「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

B 型肝炎ウイルス(hepatitis B virus; HBV)予防ワクチン接種も忘れずに実施をお願いします。

2011-11-04 09:21:32 | 小児医療
 皆さん、B 型肝炎ワクチン予防接種は、お済でしょうか。

 水ぼうそうやおたふく同様に、任意のワクチンであり、自主的に受けるしかございません。
 B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus; HBV)は、日常生活でうつる可能性があり、ワクチンで予防することが求められています。
 いったんB 型肝炎ウイルスに感染しますと、一部でB型肝炎が引き起こされ、慢性B 型肝炎患者の10~15%が肝硬変、肝がんに進行するなど臨床的に重大な疾患です。


 日本小児科学会会長から、以下のような要望書も出されています。

 要望書にあります「HBV キャリアの母親から出生した児に接種する母子感染防止事業(1986 年開始)」の充実の観点だけではなく、欧米のように定期で接種するワクチンへとしていくべきところですが、まだまだ時間がかかります。

 いまは実費にはなりますが、接種をお忘れなきようにお願い申し上げます。

*****要望書*****
http://www.jpeds.or.jp/saisin/saisin_111024.pdf

平成23 年9 月21 日

厚生労働大臣
小宮山洋子 殿

社団法人 日本小児科学会
会長 五十嵐 隆

要 望 書
B 型肝炎ワクチンの添付文書改訂についての要望

 現行のB 型肝炎ワクチン(HB ワクチン)の母子感染予防接種スケジュールについて、以下に述べる理由からHB ワクチンの添付文書を改訂し、国際的に広く採用されている接種スケジュールに変更することを要望いたします。

 B 型肝炎は、B 型肝炎ウイルス(hepatitis B virus; HBV)の感染によって引き起こされ、慢性B 型肝炎患者の10~15%が肝硬変、肝がんに進行するなど臨床的に重大な疾患です。

 HB ワクチンはB 型肝炎の予防に有効であり、本邦においてはHBV キャリアの母親から出生した児に接種する母子感染防止事業が1986 年から全国的に開始されました。その結果、母子感染の95%が防止される等、大きな成果を収めております1。しかしながら、2002 年の厚生労働科学研究によりHBV キャリア小児の約30%が同事業から漏れてしまったドロップアウト症例であることが判明しました2。これを受けて、厚生労働省を始め、関係諸団体よりHBV 母子感染防止対策の周知徹底に関する要請文書が発出されました3 が、2009 年にも同様の事例が起こっていることが明らかとなり、再度周知徹底に関する要請文書が厚生労働省から発出される等、根本的な解決には至っておりません。

 この様にHBV 母子感染防止事業からドロップアウトする症例が相次いで発生する背景には、「HB ワクチンの接種スケジュールが複雑である」という問題があります。現行のHBワクチンの接種スケジュールは「初回接種を生後2~3 か月後、第2 回を初回の1 か月後、第3 回を初回の3 か月後」であり、これは薬事法上の承認を取得しているHB ワクチンの母子感染予防に対する用法・用量として添付文書上に規定されております。このスケジュールで接種を受けるためには、1 か月健診以降にワクチン接種のためだけに医療機関へ3 回受診する必要があり、通院の負担増につながっています。また、抗体産生の時期が遅くなり、その間に担当医師が産科医から小児科医に替わり、或いは、里帰り出産などで通院施設そのものが替わり、接種スケジュールの完遂が困難になる場合もあります。これらの問題は、初回ワクチン接種を生後2 か月まで待たなければならないことに起因しております。

 一方、WHO や米国等、国際的に広く導入されているHB ワクチン接種スケジュールでは、本ワクチンの接種を出生直後と生後1 か月で行なうこととしており、本邦においても初回接種を0 か月から開始できるようになれば、ドロップアウト問題の改善に資すると考えます。さらに、母親がHBe 抗原陽性の場合は、血液製剤であるHB 免疫グロブリンの使用量を半減できる利点もあります。

 日本でHB ワクチンの初回接種が生後2~3 か月に設定された背景は、母子感染防止事業が開始された1986 年当時のHB ワクチンが血漿由来であったため、抗体産生が良くなかったこと、また、出生直後の新生児にHB ワクチンを接種することについて安全性を危惧する声があったことが挙げられます。しかしながら、現在使用されているHB ワクチンは遺伝子組換え型であり、現行製剤を新生児に接種した場合の有効性及び安全性に関する報告も国内外で多数蓄積されてきました。したがって本邦においても、HB ワクチン接種を0 か月から行う国際的な接種スケジュールの導入は可能であると判断しています。

 以上の事から、私ども日本小児科学会は本邦における母子感染予防対策を徹底させるために、現行のB 型肝炎ワクチンの添付文書における「B 型肝炎ウイルス母子感染の予防」の効能・効果に対する用法・用量の記載を「通常、0.25mL を1 回、生後0~3 か月に注射する。(以下現行通り)」に改訂することを要望します。

参考文献:
1. 白木和夫:B 型肝炎母子感染防止対策の追跡調査および効果判定に関する研究。
厚生省心身障害研究「小児の心身障害・疾患の予防と治療に関する研究」平成8 年度
研究報告書

2. 森島恒雄:わが国におけるB 型肝炎母子垂直感染防止の現状と問題点―全国調査からー厚生省子ども過程総合研究事業「後障害防止に向けた新生児医療のあり方に関する
研究」平成13 年度研究報告書

3. 厚生労働省、雇児母発第0427001 号(平成16 年4月)

4. 石井勉、今村孝:HB ワクチン早期接種によるB 型肝炎母子感染防止効果の研究.厚生労働科学研究(肝炎等克服緊急対策研究事業)「B 型肝炎の母子感染および水平感染の把握とワクチン戦略の再構築に関する研究」平成22 年度研究報告書
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テロ(無差別殺人、核・生物・化学兵器)から区民を守る体制の整備

2011-11-04 08:50:25 | マニフェスト2011
 対岸の火事ではありません。

 中央区は、すでに地下鉄サリン事件、お隣千代田区の秋葉原歩行者天国での殺傷事件や1974年三菱重工ビル爆破事件など経験をしてきているところですが、無差別殺人及び核や生物兵器、下記のような化学兵器を用いたテロに備えなければなりません。
 地下鉄サリン事件の発生時、聖路加国際病院でのレジデント時代のことで、私も、一医師として診療にあたりました。

 不安をあおるのであってはなりませんが、はっきり言いまして、体制はできていません。
 喫緊の課題として、多機関、近隣区と連携を強化し、体制整備をせねばなりません。


******朝日新聞(2011/11/04)*****
http://www.asahi.com/international/update/1103/TKY201111030506.html

全米で猛毒リシン散布計画 容疑者4人は65歳以上

 米南部ジョージア州アトランタなど全米の各都市で猛毒リシンを散布するテロ計画を企てたとして、米連邦捜査局(FBI)はフレデリック・トーマス容疑者(73)ら男4人を逮捕し、4人は2日、同州の裁判所に出廷した。

 FBIによると、4人はいずれも州内の民兵組織に所属し、全員65歳以上の高齢者だった。「祖国とジョージア州を救うためには殺人もやむを得ない」などと主張し、政府機関が入る施設を爆破するほか、走行中の車からリシンを散布しようと企てた疑いが持たれている。

 米国では極右グループの活動が活発化しており、捜査当局が監視を強めている。1995年に約170人の犠牲者を出したオクラホマシティー連邦ビル爆破事件も、民兵組織に所属する男たちによる犯行だった。海外の過激派による脅威に注目が集まる中、FBIは「今回の事件は国内の動きに対しても警戒が必要であることを示している」とコメントしている。(ニューヨーク=田中光)


*****読売新聞(2011/11/04)*****
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111103-OYT1T00617.htm

坂本弁護士一家の冥福祈る…事件から22年

 オウム真理教幹部に殺害された坂本堤弁護士(当時33歳)一家の命日の前日にあたる3日、坂本さんの母さちよさん(79)や同僚だった弁護士ら約40人が神奈川県鎌倉市の円覚寺松嶺院を訪れ、墓前で一家の冥福を祈った。

 事件から22年。今月18日には教団元幹部・中川智正被告(49)(1、2審死刑)の上告審判決が言い渡され、坂本弁護士一家殺害事件を巡る裁判は全て終わる見通しだ。

 坂本さんの妻都子(さとこ)さん(当時29歳)の父・大山友之さん(80)は、「一体、いつになったら事件を忘れられるのか。早く裁判が終わってほしい。疲れました」と苦しい胸中を明かした。

 事件が起きたのは1989年11月4日未明。教団のトラブルを追及していた坂本さん、都子さんと長男・龍彦ちゃん(同1歳2か月)の一家3人が、教祖だった松本智津夫死刑囚(56)の指示で教団幹部らに殺害された。

(2011年11月4日07時18分 読売新聞)
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