「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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都議会 市場会計予算案可決の意味 <現在地再整備に向けた一歩>

2010-03-29 09:12:03 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
 都議会の状況を、報道から類推する域を出ず、今後より詳しく精査していく必要はあるものの、築地市場移転問題の重要な採決がなされようとしています。

 「市場会計予算案可決=豊洲移転」とすぐに結びつくものではなく、自治法上優位な権力を握る首長(都知事)と、その首長が移転を推進する中で、ぎりぎりの交渉を通じて、見出された結論ではないかと察します。

 今後の行方が、さらに重要になったということです。

 築地市場の今までの経緯、築地市場現在地再整備案、そして豊洲土壌汚染の実態とその対策、これらが、きちんと分析される中で、真実が明らかにされていくことでしょう。

 今まで、築地市場の移転問題に取り組んできて、その考察の中で言えることは、「土壌汚染が深刻でかつ軟弱地盤の豊洲東京ガス工場跡地に、生鮮食料品をあつかう市場をつくることは、さらにいうならば、震災時には、食糧供給拠点として機能しなければならない市場をつくることは、決して行ってはならない」ということであり、その一方で、「築地市場を現在地で再整備する手法は必ずある」ということです。そして、「築地市場の現在地での再整備こそが、築地のブランド、食文化を守り、今後の観光立国日本や国際都市東京の発展に、貢献する」といえます。

 現在地再整備に向け、これからが、とても大切な局面です。

*****以下、関連報道*****

日経
築地市場、移転ずれ込みも 都議会、予算案は可決
2010/3/28 2:28
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819695E0E5E2E6EB8DE0E5E2E1E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2;at=DGXZZO0195166008122009000000

 東京都議会予算特別委員会は28日午前2時過ぎ、築地市場(中央区)を豊洲地区(江東区)に移転させる費用を盛り込んだ来年度の市場会計予算案を賛成多数で可決した。「議会による現在地再整備の検討結果を知事は尊重する」などの付帯決議を付けた。同予算案は30日の本会議でも可決、成立する見通し。

 民主党の大沢昇幹事長は、予算案から移転予定地の取得費1260億円を削除した修正案の提出を見送ったことについて「修正案と同等の意味合いを持つ付帯決議となったため」と話した。

 採決に先立つ27日の予算特別委で、都は現在地での再整備の検討に理解を示し、議会の同意なしに豊洲の移転予定地を購入しないことなどを表明した。

 予算案可決で移転計画は前進したが、再整備の検討結果が出るまで事業は事実上ストップする。豊洲地区の新市場を2014年度中に開場させるという都のスケジュールはずれ込む公算が大きくなった。

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毎日
東京・築地市場移転:知事渋々「議会を尊重」 民主も譲歩「名より実」
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100328ddm041010118000c.html

 築地市場(東京都中央区)の江東区豊洲地区への移転問題で、石原慎太郎知事は27日、都議会予算特別委で民主党に対し「移転用地購入の予算執行については議会の意思を尊重する」との意向を表明した。用地購入費を削除する修正案の提出見送りを決めた民主党に対し譲歩を示す形で応えた。2日間審議を空転させた末、決着にこぎつけた民主党と都の成果。ただ知事の表情には妥協への抵抗感からか空々しさも漂った。新年度の市場移転関連予算は28日未明に予算特別委で可決する。【市川明代、江畑佳明、真野森作】

 ◇論議再燃の余地

 「新市場の整備は議会の合意を踏まえて対処すべきでは」。民主党の和田宗春議員が質問をぶつけると、石原知事は手にした答弁書を掲げてつぶやいた。「これ、読めばいいんだろ」。発言は答弁書の棒読み。「二元代表制では、長と議会は対等な関係にある。議会の意思を尊重していきたい」。和田議員が「知事の方針の大転換。新市場の議論は新たな局面に入った」と質疑を締めくくると、苦笑いしてみせた。

 民主党が、予算審議の土壇場で決めた修正案見送り。石原知事はそれに対する譲歩として、現在地再整備を検討する組織を都に新設することも表明した。

 都議会が移転関連の予算案を可決することで、14年までに市場を移転する都の計画はとりあえず頓挫を免れる。だが都側が現在地再整備の検討に配慮を約束したことで、論議が再燃する余地が残り、移転計画の展望は依然不透明だ。

 仮に、民主党が修正案を提出していれば共産党などの賛同を得て可決された後、3分の2以上の賛成が必要な再議によって否決となる見通しだった。しかし、都庁内では「知事は再議権を行使しないまま、現在地再整備の検討も拒否し続ける」との憶測が流れた。民主党には「修正案可決だけでは移転と現在地再整備の両方の選択肢が消え、議論が行き詰まる。党の責任論に発展しかねない」と懸念が広がった。民主党と都の折衝は27日未明、民主側の条件を知事答弁などに盛り込むことで折り合いがついた。「名より実を取るという流れが強まった」とある民主都議は話す。

 予算特別委での質疑を終えた都議会は27日夜、「議会として現在地再整備の可能性について(市場)事業者の合意形成に向け検討し、知事は検討結果を尊重する」などを盛り込んだ付帯決議について会派間の調整に入った。民主党の大沢昇幹事長は「民主党が求めてきたものと同等の付帯決議になる」と話した。

 ◇容認派「安堵」/反対派「評価」

 築地市場の関係者は、移転計画を巡る都議会の審議を注視した。移転容認の立場を取る仲卸の伊藤宏之・東京魚市場卸協同組合理事長は「民主党が予算に賛成することで、移転計画が暗礁に乗り上げる心配は薄まった。現在地再整備は何度も検討して困難だと分かっている」と、安堵(あんど)の表情を見せた。

 移転に反対するNPO法人「市場を考える会」の山崎治雄理事長は、「知事が築地の再整備に言及してくれたのは良かった」と評価したうえで、「知事は一貫して再整備は不可能だと強調してきただけに、今後の推移を見守る必要がある。議会に現在地再整備案を主張していきたい」と話した。

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東京新聞
【社会】築地移転予算可決 都民主が妥協
2010年3月28日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2010032802000057.html

 築地市場(東京都中央区)の江東区豊洲地区への移転問題で、都議会予算特別委員会は二十八日未明、移転経費を含む中央卸売市場会計予算案を、条件付きで可決する。修正案提出の構えを見せていた都議会民主党は、石原慎太郎知事との最終質疑で現在地再整備の再検討などに前向きな答弁が得られたとして、方針を転換した。 

 二日間空転していた予算特別委は二十七日午後に再開した。これまでの水面下の交渉でまとまった結果を、民主の和田宗春議員が質疑の形で確認。「委員会で再整備を検討するがその結果を重く受け止めるべきではないか」とただしたのに対して石原知事が「議会が再整備を検討し、業界の大多数が納得する案を検討した結果は真摯(しんし)に受け止めたい」と答弁した。併せて、庁内に再整備検討組織を設ける考えも示した。

 知事はさらに、豊洲の用地取得のための予算執行は「議会の合意で示された意思を尊重する」と述べ、用地取得の必要性を議会が認めた後に買収することも明らかにした。

 民主はこの答弁を受けて「知事の方針転換によって新市場の議論は新たな局面に入った」と質問を締めくくり▽議会による再整備の検討結果を尊重する ▽土壌汚染対策の実証実験結果をオープンな形で検証し、安全な状態での開場を可能にする▽市場業者の現状や意見を聴取し、新市場整備に向けた有効な方策を検討する-といった付帯決議をつけて予算案を認めた。

 一方で、都側は「基本は移転」との立場を変えておらず、再整備案を検討する主体はあくまで都議会だと主張、設置する庁内組織も現段階では白紙の状態だと明かした。付帯決議にも法的な拘束力はなく、都側が今後、現地再整備の検討とどの程度、真剣に向き合うかは不透明だ。

 民主幹部は「もし移転ありきの再検討になるなら、信義則違反だ。そうなったら二〇一一年度予算を通さない。信頼関係をもって取り組みたい」としている。

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朝日
都知事と自公、民主に譲歩 築地で市場再整備、検討へ
2010年3月28日2時11分
http://www.asahi.com/politics/update/0328/TKY201003270457.html

 東京都の築地市場(中央区)の豊洲地区(江東区)への移転計画を巡り、都議会民主党と自民、公明両党は27日、築地での再整備の可能性を検討することで正式合意した。今後、都と議会は再整備と移転の双方を比較し、改めて結論を出すことになる。

 「平行線の議論が知事の方針転換でようやく交わった。市場の議論は新たな局面に入った」。同日午後、正常化した都議会予算特別委員会で、民主党都議は再整備の検討を約束した石原慎太郎知事の答弁を受け、こう述べた。

 2014年度の豊洲新市場オープンをめざしてきた都はこれまで、築地での再整備を「検討済み」として拒み続けた。老朽化が進む現在の施設を考えると、移転を遅らせることができないからだ。石原都政を支える自民、公明両党も移転計画を支持してきた。しかし、野党が過半数を占める中、第1党の民主党の要求に譲歩せざるを得なかった。

 豊洲の土壌汚染などを理由に移転に慎重な民主党にとっても、「満額回答」ではない。会派内には「都がまともに再整備を検討するか分からない」との反発も出ている。移転予定地の購入費を削った修正案提出にこだわる声もあった。だが、知事が再議権を行使すると、野党では可決に必要な3分の2の賛成に届かない。最終的に修正案と原案の両方が廃案になると、市場関係者に大きな混乱が起きかねない——。そんな懸念から「全面対決」は回避した。

 今後、都と議会は再整備検討の手法などを詰めるが、具体的なスケジュールは未定だ。来春には都知事選があり、いずれの結論でも再始動は選挙後になるとの見方もあり、先行きは不透明だ。

 移転に反対するNPO法人「市場を考える会」理事長を務める水産仲卸業の山崎治雄さん(71)は、「石原知事が再整備の検討を受け入れた意味は大きい」。水産業界団体の代表らでつくる新市場建設推進協議会の伊藤裕康会長(75)は、「議会の空転が続く最悪の事態を避けられそうで良かった。一日も早く最善の市場づくりを進めてほしい」と話した。(渡辺志帆、別宮潤一)

以上、
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