契約は、申込と承諾の意思の合致で成立します。
郵送で行う場合、発信から相手方まで到達にタイムラグができ、問題になる場合があります。
ただし、最近では、電子化が進み、メールでのやり取りは、別の規定がなされています。
*電子承諾通知(電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律)4条は、民法526条1項、527条を適用しない旨規定しています。
今回、郵送の場合で考え方を書きます。
<承諾期間の定めのある場合>、申込を郵送するとそれが到着するまでなら、申込者は撤回可能です。
しかし、一旦到達すると、承諾期間の間は、撤回できません。
<承諾期間の定めのない場合>、申込を郵送するとそれが到着するまでなら、申込者は撤回可能です。
しかし、一旦到達すると、それから「相当期間」撤回はできません。
「相当期間」後は、承諾者が承諾を発信するまでは、申込者は、撤回可能です。
承諾者のほうは、申込者から出された撤回の通知が到達するまでは、承諾可能です。
基本として、申込者のほうは、「到達主義」、承諾者のほうは、「発信主義」となります。
延着した場合、受けたほうが、延着の知らせを相手側に送らねば、期限内の到着にみなされてしまう場合が<承諾期間の定めのある場合(承諾の延着、522条)> <承諾期間の定めのない場合(撤回の延着、527条)>それぞれ、あります。
以上、あくまでも、郵便の場合の記載であり、メールのやり取りではない点、お忘れなく。
我妻氏『債権各論(上)』66ページを改変。