「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

築地市場移転候補地豊洲汚染土壌コアサンプル廃棄(汚染証拠隠滅)差止め裁判の意義

2012-04-27 17:31:28 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
 コアサンプル廃棄差止め控訴審の第1回公判が4月26日東京高等裁判所で行われました。

 公判において、梓澤和幸弁護士(弁護団代表)は、口頭弁論をなされ、裁判官に、この裁判の意義と重要性を訴えかけられました。

 築地市場移転において、東京都は、都民消費者や市場関係者に十分な説明や、合意形成をすることなく、移転の計画を推し進めています。
 このような東京都の「都民不在&市場関係者不在の姿勢」は、土壌汚染問題だけでなく、土壌汚染地である土地の購入のあり方、市場の施設整備計画のあり方、環状二号線工事のあり方、中央区との鮮魚マーケット構想のあり方など様々な場面で出ているのではないかと感じています。
 豊洲土地購入の問題についても、住民監査請求や「公金支出金返還訴訟」というもうひとつの裁判で東京都を追及しているところです。おかしなことには、おかしいとはっきりと東京都に申し伝えていく所存です。


 コアサンプルの裁判の意義はなにか。(なお、この裁判は、法律の専門雑誌『判例時報』(2139号)にも取り上げられ、法曹界でも注目をされています。)

 端的に言いますと、東京都は、「ないものをある」(すなわち「ない“連続した不透水層”をある」)といい、その「ある」がゆえに汚染は一定の深さで留まると“仮定の結論付け”をし、そして、その「ある」ことを前提に、土壌汚染対策が立案されました。結果、一定の深さ以下(連続した不透水層が「ある」とする深さ以下)の汚染は放置されることになってしまいます。もし、コアサンプルを廃棄されてしまうと、「ないものをある」とした東京都側の“偽り”を覆えすことができる唯一の証拠がなくなってしまいます。
 ひいては、不十分な土壌汚染対策の下、そこに生鮮食料品をあつかう市場の建設を許してしまうこととなり、と同時に、大切な私たちの財産、歴史と伝統のある築地市場を失ってしまいます。
 土壌汚染地への移転をくい止め、食の安心安全と市場で働く方々の健康を守るという意義がコアサンプル裁判にはあるのです。

 土壌汚染地での市場の開場は、決して許されるべきことがらではなく、この点から必ずや、築地市場移転計画は白紙撤回できるものと信じています。

 次回、第二回裁判は、7月です。ご注目いただけますと幸いです。
                        

<次回以降の裁判日程>

コアサンプル廃棄差止め控訴審 第2回公判
日時:平成24年7月26日(木)午後2時~
場所:東京高等裁判所 822号法廷


公金支出金返還請求裁判 第9回公判
日時:平成24年5月30日(水)午後4時30分~
場所:東京地方裁判所 522号法廷
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医薬品ネット販売権利認める 東京高裁逆転判決H24.4.26薬品安全流通確保するための規制の在り方とは

2012-04-27 13:30:02 | 医療
 平成24年4月26日東京高裁で重要な判決が出されました。
 大事な判決は、ほかにも出されていますが、医師としては、こちらを見逃してはならないものです。

 薬品の安全流通を確保するために、どのような規制が許されるべきか、検討を深めていかねばなりません。

 事件の詳細をしるため、第1審判決を見てみます。
 (今回の判決文はまだ、アップされていません。)




*******第1審東京地方裁判所の情報、最高裁ホームページより******
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=80734&hanreiKbn=05

事件番号

 平成21(行ウ)256



事件名

 医薬品ネット販売の権利確認等請求事件



裁判年月日

 平成22年03月30日



裁判所名

 東京地方裁判所  




分野

 行政



判示事項

 1 医薬品のインターネットによる通信販売を行う事業者らが,薬局開設者又は店舗販売業者が当該薬局又は店舗以外の場所にいる者に対する郵便その他の方法による医薬品の販売又は授与を行う場合は第一類医薬品及び第二類医薬品の販売又は授与は行わない旨の規定並びに前記各医薬品の販売又は授与及び情報提供は有資格者の対面により行う旨の規定を薬事法施行規則に加える改正省令が違法であるとしてした,前記各医薬品を郵便等により販売することができる地位にあることの確認を求める訴えが,適法とされた事例

2 薬局開設者又は店舗販売業者が当該薬局又は店舗以外の場所にいる者に対する郵便その他の方法による医薬品の販売又は授与を行う場合は第一類医薬品,第二類医薬品の販売又は授与は行わない旨の規定並びに前記各医薬品の販売又は授与及び情報提供は有資格者の対面により行う旨の規定を薬事法施行規則に設ける改正省令と憲法22条1項





裁判要旨

 1 業者が当該薬局又は店舗以外の場所にいる者に対する郵便その他の方法による医薬品の販売又は授与を行う場合は第一類医薬品及び第二類医薬品の販売又は授与は行わない旨の規定並びに前記各医薬品の販売又は授与及び情報提供は有資格者の対面により行う旨の規定を薬事法施行規則に加える改正省令が違法であるとしてした,前記各医薬品を郵便等により販売することができる地位にあることの確認を求める訴えにつき,前記事業者らは前記改正省令の施行により前記各医薬品をインターネットにより販売することができなくなったのであり,この規制は営業の自由に係る事業者の権利の制限であって,その権利の性質等に鑑みると,前記改正省令に行政処分性が認められない以上,前記改正省令による規制をめぐる法的な紛争の解決のために有効かつ適切な手段として,確認の利益を肯定すべきであり,また,単に抽象的一般的な省令の適法性及び憲法適合性の確認を求めるのではなく,省令の個別的な運用対象とされる具体的な法的地位の確認を求めるものである以上,この訴えの法律上の争訟性についても肯定することができるとして,前記訴えを適法とした事例

2 薬局開設者又は店舗販売業者が当該薬局又は店舗以外の場所にいる者に対する郵便その他の方法による医薬品の販売又は授与を行う場合は第一類医薬品,第二類医薬品の販売又は授与は行わない旨の規定並びに前記各医薬品の販売又は授与及び情報提供は有資格者の対面により行う旨の規定を薬事法施行規則に設ける改正省令につき,規制措置が憲法22条1項にいう公共の福祉のために要求されるものとして是認されるかどうかは,これを一律に論ずることができず,具体的な規制措置について,規制の目的,必要性,内容,これによって制限される営業の自由の性質,内容及び制限の程度を検討し,これらを比較考量した上で慎重に決定されなければならないとした上で,前記改正省令に係る規制には,一般用医薬品の適切な選択及び適正な使用を確保し,一般用医薬品の副作用による健康被害を防止するという規制目的を達成するための規制手段としての必要性と合理性を認めることができ,医薬品の副作用及び情報通信技術等をめぐる本邦の現状下において,営業活動の態様に対するより緩やかな制限を内容とする規制手段によっては前記の規制目的を十分に達成することができないと認められる以上,前記規制は,職業活動の内容及び態様に関する規制として,あるいは狭義における職業選択の自由そのものに制約を課する規制に準じて,広狭のいずれかに解するかにかかわらず,立法機関の合理的裁量の範囲を超えるものではないというべきであるから,憲法22条1項に違反するとはいえない。


 主   文

 1 本件訴えのうち,厚生労働大臣が平成21年2月6日に公布した薬事法施行規則等の一部を改正する省令(平成21年厚生労働省令第10号)のうち,薬事法施行規則に15条の4第1項1号,159条の14,159条の15第1項1号,159条の16第1号並びに159条の17第1号及び第2号の各規定を加える改正規定が無効であることの確認を求める訴え並びに上記省令の改正規定の取消しを求める訴えをいずれも却下する。
 2 原告らのその余の訴えに係る請求をいずれも棄却する。
 3 訴訟費用は,原告らの負担とする。

判決文全文:http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20101006145252.pdf


*******朝日新聞(2012/04/27)*****
http://www.asahi.com/national/update/0426/TKY201204260420.html

医薬品ネット販売の権利認める 東京高裁が逆転判決


 医師の処方箋(せん)なしで買える一般用医薬品(市販薬)について、インターネット販売を原則禁止にしたのは過大な規制だとして、ネット販売業者2社が販売できる権利の確認などを求めた訴訟の控訴審判決が26日、東京高裁であった。三輪和雄裁判長は業者側の請求を退けた一審・東京地裁判決を取り消し、販売を認める逆転判決を言い渡した。

 市販薬のネット販売をめぐっては政府内でも規制緩和の議論が高まっており、国は現在の販売制度の見直しを迫られることになる。

 控訴していたのは「ケンコーコム」(東京都港区)と「ウェルネット」(横浜市)。

 厚生労働省は、改正薬事法で市販薬を副作用の危険性に応じ1~3類に分類。省令で、危険性の高い1、2類には薬局などでの対面販売を義務づけ、ネット販売は3類しか原則認めないようにした。両社は1、2類を含む全体のネット販売を認めるよう求めていた。

 高裁判決は、改正薬事法がネット販売の一律禁止を想定していたとは認められないと指摘。原則禁止にした省令について「法の趣旨の範囲を逸脱した違法な規定で、無効であると解釈すべきだ」とし、ネット販売できる権利を認めた。

 ネット販売の禁止について、一審では「健康被害を防ぐための規制手段としての必要性と合理性を認めることができる」と容認していた。しかし、東京高裁では、「ネット販売された薬の副作用の実態把握が不十分で、省令で規制する合理性が裏付けられているとは言い難い」とした。


*******東京新聞(2012/04/27)******
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012042702000111.html

薬ネット販売認める 東京高裁逆転判決「省令で禁止 違法」


2012年4月27日 朝刊


 改正薬事法施行に伴い多くの一般用医薬品(大衆薬)のインターネット販売を原則禁じた厚生労働省令は違法だとして、ネット販売業者二社が販売を続ける権利の確認を求めた訴訟の控訴審で、東京高裁は二十六日、原告敗訴の一審判決を取り消し、販売権を認める逆転判決を言い渡した。


 省令の禁止規定を「違法で無効」と判断、二〇〇九年六月の規制開始後、大衆薬のネット販売を認める判決は初めて。購入の利便性向上のために規制撤廃を求める声は強く、判決は政府内で進む見直しの議論にも影響するとみられる。


 三輪和雄裁判長は「改正法の目的は医薬品の適切な使用の確保であり、ネット販売の一律禁止は明記されていない」と指摘。


 さらに薬を買う人が自分で健康を守る考え方が浸透している現状を踏まえ「専門家の取り扱いを前提とする旧薬事法とは違い、改正法は購入者の立場に立っており、ネットなどを通じた購入者の選択を前提とする幅広い情報提供の方法が考えられる」とした。


 その上で、ネット販売が原因の副作用被害について、厚労省内や国会での調査が不十分だった点にも言及し「法に委ねられていないのにネット販売を禁止し、国民の権利を制限した省令は違法で無効だ」と結論付けた。


 訴えていたのは「ケンコーコム」(東京都港区)と「ウェルネット」(横浜市)。一〇年三月の東京地裁判決は、ネット販売では「対面販売と比べると健康被害を防ぐ効果が小さい」と指摘。規制は合憲と判断していた。







**********参考資料********************

http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/ippanyou/pdf/sekou.pdf#search='薬事法施行規則等の一部を改正する省令'

「薬事法施行規則等の一部を改正する省令の一部を改正する省令」(平成23年厚生労働省令第65号)が、平成23年5月27日に公布・施行


http://japan.cnet.com/image/l/story_media/20396652/090714kenoko_01la.jpg




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今年もクリニックに参上、鯉のぼりの鯉たち。子どもの日を前に。

2012-04-27 11:39:00 | 小児医療

 今年も、クリニックに、鯉のぼりの鯉たちが、訪れました。


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