1月1日の朝刊からその年を読むことを恒例の楽しみにしています。
*参照
2011年1月1日http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/4c09f70b97decbb7da7e7148ec152052
2010年1月1日http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/a970d3845515c8c0633468a3269da4ab
2009年1月1日http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/18c3c4feb2a3e29088dbce3d7b71c997
2012年元日の朝刊5紙を読んでみて(読まなくとも今までも言われていることではございましたが)、2012年のキーワードは、「グローバル化」と「民主主義」/「日本のリーダー」ではないかと感じました。
民主主義が機能するために大切なことのひとつは、情報が国民に正しく迅速に伝えられることです。
マスコミ、ジャーナリスト、メディアの役割がとても重要になってきます。
東京新聞は、「民の力が真価を発揮するためには、デマに迷わず判断を形成するため偏りない情報や多様な見方に触れることが欠かせません。そのためにも、新聞をはじめメディアの責任がますます重要になっていることをひしひしと感じ、自らを戒める新年です。」とまさに自戒していることですが、マスコミ、ジャーナリスト、メディアにおかれましては、権力に癒着するのではなく、きちんと権力を監視し、情報を与えてくださる存在であり続けられることを多いに期待を致しております。
また、別の視点から言えば、2012年は、衆議院議員選挙がありそうな予感を、朝日、読売から受けました。
<朝日新聞>
*原子力安全委24人に原子力業界から8500万円(06~10年度寄付)のスクープ記事
*コラム天声人語
思えば過疎地に原発を林立させてきたのも「標準語で語られる政治と経済」ではなかったか
そして今、「グローバル化」という世界標準語が、妖怪のように地球を席巻する。
栄華と便利は幸せと同義ではなかった。
それを知って、さあどの方向へ歩むのか?
辰年の空から小さき問いが聞こえてくる。
*社説 ポスト成長の年明け すべて将来世代のために
「ゼロ成長への適応」と「成長への努力」という相反する二つの課題を、同時にどう達成するのか。
そのさい、「持続可能性」を大原則とすることを提案する。
財政支出や金融拡大に頼った「成長の粉飾」はもうしない。
取り組むべきは、社会保障と税の一体改革を実現させて、成熟社会の基盤をつくることだ。医療・介護や教育といった社会的サービスを再建することが、量的拡大に変わる新たな経済社会につながっていく。
増税や政府支出のカットはつらい。成長率の押し下げ要因になるが、将来世代のことを考え甘受しなくてはいけない。
また、何万年もの後代まで核のゴミを残す原発は、できるだけ早くゼロにする。自然エネルギーを発展させ、環境重視の経済に組み替える。
*衆議院選挙
<毎日新聞>
*エネ庁課長04年指示 核燃直接処分コスト隠蔽 のスクープ記事
経済産業省の安井正也官房審議官が経済産業省資源エネルギー庁の原子力政策課長を務めていた04年4月、使用済み核燃料を再処理せずそのまま捨てる「直接処分」のコスト試算の隠蔽を部下に指示していたことが、関係者の証言やメモで分かった。
全量再処理が国策だが、明らかになれば、直接処分が再処理より安価であることが判明し、政策変更を求める動きが加速したと見られる。
*衆院選挙制度改革
*コラム余録
未来は不確実性の霧に隠れ、時代の方向感覚が失われたような新年である。
だが私たちにとって今、お正月の喜びを歌う子供らこそが未来そのものだ。
その子らに何を受け渡し、どんな価値や理想を伝えればいいのか。
こんな問いから時を刻み直してはどうだろう。
*社説 2012 激動の年 問題解決できる政治を
復旧、復興では、すべての作業は遅れ気味
脱原発、エネルギー政策については青写真さえ描かれていない
税と社会保障の一体改革
TPP参加問題
といった難題が控えている。
マニフェスト問題を二つの面で整理してほしい。
民主党政権としてこの間取り組んだ政治課題を総覧し何が達成され何が未達成なのか、政権交代にどういう意義があったのか、またなかったのか。
一体改革やTPPといったマニフェストにはなかった課題をどう位置づけるのか。
野党に望むのは、審議拒否でも批判のための批判でもない。包括的な代替案の提示である。
どの党とどの政治家が優れた判断力と強い情熱を持って彼らにしかできない仕事をしてきたか、また、する意思と能力があるのか。
国民にしかできない有権者の判断を下す。
<読売新聞>
*コラム編集手帳
思えば、年齢にかかわらず、誰も彼もが何十年分もの悲しみを背負い、気の弱りを互いの掛け声で励ましつつ迎えた新年だろう。
*衆議院選挙
*社説 「危機」を乗り越える統治能力を ポピュリズムと決別せよ
首相は、年金や医療、介護などの社会保障制度を持続可能にするには、消費税率引き上げによるしかないことを、国民に丁寧に説明し、理解を求めてもらいたい。
負担減と給付増を求めるような大衆に迎合する政治(ポピュリズム)と決別することが、危機を克服する道である。
日本の取るべき道は、アジア重視の姿勢に転じた米国との同盟を一層深化させ、南西方面の防衛力を向上させることである。
TPPは、ピンチではなく、再生へのチャンスと捉えたい。
5月までには全原発54期が停止する恐れがある。
総発電量の3割が失われる事態を回避しなければならない。
安全が十分に確認できた原発から再稼働して行くことが必要だ。
*女性宮家 夫の意思配慮を
<東京新聞>
*コラム筆洗
今年は辰年。
<竜の髭を蟻が狙う>ということわざは、弱いものが強いものに立ち向かう例えです。
小さな声でも集まれば社会を動かせます。
*社説 年のはじめに考える 民の力を今、いかそう
財政再建に増税がさけられないなら無駄を徹底的に削る、信頼に足る政権に託したいというのが皆の共通した気持ちだと思います。
民の力が真価を発揮するためには、デマに迷わず判断を形成するため偏りない情報や多様な見方に触れることが欠かせません。
そのためにも、新聞をはじめメディアの責任がますます重要になっていることをひしひしと感じ、自らを戒める新年です。
*山口二郎氏(北海道大学教授)
論説 民主主義の新生
丸山真男氏のいう戦前ー戦中ー戦後の貫通する「無責任の体系」から脱することが必要
私たちは、民主主義の中で多様な意見をぶつけ合っているだろうか。
*10の数字を持ち出しています。
コミュニティー15%
教育9位
再生エネ3%
民主主義300件
一次産業4.8%
働き方44%
科学技術17%
食料自給39%
社会保障1兆円
貧困206万人
<産経新聞>
*コラム産経抄
喜劇俳優古川ロッパの元日の日記
昭和20年
「電気は暗いし御馳走はなし。プー(空襲警報の音)と来さうだし、まことに陰々滅々たる元日」
今年の正月が心の引っかかりという点で、あの戦時下と似通っているように思えた
*年のはじめに 中静敬一郎論説委員長
「負けるな うそを言うな 弱いものをいじめるな」(江戸期薩摩藩の武士の子弟を育てた郷中(ごじゅう)教育の訓戒)に込められた剛毅さ、克己、礼節は日本人の奥深くにあるはずだ。
だが、戦後日本はこれらを忘れてしまっていたのではないか。
終戦後の米軍統治下で日本を無力化するため、主権の行使を制限してきた憲法の見直しこそ、なんとしても急がねばならない。
日本が強い国に生まれ変わるためには胆力と構想力をもった指導者が欠かせない。
*「平成の龍馬」どこに
*中国海洋覇権 米、アジアで包囲網
<日経新聞>
*コラム春秋
混沌と混乱はちがう。
作家の堀田善衛、60年ほど前のある対談。
「混沌というのは、何か充実した、力にみちたものという感じがある。けれども混乱というものは、それ自体に物を生み出す力がない、前にも後ろにもつながらない。」
混乱に立ちすくむ姿と混沌に立ち向かう姿。ことしもきっと、そんな二重写しが連なって流れて行く。
*社説 資本主義を進化させるために
「日本は今悩んでいる。日本はどこに行くのだ。日本はなにをするのだ。日本はどうなるのだ。」
「日本はもう(中略)進むだけ進んだのではないか。生々たる発育期をすぎて、静止状態に入ったのではないか。注意すべきは発足期にたつ支那(原文のまま。中国をさす)であって、日本の時代は過ぎたのではないか」
『転換期の日本』発行日1929年10月18日(世界恐慌がおこった暗黒の木曜日である10月24日の6日前)
著者、中外商業新報(日本経済新聞の前身)で外部部長をつとめ、戦争批判の『暗黒日記』で知られる自由主義者の評論家・清沢洌(きよし)氏
「日本が再出発するためには」「国家の目標を高く掲ぐるを要する」「国家の目標とは(中略)、世界を家とし、世界に友を求めることである」
当時は、帝国主義の時代だが、第1次グローバル化の時代ともよばれる。
第2次グローバル化の時代といえる現在、歴史の教訓にしっかり学ぶ必要がある。
[2012年に考える]
*復興 苦難越え
*原発 どう道筋
*普天間 動くか
*TPP 正念場
*南シナ海 緊迫
*米中の溝 深く
*バイオの底力
*攻めのM&A
*外向く製造業
*消費 エコ追求
*金 高騰の先は
*音楽 復権狙え
*学校にもIT
*金メダル 何個?
以上
*参照
2011年1月1日http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/4c09f70b97decbb7da7e7148ec152052
2010年1月1日http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/a970d3845515c8c0633468a3269da4ab
2009年1月1日http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/18c3c4feb2a3e29088dbce3d7b71c997
2012年元日の朝刊5紙を読んでみて(読まなくとも今までも言われていることではございましたが)、2012年のキーワードは、「グローバル化」と「民主主義」/「日本のリーダー」ではないかと感じました。
民主主義が機能するために大切なことのひとつは、情報が国民に正しく迅速に伝えられることです。
マスコミ、ジャーナリスト、メディアの役割がとても重要になってきます。
東京新聞は、「民の力が真価を発揮するためには、デマに迷わず判断を形成するため偏りない情報や多様な見方に触れることが欠かせません。そのためにも、新聞をはじめメディアの責任がますます重要になっていることをひしひしと感じ、自らを戒める新年です。」とまさに自戒していることですが、マスコミ、ジャーナリスト、メディアにおかれましては、権力に癒着するのではなく、きちんと権力を監視し、情報を与えてくださる存在であり続けられることを多いに期待を致しております。
また、別の視点から言えば、2012年は、衆議院議員選挙がありそうな予感を、朝日、読売から受けました。
<朝日新聞>
*原子力安全委24人に原子力業界から8500万円(06~10年度寄付)のスクープ記事
*コラム天声人語
思えば過疎地に原発を林立させてきたのも「標準語で語られる政治と経済」ではなかったか
そして今、「グローバル化」という世界標準語が、妖怪のように地球を席巻する。
栄華と便利は幸せと同義ではなかった。
それを知って、さあどの方向へ歩むのか?
辰年の空から小さき問いが聞こえてくる。
*社説 ポスト成長の年明け すべて将来世代のために
「ゼロ成長への適応」と「成長への努力」という相反する二つの課題を、同時にどう達成するのか。
そのさい、「持続可能性」を大原則とすることを提案する。
財政支出や金融拡大に頼った「成長の粉飾」はもうしない。
取り組むべきは、社会保障と税の一体改革を実現させて、成熟社会の基盤をつくることだ。医療・介護や教育といった社会的サービスを再建することが、量的拡大に変わる新たな経済社会につながっていく。
増税や政府支出のカットはつらい。成長率の押し下げ要因になるが、将来世代のことを考え甘受しなくてはいけない。
また、何万年もの後代まで核のゴミを残す原発は、できるだけ早くゼロにする。自然エネルギーを発展させ、環境重視の経済に組み替える。
*衆議院選挙
<毎日新聞>
*エネ庁課長04年指示 核燃直接処分コスト隠蔽 のスクープ記事
経済産業省の安井正也官房審議官が経済産業省資源エネルギー庁の原子力政策課長を務めていた04年4月、使用済み核燃料を再処理せずそのまま捨てる「直接処分」のコスト試算の隠蔽を部下に指示していたことが、関係者の証言やメモで分かった。
全量再処理が国策だが、明らかになれば、直接処分が再処理より安価であることが判明し、政策変更を求める動きが加速したと見られる。
*衆院選挙制度改革
*コラム余録
未来は不確実性の霧に隠れ、時代の方向感覚が失われたような新年である。
だが私たちにとって今、お正月の喜びを歌う子供らこそが未来そのものだ。
その子らに何を受け渡し、どんな価値や理想を伝えればいいのか。
こんな問いから時を刻み直してはどうだろう。
*社説 2012 激動の年 問題解決できる政治を
復旧、復興では、すべての作業は遅れ気味
脱原発、エネルギー政策については青写真さえ描かれていない
税と社会保障の一体改革
TPP参加問題
といった難題が控えている。
マニフェスト問題を二つの面で整理してほしい。
民主党政権としてこの間取り組んだ政治課題を総覧し何が達成され何が未達成なのか、政権交代にどういう意義があったのか、またなかったのか。
一体改革やTPPといったマニフェストにはなかった課題をどう位置づけるのか。
野党に望むのは、審議拒否でも批判のための批判でもない。包括的な代替案の提示である。
どの党とどの政治家が優れた判断力と強い情熱を持って彼らにしかできない仕事をしてきたか、また、する意思と能力があるのか。
国民にしかできない有権者の判断を下す。
<読売新聞>
*コラム編集手帳
思えば、年齢にかかわらず、誰も彼もが何十年分もの悲しみを背負い、気の弱りを互いの掛け声で励ましつつ迎えた新年だろう。
*衆議院選挙
*社説 「危機」を乗り越える統治能力を ポピュリズムと決別せよ
首相は、年金や医療、介護などの社会保障制度を持続可能にするには、消費税率引き上げによるしかないことを、国民に丁寧に説明し、理解を求めてもらいたい。
負担減と給付増を求めるような大衆に迎合する政治(ポピュリズム)と決別することが、危機を克服する道である。
日本の取るべき道は、アジア重視の姿勢に転じた米国との同盟を一層深化させ、南西方面の防衛力を向上させることである。
TPPは、ピンチではなく、再生へのチャンスと捉えたい。
5月までには全原発54期が停止する恐れがある。
総発電量の3割が失われる事態を回避しなければならない。
安全が十分に確認できた原発から再稼働して行くことが必要だ。
*女性宮家 夫の意思配慮を
<東京新聞>
*コラム筆洗
今年は辰年。
<竜の髭を蟻が狙う>ということわざは、弱いものが強いものに立ち向かう例えです。
小さな声でも集まれば社会を動かせます。
*社説 年のはじめに考える 民の力を今、いかそう
財政再建に増税がさけられないなら無駄を徹底的に削る、信頼に足る政権に託したいというのが皆の共通した気持ちだと思います。
民の力が真価を発揮するためには、デマに迷わず判断を形成するため偏りない情報や多様な見方に触れることが欠かせません。
そのためにも、新聞をはじめメディアの責任がますます重要になっていることをひしひしと感じ、自らを戒める新年です。
*山口二郎氏(北海道大学教授)
論説 民主主義の新生
丸山真男氏のいう戦前ー戦中ー戦後の貫通する「無責任の体系」から脱することが必要
私たちは、民主主義の中で多様な意見をぶつけ合っているだろうか。
*10の数字を持ち出しています。
コミュニティー15%
教育9位
再生エネ3%
民主主義300件
一次産業4.8%
働き方44%
科学技術17%
食料自給39%
社会保障1兆円
貧困206万人
<産経新聞>
*コラム産経抄
喜劇俳優古川ロッパの元日の日記
昭和20年
「電気は暗いし御馳走はなし。プー(空襲警報の音)と来さうだし、まことに陰々滅々たる元日」
今年の正月が心の引っかかりという点で、あの戦時下と似通っているように思えた
*年のはじめに 中静敬一郎論説委員長
「負けるな うそを言うな 弱いものをいじめるな」(江戸期薩摩藩の武士の子弟を育てた郷中(ごじゅう)教育の訓戒)に込められた剛毅さ、克己、礼節は日本人の奥深くにあるはずだ。
だが、戦後日本はこれらを忘れてしまっていたのではないか。
終戦後の米軍統治下で日本を無力化するため、主権の行使を制限してきた憲法の見直しこそ、なんとしても急がねばならない。
日本が強い国に生まれ変わるためには胆力と構想力をもった指導者が欠かせない。
*「平成の龍馬」どこに
*中国海洋覇権 米、アジアで包囲網
<日経新聞>
*コラム春秋
混沌と混乱はちがう。
作家の堀田善衛、60年ほど前のある対談。
「混沌というのは、何か充実した、力にみちたものという感じがある。けれども混乱というものは、それ自体に物を生み出す力がない、前にも後ろにもつながらない。」
混乱に立ちすくむ姿と混沌に立ち向かう姿。ことしもきっと、そんな二重写しが連なって流れて行く。
*社説 資本主義を進化させるために
「日本は今悩んでいる。日本はどこに行くのだ。日本はなにをするのだ。日本はどうなるのだ。」
「日本はもう(中略)進むだけ進んだのではないか。生々たる発育期をすぎて、静止状態に入ったのではないか。注意すべきは発足期にたつ支那(原文のまま。中国をさす)であって、日本の時代は過ぎたのではないか」
『転換期の日本』発行日1929年10月18日(世界恐慌がおこった暗黒の木曜日である10月24日の6日前)
著者、中外商業新報(日本経済新聞の前身)で外部部長をつとめ、戦争批判の『暗黒日記』で知られる自由主義者の評論家・清沢洌(きよし)氏
「日本が再出発するためには」「国家の目標を高く掲ぐるを要する」「国家の目標とは(中略)、世界を家とし、世界に友を求めることである」
当時は、帝国主義の時代だが、第1次グローバル化の時代ともよばれる。
第2次グローバル化の時代といえる現在、歴史の教訓にしっかり学ぶ必要がある。
[2012年に考える]
*復興 苦難越え
*原発 どう道筋
*普天間 動くか
*TPP 正念場
*南シナ海 緊迫
*米中の溝 深く
*バイオの底力
*攻めのM&A
*外向く製造業
*消費 エコ追求
*金 高騰の先は
*音楽 復権狙え
*学校にもIT
*金メダル 何個?
以上