人はいません。大抵の皆様が、何でこんなことするのというふうな御意見です。それはそれとして、明石小学校PTAから学校改築に関してのアンケート結果が届いているとお聞きしますが、それはどのような趣旨のものであったかお知らせいただければと思います。この部分だけ、そのアンケート結果がどのようなものか私自身知らないので、それが改築賛成なら、それはそれで一つの声として私はここで受けとめたいと思います。

 3つ目は、中央区基本計画2008がありますけれども、そこにおきまして、何の根拠もなく3校改築と計画を書いていると私は判断します。同時期に出された「教育の中央区学校づくり検討会報告書(平成20年3月)」で第6章の「おわりに」において、「昭和初期に建設された小学校の改築に関しては具体的に議論できなかった」と明記されているんです。恐らく同時期に書かれたこの学校づくり検討会がもとになって平成20年の計画2008がつくられたと思うんですけれども、ここに当たってみると今のようなことで、改築に関しては具体的な論議はなされていないんですよ。それなのに、この中央区基本計画2008では3校改築しようというふうな結論を出してきている。その点におきましては、この2008年の3校改築の根拠を教えてください。何を判断材料として3校改築の御提案をしてこられたのか。

 決定のプロセスの誤りの4点目は、専門家や学識経験者の分析を経ていないと思います。これは経ていたら経ていたでいいんですけれども。1つ目として、小学校改築計画の計画書ですね。ここに専門家や学識経験者の分析が入っていないんじゃないでしょうか。もし入っていたら、教えてください。それと、今進んでおりますところの小学校改築準備協議会においても、専門家や学識経験者が入らずに進められているという状況です。専門家や学識経験者が会長となって、そういう協議会を進めていくのが一番好ましい形でありますけれども、もし専門家や学識経験者が入っているなら、どなたで、その方の所属はどちらでしょうか。

 最後に、またこれも一番大きなお話ですけれども、実際に小学校改築計画策定調査報告書、これ自体が“誤り”ではないでしょうか。“誤り”と申したのは、もし言葉が過ぎれば、事実の過大評価、データの過大評価をして結論を導き出しておりませんか。
 それの具体例を申しますけれども、この調査報告書は3つの視点で書かれておりますけれども、3つの理由、分析のもと、改築対象校の選定をしたというふうになっております。3つの理由の視点3というところの改築に関するこれまでの経緯というところに、「中央区学校教育検討会報告書(平成18年2月)」では、中央小学校、明石小学校、明正小学校の3校は校舎改築等を含むあり方について、地域の方々などとともに協議を進めていくことが望ましいというふうなことがこの報告書の中で書いておりますが、この報告書に当たってみましたが、そのようなことが書かれている部分はございません。もしそれを書かれている部分があるのであれば、私の見落としですので、そこのページを指摘してください。それよりは、この報告書をきちんと読み込んだのであれば、この結論はどう書くべきかといいますと、この報告書の29ページに、「これからの小学校のあり方で、中央区の学校のあり方に関する現状と課題において指摘した月島地域の人口増への対応策としては、学校の新設が考えられます。しかし、区の人口推計によれば、学齢人口は平成30年ごろをピークに減少することが想定されること、都心における学校用地確保が困難であること、他の学校における余剰教室の有効活用によって、増加する児童数への対応が可能であること等の理由から、教室不足に対応するための小学校新設の必要性は低いと考えざるを得ません」というふうに書いているんです。本来、この結論をここに持ってくるべきじゃないでしょうか。

 もう一つ理由は、引き続きもとの「計画策定書」に戻りますけれども、文章は続いております。この報告書があって、中央、明石、明正小学校の校舎改築等の地域の協議会をつくることが望ましいとしたという文章の続きに、「また、教育の中央区学校づくり検討会答申(平成20年3月)では、地元協議会から要望があった、昭和初期に建設された小学校の改築について、今後地元との協議を踏まえながら、計画的に改築を進めていくことを望むとの考え方が示された」と書かれております。その該当箇所に当たりますと、該当箇所は6の「おわりに」というところに書かれているんですけれども、そこでは、「地域協議会からも要望があった、昭和初期に建設された小学校の改築に関しては具体的に議論できなかったが、今後地元との協議を踏まえながら、計画的に改築を進めていくことを望みたい」と書いております。あたかも何か議論がなされて、この3校の改築を望むという考え方があったというふうな書き方をしているのに、そうではなくて、その引用した部分では「具体的な議論は一切なされておりません」というほうが重要じゃないですか。それを抜かして、ただ後半の文章だけ入れているわけなんですよ。このような書き方、論文の引用の仕方は科学的な論文であればデータの、言ったら、言葉は悪いですけれども、捏造にも当たるんじゃないでしょうか。なので、少なくとも、今言った「中央区学校教育検討会の報告書」におけるそのページがもしわかれば、どこにそのようなことが書いているのか教えてください。そこだけで構いません。

 5つの理由ですね、区議会への説明がないということ、2つ目に区民への十分なプロセスを経ていないということ、中央区基本計画2008への3校選んだ根拠がないということ、4点目に専門家や学識経験者の分析がないということ、5つ目にこの報告書自体が誤りであるということ、これらのことで、私はこの学校改築に関しては区のあり方は考え直したほうがいいんじゃないかなと考えております。それぞれの質問にお答えください。

○齋藤教育委員会次長
 質問が多岐にわたってございますけれども、まず区議会に報告がなされていないという最初の質問でございます。

 この報告書につきましては、3月に策定をいたしまして、4月の区民文教委員会のほうで報告をさせていただいているというふうに認識を持ってございます。

 それから、反対の方が非常に多いという委員の御紹介がございましたけれども、私どもは反対の声はほんの少数。ないとは言いません。確かに反対をされている方はいますが、大多数の方は賛成をしていただいているというふうに認識しているところでございます。ただ、賛成の方の中にも、学校の敷地内に改築の仮校舎をつくるということに対して工事中の不安、この辺は皆さん、多くの方が不安を感じているということがございました。そういったことがございましたので、我々もその改築工事期間中の安全性については専門家といいますか、技術部門の職員も同行いたしまして、安全性について最大限配慮していくということの御説明をさせていただくと同時に、現在同じような形で学校改築を行っている他区の状況も視察をいたしまして、その辺は不安の解消はされたというふうな認識を持っているところでございます。

 それから、次に、PTAのアンケート結果でございます。

 これについては、現在、協議会の中でこの学校改築の話を進めさせていただいてございます。その中のPTAの役員の方がPTAの代表として参画をいただいているところでございますが、このPTAの役員の方々がより広くPTA保護者の方の御意見を集約したいということで、PTAの役員の方々が自主的に実施をしたアンケートでございます。このアンケートを見させていただいても、非常に賛成であるという声があったということも御紹介させていただきたいと思います。

 昨年の12月にこの報告書をまとめた中間のまとめというものがございます。これも12月の委員会の中で御報告をさせていただいている。その後、報告書ができた段階で、さらに4月に委員会で御報告をしているという経緯でございます。

 それから、次に、改築をやる根拠がないではないかというような御質問でございます。

 これは、報告書を委員もお読みいただいたと思いますが、3つの視点といいますか、今現在、この3校が抱えている課題、まず明石小学校につきましては、当然、学校の築年数が長いということの老朽化に対する対応、それから、今後、明石小の学区域の児童がふえてくることによって教室が足りなくなるという状況を、今、予想してございます。教室が足りなくなるということは、学校設置者であります我々教育委員会としては、こういった状況が生じるということは避けなければならない。当然のことでございます。そこで、明石小学校については改築をする。それから、中央小学校につきましても、これは説明をさせていただきますので省略しますが、それぞれ学校の課題を解決する上で改築が不可欠であるというような結論を出したところでございます。また、地元の皆様からも非常に強い御要望をいただいているということでございます。そういったことから、今回、3校の改築に至ったと。

 当然、改築対象としての検討は、老朽化が著しいというか、築年数が80年を経過してございます7校を対象に、どの学校からまず改築をしようかという検討をした上で、この3校が緊急性が高い、優先順位が高いという判断をして建てかえ対象とさせていただいたところでございます。この建てかえ対象とした時点では、当然、その学校の関係者、地域の皆様とお話し合いもさせていただきながら、この基本計画2008の期間内における改築ということで3校を選ばせていただいたというところでございます。

 それから、専門家や学識経験者の分析を経ていない、入っていないかどうかということで、これは入ってございません。我々、教育の専門家といえば専門家でありますし、学校の校長先生、この方も教育の専門家でございます。

 改築協議会については、専門家というのは、教育の専門家は入ってございます。

 それから、小学校の現在の進行している小学校改築協議会、ここについては同様でございまして、教育の専門家として学校関係者が入っていると。当然、教職員も含めてメンバーで構成してございます。

 それから、すみません、質問が幾つか漏れているかもしれませんので、また後ほど御答弁させていただきます。

○小坂委員
 それぞれありがとうございました。

 もうお答えは要りませんけれども、中央区基本計画2008の根拠は何かとなった場合に、いろいろと今ある根拠で中央区区本計画2008の根拠があるというふうな、逆に戻っての言い方なんです。中央区基本計画2008が3校改築しましょうという根拠はないんですよ。それはもう時間がないので、これはまた後ほどということで、いいです、ここは議論をそれ以上は。

 それで、おっしゃるように、この改築の分析の中で建築の専門家は入っていないんです。そこが問題で、なぜなら、改築の1つの理由としての耐震性、耐久性、老朽化、そのあたりの問題に関してですが、これらは全部復興小学校であります。復興小学校のつくりは頑丈であり、多くの建築家が認めるところであります。このことは、この計画策定の報告書自体も述べていますよね。「このうち、大正から昭和初期にかけて建設された小学校7校は、震災復興小学校として建設された鉄筋コンクリートづくりの堅牢な建物であり、これまで学校運営に支障ないよう、施設の維持管理や必要な改修を行っている。

また、耐震対策については、平成9年に必要な補強工事を終了し、すべての学校施設で耐震基準を満たしている」ということで、しかしということで取るに足らない理由が次に続いていますけれども、堅牢であるということを認めていらっしゃるんですよ。

 かつ、これは多くの建築家や建築の専門家も述べているところであり、「日本建築学会学術講演集」では、「東京における関東大震災後の復興小学校の転用・利活用」という論文の中で、「仮に、新耐震基準に適合しないなどの場合にも安置な解体は慎み、地元はもとより有識者を交えて保全・継承の検討を経る必要があろう。現存する復興小学校の状況はさまざまであるが、その存在は、我が国の近代建築・近代都市計画史上貴重なだけでない。学校や地域に根差して紡がれた多様な個人史と大きな歴史とのかけ橋ともなる幅広い物語性を発揮するものであり、校庭や隣接する復興小公園等のオープンスペースとあわせて、地域コミュニティの核として今後も地域の結節性を保ち、多様な利活用の可能性を有している。これらを踏まえながら、今後のまちづくりを考える上で復興小学校は、極めて重要な地域振興の資源として再評価されることを切に望むものである」、というふうに結論づけられております。

 実際、さらに分析するのであれば、東京都選定歴史的建造物として指定された泰明小学校、昭和4年、常盤小学校、昭和4年、中央小学校も昭和4年ですけれども、泰明と常盤は保存していくわけですよね。泰明と常盤は、そうしたら何年持たすおつもりですか。ちなみに、明石は大正15年建設なので82年経過、明正は昭和2年建設で81年経過というふうになっておりますけれども、実際に泰明常盤は残していくんですよね。同じ論理で残せるわけです。ですので、泰明とか常盤は今後何年ぐらい残すおつもりですか。さらに、実際、十思小学校は解体することなく、現状を生かしてリフォームしているわけです。ボランティアセンターや十思保育園として再生しました。この十思小学校はいつ建てられて、今後この保育園は何年残していくおつもりですか。

 この3校は、実際に学校教育に支障なきように十分な修繕も繰り返してきているわけであり、バリアフリーすべき箇所は存在しているんですけれども、十分に屋上改修、外壁改修、校庭改修、床内部改修をしてきているわけでありますので、改築の対象とされる学校はそのように修繕されてきているので、泰明や常盤は実際に何年もたすおつもりですか。それと、十思小学校は何年もたすおつもりですか。そこだけ、何年か、簡単ですが、答えてください。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 泰明、常盤小学校でございます。こちらにつきましては、東京都の選定歴史的建造物に指定されてございます。報告書のほうでも御案内しているのは、保存あるいは再生というような形の検討あるいは、これから調査をしていくという内容で報告をさせていただいております。あくまでも保存を前提ということではございません。先ほども建築学会の報告書のお話がありましたが、あくまでも転用とか利活用という中で、今現在、学校施設として使われていない建物については、そういう検討も必要かと感じてございます。しかしながら、今現在、実際にお子さんたちが通う学校施設として、この課題を解決していく。そういう中では、やはり施設の課題は、現状の復興小学校のコの字の校庭を囲むような形のままでは十分施設の改善が図れないものと考えてございます。そういう意味で、改築ということで進めているところでございますが、泰明、常盤小学校につきましても、そういう考え方で何年というような、保存というような考え方はございません。

 また、先ほどの十思小学校でございますが、こちらにつきましては、昭和3年に建てられた建築でございまして、やはり震災復興小学校でございます。こちらにつきましては、御案内のように、今現在は、複合施設として十思の保育園も整備されました。この建物の内部のリフォームあるいはリノベーションという形で改修して使っているところでございます。

 以上でございます。

⇒(2)に続く

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明石小・中央小・明正小改築問題(2) 昨年10月決算特別委員会にてー教育費ー

2010-03-20 19:31:03 | 財務分析(予算・決算)

○小坂委員
 それですので、実際、泰明とか常盤、また十思ですね。十思のように解体することなくリフォームすることで使っていけるわけです。今問題になっております明石、明正、中央の3校におきましても、この考え方で少なくともいくべきだと。十思小学校ではエレベーターもつけることができましたし、バリアフリーも達成できたわけです。この考え方でやっていけると。泰明とか常盤もまだまだ保存していくと。皆様が建築の専門家を入れずにつくられているより、建築の専門家をもっと入れて考えたら、安易な解体・新築は結論としては出ないわけです。ですので、そのあたりをまた今後考えていただきたいと思います。

 教室数に関しておっしゃっていましたけれども、教室数に関しては、昭和62年、1987年には中央区には5,280名、学級数が183ありました。そこまで、5,280名まで、今は4,540ですが、そこまではキャパシティーはあるという見方もできます。今後、児童数の推計を出していただいておりますけれども、平成20年には4,540、平成22年には4,835、平成30年には5,634名ということで、だんだんだんだんふえていくわけですけれども、ふえていく場所はどこかとなった場合に、これは京橋ではなくて月島ですよね。だったら、余り増加のないところに3校教室をふやすという考え方は誤っているわけです。

 教室数に関して、資料166で出していただいておりますけれども、すべての学校において特別教室というのがあります。これがたくさんあるわけですけれども、これは、今、使っているといえば使っておりますけれども、中央小学校で特別教室が10、明石小学校で特別教室が11、明正小学校で特別教室が13ということであれば、6つ教室に使ったとしても、まだ余裕があるという判断もできます。実際に、教育の中央区学校づくり検討会報告書、平成20年3月のところでも、3ページのところにおいて、実際に先ほど読みましたけれども、小学校施設の状況において、今後、児童数が増加する学校においては、当面、余裕教室で対応していくが、その後はその他の欄に記載している部屋を、特別教室とかだと思いますけれども、普通教室に改修することを検討する必要がありますということで、学校を、先ほどの3校、明正、明石、中央を解体して新校舎を建てるというふうな考え方ではなくて、教室の変換、教室を改修していくということが一番我々が考えるべきことであると考えます。この考え方をもっともっと取り入れていっていただきたいと要望いたします。

 ここに関しては、別に御回答は要りません。

 実際に、私は、結局、この報告書が建築家とかの建築分野の専門家を入れずにつくられているわけですから、なかなか3校を、言い方は悪いですけれども、この明正、明石、中央小学校を標的にするような考え方で書かれていると思うんです。まず、7校を選択すると。建てたのが古い順から7校を選択したと。そこで、分析の中で児童数の推移を評価している。7校の中でしか児童数は評価していないんです。でありますので、これは中央区の全体の中で児童数は評価すべきなのに、何の理由もなく選んだ、古い順番に選んだ7校をまずピックアップして、それで、その中で児童数の増加を比較、検討して3校選んだと。3校が選ばれるようにして報告書を書いたと理解できます。これも別に私の分析であり、回答は要りません。

 結局、このような安易な解体して新築するというふうな、このまま進めると、これは先ほど引用させていただいた論文にもあるように、地域の大切な宝でありますところの、また地域の大切な心のよりどころであるところの校舎がつぶされる。また、将来の子供たちは風格、伝統、文化の薫りの漂う学びやで学ぶ機会を逸してしまう。そして、何の根拠もなく、罪もない子供たちが改築の間、プレハブで生活するという労苦をなめさせられるというふうなことになりますので、結論として、やるべきことは京橋地域ではないんじゃないんですか。中央区基本計画2008に書いておりますように、地域の人口別の比較がありますよね。京橋地域は、平成20年から平成30年に人口増加は5,546人、日本橋地域は7,564人、月島地域は1万3,560人。ということは、このデータから類推して、小学校の人口の伸びもどこが高いかというと、それは月島エリアであるわけです。ですので、3校の改築よりは、その金を本当に小学校の教室が足りなくなる月島エリアに、もう一度考え方を直すべきだと私は考えます。

 実際に、それですので、やめてくださいとまでは言いませんので、もう一度、公開の検討会を、朝潮運河にかかる歩行者専用橋のところで検討会を設けたように、今回、公開の検討会をもう一度つくって、建築の専門家を交えた公開の検討会を設け、ついでに言いますと専門家を会長として、そして中央区の全体の小学校の施設のあり方をもう一度、もむというふうな検討会をつくるべきだと私は考えます。本当にすべきことは、京橋地域の一番人口の伸びが少なかった部分の3校よりは、まずは月島、晴海、そこをどう手を打っていくべきか。(中央区基本計画)2008の10年間で京橋地域の3校に力を注ぐべきなのか、それとも一番人口がふえるであろう晴海地区に力を入れるべきなのか、そのあたりをよく考えていただきたいと思います。

 この考え方に関して、後で答弁いただければと思います。

次の話題に移らさせていただきます。あとは小さな話題になります。

 振興基本計画と生涯教育に関してなんですけれども……。

○決算特別委員会委員長
 では、一たんここで切っていただいて、今の御答弁をお願いします。

○橋教育長
 ちょっと基本から少し確認させていただきますけれども、月島地域は新増築なんです、対応するとしたら。今話題になっているのは改築なんですね。それは分けて考える。それはいろいろ議論あります。このままでは月島地域は足りないじゃないかという御心配もあろうかと思いますけれども、私どもは当分は対応していけると。ただ、再開発の動向については注意深く見詰めていくと、そういうふうにたびたび御説明申し上げています。

 今、基本計画で載せたのは改築です。改築は、子供たちがいる学校ですから、耐震性はすぐ調査して、地震で壊れないようにはしました。ただ、古いんです。機能的にも劣化しています。まず、一番わかりやすいのは、体育館は屋内体育館ではなくて講堂なんです。わかりますよね、現場を見ておられると思いますけれども。たびたび要望が出ています。だから、体育館だけ改造すればいいんだというお考えもあるかもしれませんが、その他、教室も狭いんです。60平米ないんですから。昔の寸法なんです。今は机も大きくなりまして、それなりの定員を入れたら狭くなるんです。

 何よりも、地域の方々からのそういう要望が強いんです。急に出てきたようなお話がありましたけれども、全然そんなことはありません。3期6年検討している中で、最初のころはソフトの話が多かったですけれども、メンバーの方はみんな改築はどうするんだということを頭に置いて、折に触れて発言されながら来たんです。その上で、学校づくり検討会では、先ほど御指摘ありましたけれども、具体的な検討云々ありましたけれども、話が出なかったんじゃないんですよ。ただ、優先すべき課題があったから、そちらを重点的にやったので、全員の方が、改築も大事なことだと。大事なことだからということで、全員の総意で、あの報告書は取りまとめられたんです。その辺のところをよく御理解いただきたい。

 それと、専門家が震災復興学校を残すべきだと。そういうお考えもあるでしょう。ただ、中央区から見れば、残るに適した学校は東京都の建造物の指定も受けていますから、残す方向でやっています。地元の要望の強い地域については、これはもう改築していくんだ、よりよい学校にしていくんだと。これは行政のそういう考えで、議会のほうのお考えでも、私は大方御理解を得ながら進めてきたと思っています。

 その辺のところをよく御理解いただいて、月島地域のところにつきましては、全然放っておくということではないんですから。私どもも開発動向を見ていますけれども、御案内のように晴海四丁目だって動いていません。昭和60年代初めに臨海部の開発計画ができてから、もう20年以上たって動いていないんですから。そういう状況をよく見ながら、それはそこにお住まいになっている方々が心配されたり、関係者が心配されるのは十分受けとめておきます、それは。ただし、何もしないということではなくて、それはそちらで対応する。改築は改築でやらせていただく。そういうことで進めておりますので、御理解いただきたいと思います。

○小坂委員
 わかりました。わかりましたというか、そちらの言い分はわかりました。

 ただ、それであれば、この学校づくり検討会でそのような内容をきちんと書いたり、学校教育検討会の報告書でも書いたりすべきなのに、そこでは十分に書かれていないんですよ。ぽんぽんと出た意見だけの、それが大切であれば、この報告書に反映させるべきなんです。それが全然書かれていないんです。そういう経緯があったというのは私も存じ上げておりますけれども、であれば、ここにもきちんと残していくべきです。

 それに、そちらが分析されるよりも、もっと、恐らく明石小PTAのほうは改築賛成よりも反対の数がもっと圧倒的に多かったんだと私は、見ていないけれども、思いますが、そこは結果はいいです、説明は。賛成の声もあったというふうな表現をされたので、私は理解したんですけれども。すべての報告書が、人口増加から冷静な目で、どこをどうすべきか考えた場合に、私は、この10年で一番最初に力を入れるべき場所は、それは月島エリアじゃないかと申し上げているのであって、全体の中で考えたら、京橋と月島どちらがということで1つ言っております。そしてまた、もつ、頑丈な建物は、わざわざ壊す必要はなく、それを有効に活用していくということでいけると思っております。それで行政の方々に対しての私の考え方を述べさせていただきました。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 すみません、先ほどの答弁漏れがちょっとありましたので、ここで回答させていただきたいと思います。

 基本計画2008の中での位置づけでございますが、3校につきましては10年間の計画の中で、収支の予測の中で、中央区の事業全体の中で3校の改築というのを計画化させていただいたところでございます。

 また、アンケートでございますが、こちらのアンケートの内容につきましては、PTAのほうでまとめたものでございます。例えば、明石小でございますが、こちらにつきましては、実際にどのような学校にしていきたいかという内容に関する要望でございます。また、中央小につきましても、桜の木を残してほしいとか、あるいは正門のところを残してほしいというような内容のものでございました。

 すみません、答弁漏れがございましたので、ここでお答えさせていただきました。ありがとうございます。

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明石小・中央小・明正小改築問題(3) 昨年10月決算特別委員会にてー総括質疑ー

2010-03-20 18:36:56 | 財務分析(予算・決算)

 前に決算特別委員会の教育費のところの討論を掲載いたしましたが、総括質疑におきまして再度、取り上げましたので、掲載いたします。
 他の分野と同時に質問しておりますので、関連箇所のみ掲載します。

****昨年10月決算特別委員会 総括質疑より****

○小坂委員
これは、教育費のところで申し上げましたけれども、小学校改築計画策定調査報告書絡みでのことであります。

 これに関して、明石小学校等々の歴史ある、風格ある学びやを壊さないでくれというふうなことで、私はたくさんの区民の皆様から御意見をいただいております。きのうもそのような匿名での投稿をいただきました。

 読ませていただきますが、「初めて投稿させていただきます。(中略)昨年、初めて改築の話を聞き、現在までの経緯はかなりひどいもので、協議会とは名ばかりで、常に区の主導下の報告会です。とりあえずは我々の意見は聞く耳を持ちますが、次の会にはすべてやんわり断られ、区の方針、意見に従うように仕向けられてしまいます。協議会に参加している教育委員会の区の職員は、話が進まないと、私の意見も途中で打ち切り、最終的には逆切れをしてきたこともありました。改築に関しては、常によいことばかりの話で、子供のことを何一つ思ってくれません。人口をふやすことばかり躍起になり、現在登校している子供のことは何一つ考えてくれません。焦点にしなければいけないのは、子供目線で学校を見たときに改築が必要なのか、再度見きわめることだと思います。私の子供は小学生ですが、今の学校が取り壊されると聞いたときに、涙を浮かべておりました。子供はこのように私に訴えておりました。お父さん、今の学校はとても楽しいよ。子供の声は今でも頭から離れないし、今、立ち上がらなければ取り返しがつかなくなりますね。お役に立てることがございましたら、ぜひ御連絡ください。」

 匿名の方なので、連絡のつけようがないんですけれども、このような感じの御意見をいただいております。教育委員会の皆様の分析では、賛成の方が多いというふうなことですけれども、このような意見があるということをとりあえずわかっていただければと思います。

 そこで、質問に入りますけれども、私も教育費のところで何度も言いましたが、どうもこの小学校改築計画策定調査報告書というのは、これをもとに100億円程度の学校の改築がなされていくというのがどうも理解しがたい。すなわち、この報告書は概要版であって、本当に詳しい報告書はあるのかどうか。あれば、それを議会に提出していただきたいと思います。この報告書をもとに100億円もお金を出すような、そのようなものとは読めないんです、これは。それなので、そのあたりを教えていただければと思います。

○遠藤副参事(教育制度・特命担当)
 報告書の件でございます。

 小学校改築の報告書につきましては、ここに書かれているものがまとめた内容となってございます。詳しい内容等につきましては、データとしてはございますが、公表の形ではまとめておりません。それをもとに、この内容を今回お示しさせていただいたところでございます。

 先ほど100億円というお話がございましたが、これにつきましては、前回も御答弁したように、基本計画2008の中で改築、改修というものが今後小学校で必要になってくるという中で、3校の改築については財政面も含めて計画ができたということで、それの具体的な選定ということで報告書の中に示させていただいたものでございます。

 以上です。

○小坂委員
 わかりました。丁寧な御説明ありがとうございました。

(中略)

 次に、小学校関連でございますけれども、私はどうしてもこの報告書は不完全であると思います。この報告書をもとに、そのような議決に至ったということは、私は考えたくないと思っております。その理由は前回も(教育費の款で)述べさせていただきましたが、以前から書かれている報告書とこの引用がちぐはぐである、矛盾しているということで述べさせていただいております。これのもととなる、これが概要で、本版があるのかなと思えば、それがなかったので大変残念なことでありますけれども、改築の計画はもう少し区民の意見を聞き、再検討も踏まえ、もしくは少なくとも建築学の専門家は入っていないということでしたので、その方々も入れて改修のあり方を、すなわち一部分のところの改築だけでも何とかなるんじゃないか、教室数をふやすことができるのではないかというところを見ていっていただければと思います。単に教室が広くなるということと、私はこの風格、伝統がある学びやで育つということと、どちらが教育効果があるかと考えた場合、今の学び舎で学ぶということこそが中央区の教育のあり方であるし、その学び舎ということが教育にとってとても大事であると私は考えております。単にビルの中の広い教室でというだけではなく、今の建物を生かしつつ今の教育事情に合わせていく、そのような考え方で検討していただければと思います。これに関しては、まだまだ区民の合意形成が至っていないと思いますので、また今後とも御相談させていただければと思います。よろしくお願いします。

***以上****

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明石小・中央小・明正小改築問題(4) 昨年11月第四回定例会本会議一般質問

2010-03-20 17:56:09 | 財務分析(予算・決算)
 明石小・中央小・明正小改築問題について、昨年11月の第四回定例会本会議一般質問の場で、指摘させていただきました。
 その質疑を振り返りたいと思います。

 質問部は、自分の原稿から引用しています。
 その後、質疑の対象部分のみを引用しています。

*********

○十七番(小坂和輝議員)
次のテーマにうつります。
Ⅵ情操を育む学び舎・明石小・中央小・明正小の改築問題についてです。

 まず、根本的なところに立ち返らせていただきます。『基本計画2008』には、三校改築が提案されていますが、同時期だされた報告書『教育の中央区学校づくり検討会報告書 平成20年3月』で、「第6章おわりに」において「昭和初期に建設された小学校の改築に関しては具体的に議論できなかった」と明記されています。改築問題を議論することなく、①『基本計画2008』にある三校改築を提案することができた、その根拠をお示しください。基本計画に掲載するわけですので、それも三校と特定の数字を明記するには、十分な議論があってしかるべきであると考えます。

②明石小学校、中央小学校、明正小学校の改築がなされるとあるが、それら小学校は、生徒数は減少していくことの旨すなわち、「今後も大幅な人口増加が見込めないことや老朽化した施設であることから、通学区域の弾力化を行った場合に他の通学区域に児童が流出するおそれのある中央小学校、明石小学校、明正小学校については、教育研究開発指定校やフロンティアスクールとしての位置づけを行い、小規模特認校などの仕組みを活用した先駆的な取り組みを行うことが考えられます。」との記述が、2006年(平成18年)の『中央区学校教育検討会 報告書』にあり、生徒数増加に合わせて教室数を増加させるということを目的とした改築の根拠と矛盾しています。
 また、生徒数増加に対して対応の方向性は、学校改築で対処するのではなく、 『教育の中央区学校づくり検討会報告書 平成20年3月』(3ページ)によると「「小学校施設の状況」において、今後、児童数が増加する学校においては、当面、余裕教室で対応していくが、その後は、「その他」の欄に記載している部屋を普通教室に改修することを検討する必要がある。」と記載されています
 これら矛盾をどう解釈すればよいのでしょうか。

そして、実際、老朽化を理由に改築を選択するのであれば、その根拠の提示は、果たしてなされたのでしょうか。
老朽化というが、耐震性には現在対応しています。同時期にできた常盤小学校泰明小学校京華小学校十思小学校は、そのまま今後生かしていく一方で、明石小学校、中央小学校、明正小学校は、老朽化でもたないというその根拠は果たしてなになのでしょうか
 校舎の耐震性・耐久性を示す科学的根拠を示していただきたいと思います。

また、
いままで、地元や保護者への改築に関しての説明や合意形成はどのようになされてきたのでしょうか。今後、どのように合意形成をうるおつもりでしょうか
 学校敷地に存在する埋蔵文化財の保護の観点について、中央区文化財保護審議会の場できちんと審議し、合意形成をえたのかどうかも合わせてお答えください。

⑤不要な負担を子どもたちに強いる計画であり、歴史と伝統ある学び舎で情操豊かに学ぶ機会を奪い、また、地域の皆様の心のよりどころを失うことになります。
 建築学会でも、「日本建築学会学術講演集」では、「東京における関東大震災後の復興小学校の転用・利活用」という論文の中で「仮に、新耐震基準に適合しないなどの場合にも安置な解体は慎み、地元はもとより有識者を交えて保全・継承の検討を経る必要があろう。
 現存する復興小学校の状況は様々であるが、その存在は、わが国の近代建築・近代都市計画史上貴重なだけでない。学校や地域に根ざして紡がれた多様な個人史と大きな歴史との架け橋ともなる幅広い物語性を発揮するものであり、校庭や隣接する復興小公園等のオープンスペースと併せて、地域コミュニティの「核」として今後も地域の結節性を保ち、多様な利活用の可能性を有している。これらを踏まえながら、今後のまちづくりを考える上で復興小学校(及び併設された復興小公園等)は、きわめて重要な地域振興の資源として再評価されることを切に望むものである。」と十分な検討を望む意見が出されているところです。
 先日の10月の決算特別委員会では、『小学校改築計画策定調査 報告書 平成21年3月 中央区教育委員会』は、建築学の専門家や学識経験者の分析が入らず、改築の計画一案で作成されたこと、現在進行中の「小学校改築準備協議会」にも、建築学の専門家や学識経験者が入らずに進められていることが明らかにされました
 昨日の一般質問で指摘されていましたが、このままの計画では、改築中の防災拠点の配置計画が十分検討もされていません。拙速に改築計画をすすめるのではなく、建築学、教育の専門家・学識経験者を交え、開かれた場で、改築ありきではなく、全面改修や一部改築も含め再度十分議論をすべきと考えるが、いかがでしょうか

議論する時間がないというのであれば、生徒数が急増した場合、日本橋地域(日本橋小・有馬小・久松小)で適用している通学区域の「調整学区」の考え方を用いることで対処も可能であると考えるがいかがでしょうか

 


○教育長(橋春雄君)
 教育問題についてお答えいたします。

 初めに、基本計画二〇〇八における小学校三校の改築の根拠についてであります。

 お尋ねの教育の中央区学校づくり検討会報告書では、「地域協議会からも要望があった昭和初期に建設された小学校の改築に関しては、具体的な検討ができなかったが、今後、地元との協議を踏まえながら計画的に改築を進めていくことを望みたい」という明確な方向性が示されております。こうしたことから、今後十年間の区の財政見通しなどを含めた総合的な判断により、基本計画二〇〇八の中で事業計画化をしたものであります。

 次に、改築の根拠となる児童数についてであります。

 改築の第一の目的は、物理的、機能的な老朽化への対応であり、児童数の増加と、それに伴う教室の不足については、今回の改築計画の中では対象校選定に当たって優先順位を検討する視点の一つとして位置づけたものであります。したがいまして、中央区学校教育検討会報告書の中で示されている児童の予測と矛盾するということではありませんので、御理解をいただきたいと存じます。

 次に、校舎の耐震性、耐久性についてであります。

 本区の学校は、平成九年に必要な耐震補強工事を終了し、すべての施設で耐震基準を満たしております。しかしながら、改築対象の三校につきましては、経年によるコンクリートの劣化などが進んでいることは否定できず、適宜修復はしているものの、雨漏りやひび割れも見られる状況であります。こうした老朽化への対応はもとより、教室や体育館の狭さの解消など、機能面の更新を目的として三校の改築を行うものであります。昭和初期に建設された他の四校につきましては、小学校改築計画策定調査報告書の中で示した今後の整備の方向性に基づき、それぞれの学校の特性に応じた取り組みを行ってまいりたいと存じます。

 次に、地元や保護者への説明や合意形成の取り組みについてであります。

 まず、教育の中央区学校づくり検討会とあわせて設置した地域協議会における議論の中で、学校改築の強い要望をいただいてまいりました。また、改築校の選定に当たっては、関係する学校、PTA、町会代表者と協議を行うとともに、対象校以外の学校にも説明し、改築の基本的な考え方などについて幅広い御理解をいただいております。その後、先行改築を行う中央・明石小学校におきましては、本年三月にPTAや町会などで構成した改築準備協議会を設置し、これまで学校づくりの構想について十分な検討を重ねてまいりました。このたび、協議会で出された意見や要望などを踏まえて、小学校改築基本計画(案)をまとめ、区議会に報告したところであります。さらに、この間、PTAの皆さんを対象に他区の仮校舎の見学会の開催も含め、関係者への十分な説明を行ってきましたが、今後も引き続き幅広い理解が得られるよう努めてまいりたいと考えております。

 次に、学校敷地内から出土した埋蔵文化財につきましては、文化財保護法に基づく発掘調査を行い、適切に保存してまいります。当然、文化財保護審議会には調査結果について報告を行ってまいります

 次に、専門家等を入れて、再度十分な議論をすべきとの御意見ですが、これまで述べてきたとおり、関係者の御理解も含め、順次手順を踏んで進めてきたところでありますので、新たな検討の場や御提案の調整学区については考えておりません

 


○十七番(小坂和輝議員)
 それぞれ御答弁ありがとうございました。

 まず、学校の問題でありますけれども、報告書を読ませていただいたところによりますと、その報告書にはどうしてもずれがあるわけです。地元の方とそのように一つ一つ議論を積んできたのであれば、その事実こそが報告書に載ってあってしかるべきであります。それが、私は指摘させていただいておりますが、具体的な議論をしていないという形で、要望はあるのに具体的な議論はしていないというのであれば、その具体的な議論を、今度は検討委員会をつくり、その場所でいかに改築をしていくか、もしくは改修というやり方もあるのではないか、それらをきちんと公開の場で議論を積んでいくべきであったと私は思います。手順を踏んできたということでありますけれども、それだったらそれで、学校の建物のあり方、施設整備のあり方をメーンにした検討会をつくり、そこで議論を積むべきであったと私は考えます。そのような検討会なしに議論の端で話されてきたようなものを持ってきて、それで議論を積んでいると言うのはいかがなものかと私は考えます検討委員会をきちんとつくり、施設整備のあり方を決めていくべきであると考えます

 また、地元への説明に関しても、本当に十分になされているかというところが一つあります。ならば、今開催されているところの学校整備の協議会、あれは公開なんでしょうか。傍聴者が来て、それで地域の皆さん、関心のある皆様が全員、その皆さんが話されている状況を見ながら一緒に考えるというふうなことができた会だったんでしょうか。そのあたりがきちんとなされていれば、それはそれで私は理解するところではありますけれども、しかし、それが、言葉は悪いんですけれども、密室で話されていて、その後、議事録を出すというのであれば、現場性というのがなくなりますので、やはり多くの関心ある方も自由に出入りできた中で、公開のもと、会議をしていく必要があるのではないかなと思います

 また、協議会のメンバーも、大事なところとして、改修をすることで考えるのであれば、改築のことを考えるのであれば、建築の専門家というのがきちんと入っておく必要があるのではないかなと思うんです。そこが欠けているわけでありまして、老朽化というのであれば、これは建物がもつかどうかというところから考えていくべきでありますよね。そうなった場合に、その判断をするのは建築家じゃないですか。

 私は決算特別委員会でも聞きましたけれども、建築家とか、そのあたりの専門家が入らずに、単なる八十歳ぐらいの年齢の建物だから、だから老朽化、もたないというふうな理論のステップになっているんですよ。それよりは、一方でもつという学校が提示しておりますように、常盤や泰明、そして十思や京橋、そのあたりの小学校はきちんと一方でもつわけなので、であれば、本当にもたないのかどうか、そのあたりのデータを出していただきたいと思うんです

 十分にもつはずなんです。そのデータが一切出されていません。もたないと言えば、一緒に考える皆さんは、もたないのであれば改築に進めるしかというふうに考えてしまいますけれども、その根本的な一番最初のスタートは何であったのか。その貴重なデータが我々に出されていないんですよ。それを出していただけるようにお願いできないでしょうか。耐震性や耐久性は本当にどうなのか、それを我々議会は見ていません。科学的データに基づいて、一つ一つ議論を進めていきたいと考え、お願いさせていただいているわけであり、その耐震性、耐久性が十分もたないのであれば、その科学的データを、どこの建築会社がこういうふうな評価をして、どうであったか、コンクリートのサンプルをとってきて、これがこういうふうに劣化しているからどうなのか、そのあたりも出した上で検討していきたいと考えますが、そのあたり、ぜひとも公開していただきたいと考えます。これが改修、改築に関してです。

 もちろん、子供たちにとって何が一番大事かというと、それはきちんと教育ができる場所ですよね。私は、今の校舎の中で学ぶことこそ、心豊かな、情操豊かな教育がなされると考えております。伝統と風格、歴史、文化がある、今からはなかなかつくることができない貴重な学び舎なわけであり、それが中央区にはまだ残っているわけです。かつ、それが今、データとしては出されておりませんけれども、まだもつということが考えられるわけです。であれば、それをもたせていこうという検討を、まず一方で進めるべきじゃないですか。それを壊してという一つの選択肢しか出されていないというところは、私は考え方がどうかなと思っておりますので、このあたりの考え方ですね。

 私は、教育は大事だと思っております。中央区の子供たちは伝統と歴史、風格、それがある学びやで学べる明石小学校、中央小学校、明正小学校、その学びやで学べるというところをとても大事にしていきたいと考え、このようなことを申し述べております。ぜひとも御回答のほうをお願いできればと思います。

 

〔教育長 橋春雄君登壇〕

○教育長(橋春雄君)
 再質問にお答えいたします。

 最初に、整備中心の検討会をさらに設けてやるべきではなかったかというお尋ねでございますが、私どもといたしましては、行政の責任において調査をかけまして、その調査の中で地元を初め、関係者の御意見を集約しながら整理したものであります。

 それから、改築協議会は傍聴は可能かということですが、可能であって、実際に傍聴されている方がおります。

 それから、まず、もつかどうかということが最優先だというような御意見ですが、私どもは、先ほども御説明申し上げたとおり、単に物理的な老朽化だけではなくて、機能的な老朽化も更新しようということで、時代に合った新しい校舎を整備したいと。地元の強い要望を受けて、やっております。全然地元のことは質問では触れておられなかったですが、地元はかなり強く、どの学校も、それは現在の校舎にも思いはありますけれども、将来の子供たちのために新しい校舎をつくってほしいという要望は非常に強いものがありました。

 一例を御紹介いたしますと、ある学校では、その協議会の中で、この学校は地域の皆さんで支えてきたんだと。だから、支えてきた高齢者が生きている間にぜひ新しい校舎をつくってくれと、そういう御意見もいただいています。そうした地元の強い要望も踏まえて、私どもとしては手順を踏んで整理したところでございます。

 なお、耐震性については、専門的にはIs値というそうですが、その基準をもってクリアしているということでございます。これは、その時点で、古くなりますが、議会にも御報告してあるところであります。

 ですから、物理的な、例えばあと何年で壊れるとか、そういったことについての調査等はしておりませんが、何しろ八十年たつ建物でございますから、そうした物理的な面も当然劣化はしているであろうと。さらに、それだけではなくて、一番わかりやすいのは体育館ですが、かなり面積も狭いし、天井も低い。そういった体育館をほかの学校と同じように広くしていくとか、さまざまな面で学校としての施設のレベルがアップをし、子供たちによりよい環境を提供できるのではないか、そういうふうに考えております。

 答弁は以上です。

〔十七番 小坂和輝議員登壇〕

○十七番(小坂和輝議員)
 ありがとうございます。

 今、教育長もおっしゃったように、この校舎がもつ、もたないという科学的なデータは、Is値とか、それぐらいなんです。本当にもつかもたないかの科学的分析はされていないか、もしくはデータをお持ちなのかもしれません。だからこそ常盤や泰明小学校はもたせているわけですよね。もっと幅広く考えていく必要があると私は考えております。これら、まずは、いずれにしろ、すべてが意見交換じゃないですか。その意見交換を学校づくりでも、まちづくりでも、また築地市場の再整備でもやっていきたいと考えております。そして、その中には科学的なデータというのは必ず出すということです。

 それが出されていない学校改築は、あってはならない。また、子供たちの教育というのはとても大事であり、そのことを望みながら、私の質問は終わらせていただきます。ありがとうございました。

****以上****

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