「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

憲法96条改正「絶対ダメだよ。邪道。憲法の何たるかをまるで分かっちゃいない」小林節慶応大教授

2013-04-10 17:45:45 | シチズンシップ教育
 憲法96条改正を唱える政治家は、憲法のなんたるかをご理解していないと思います。

 以下、改憲派といわれる慶応大小林節教授も、96条改正に異論を唱えられていらっしゃいます。


*****毎日新聞(2013/04/09)*****
http://mainichi.jp/feature/news/20130409dde012010003000c.html

特集ワイド:憲法96条改正に異論あり 9条を変えるための前段、改憲派からも「正道じゃない」

毎日新聞 2013年04月09日 東京夕刊


 もしかしたら憲法9条改正よりも、こちらの方が「国家の大転換」ではないのか。憲法改正のルールを定めた96条の改正問題。改憲派が目の敵にし、安倍晋三首相が実現に意欲を燃やすが、どこかうさんくささが漂う。実は「改憲派」の大物からも異論が出ているのだ。【吉井理記】

 「憲法議論は低調だ。なぜなら結局、(改憲発議に要する)国会議員数が3分の2だから。2分の1ならすぐに国民投票に直面する。そこで初めて、憲法問題を議論する状況をつくり出すことができるのではないか」。先月11日の衆院予算委員会。民主党の議員から改憲への考えをただされた安倍首相は96条を改正するメリットをそう強調し、改正への意欲をにじませた。

 96条は改憲に(1)衆参両院のそれぞれ3分の2以上の議員の賛成で国会が改正を発議し、国民に提案する(2)国民投票で過半数が賛成する−−の2段階が必要と規定している。(2)の手続きを定めた国民投票法は第1次安倍内閣の07年に成立、10年に施行された。

 焦点は(1)だ。安倍首相は「3分の2以上」から「過半数」への緩和を目指す。今年に入り民主党、日本維新の会、みんなの党の有志が96条改正に向けた超党派の勉強会を発足させた。既に改憲派は衆院で圧倒的多数を占めており、今夏の参院選で定数242の3分の2、162議席以上になれば条件は整う。昨年8〜9月の毎日新聞の世論調査では96条改正賛成は51%、反対は43%だった。

    ■

 「絶対ダメだよ。邪道。憲法の何たるかをまるで分かっちゃいない」

 安倍首相らの動きを一刀両断にするのは憲法学が専門の慶応大教授、小林節さん(64)だ。護憲派ではない。今も昔も改憲派。戦争放棄と戦力不保持を定めた9条は「空想的だ」と切り捨て、自衛戦争や軍隊の存在を認めるべきだと訴える。改憲派の理論的支柱として古くから自民党の勉強会の指南役を務め、テレビの討論番組でも保守派の論客として紹介されている。その人がなぜ?

 「権力者も人間、神様じゃない。堕落し、時のムードに乗っかって勝手なことをやり始める恐れは常にある。その歯止めになるのが憲法。つまり国民が権力者を縛るための道具なんだよ。それが立憲主義、近代国家の原則。だからこそモノの弾みのような多数決で変えられないよう、96条であえてがっちり固めているんだ。それなのに……」。静かな大学研究室で、小林さんの頭から今にも湯気が噴き出る音が聞こえそうだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国際私法とは。国際的な視点から国境を超える視点も併せ持つ時代にとても重要。

2013-04-10 15:37:22 | シチズンシップ教育
 国際私法が登場する場面、それは渉外的法律関係がある場面です。

 例えば、事案1:日本人と韓国人夫婦が離婚する場合。

 離婚に際し、日本の民法を適用するか、韓国の民法を適用するか(準拠法の選定)。

 その判断の道筋が国際民事手続きであり、国際私法の規律するところです。

 この場合、

 例えば、

 0)事案1は、離婚する夫婦の一方の国籍が韓国であり、渉外事件である。(形式的に判断)

 1)日本に裁判管轄権(裁判をすることができるか、裁判をすべきか)があるかどうかを判定⇒国際裁判管轄権

 2)あると判定されると、その法廷地の(この場合日本の)国内法である「国際私法」を適用して、準拠法を選択

 3)選択された準拠法を日本で適用することが日本の公序良俗に反しないかなど判断して、その準拠法を適用するべき法として指定する。

 という流れになります。(選択して指定する=略して、「選定」)


********************************



0.国際私法学の体系

広義の国際私法⇒国際裁判所管轄、準拠法、外国判決の承認・執行など

狭義の国際私法⇒準拠法(の選定)




1.国際民事手続きの流れ
1)流れ

 国際私法が当事者による任意の処理を許すものではないから、渉外的法律関係にかかる事案は、常に国際私法的処理を必要とする。

 裁判所は、

 まず、国際裁判管轄権を有する旨の判断を示すと、

 つぎに、必ず法廷地(日本)の国際私法を適用して、

 準拠法を選定(選択して指定)することととなる。

*準拠法:ある法律関係に適用され得る法のうちで国際私法にしたがって選定された結果としてその法律関係を規律する法。準拠法は、実質法(具体的に権利義務関係を規律する法)である。


2)渉外的法律関係

 法定地からみて、法律関係を構成する要素に外国的要素を含む法律関係。

*法廷地:観念的に常に想定される地であって、現実に裁判を行われる地に限らず、具体的事案を処理する地。


3)事案における渉外性の判定

 事案における渉外性の判断のために、外国的(渉外的)要素にかかる事実は、理論的に国際私法の規定の適用についての前提となる。

 原則:渉外的要素にかかる事実は、裁判所による職権調査事項に属し、職権探知主義に服する。

 例外:しかしながら、渉外性の判断のための要素それ自体の有する性質に応じて、その資料の証拠法における取り扱いを決定するのが妥当であろう。


4)実際の渉外性の判定の仕方

形式的に判定する⇒渉外的法律関係とは、原則として、法律関係の発生の当時において法律関係を構成する要素の少なくとも1つであって、当事者の国籍・常居所、目的地の所在地、事故発生地など国際私法において連結点(連結素)となりうる要素に外国的要素を含む法律関係を見出す考え方。



2.国際民事事件に対する国際私法的処理

 国際私法を広義に解すると、3つの問題


1)国際裁判管轄権の有無の判断の問題

2)準拠法の選定の問題

3)外国裁判所の判決の承認および執行の問題
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ひとは自分の言ったことにのみ縛られ、例え錯誤で言っことさえ縛られないほどに自由。

2013-04-10 09:46:31 | 民法総則

 自分が好きな条文。
 「好きな」であって、その条文の社会に与える意義や重要性で判断しているわけではないので、ご了承ください。

 憲法では、23条。
 憲法第二十三条  学問の自由は、これを保障する。


 では、民法はの好きな条文を全条文1044条の中から一つ選ぶとすれば。
 法律学を法科大学院で1年間学んだ現段階で、今思う最も好きな民法の条文は、95条。

****民法****
(錯誤)
第九十五条  意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。
**********

1、この条文は、「意思あるところに義務も生じる。意思ないところに義務は生じない。」を具現化したものと私は、思っています。

 すなわち、「自由」を規定したものであると思っています。

 他人からああしろ、こうしろと言われても、そのことでなんら義務は生じない。
 自分が縛られるのは、自分が言ったことのみ。
 自分が言ったことが、錯誤で誤っていたら、そのことにも縛られない。
 真に自分が言ったことにのみ縛られる。

 昔は、他人の意思に縛られた時代があったのでしょう。
 自分が言っていないにもかかわらず、支配者の意思が示されたそのことが、自分の義務になっていた、その反省から、勝ち取った条文ではないかと推察します。

 
2、実際のところ、1で記載したような広い解釈が95条ではなされていません。制約がかけられた条文解釈がなされています。
 1で記載の精神だけは、それでもなお生きていると信じて、好きな条文としています。

 日本の民法学における民法95条「錯誤」の議論では、現状で制約がかけられた95条の解釈に至る過程は、以下のように説明されていると、私は理解しています。



1)フランス革命を受けてフランス民法典(ナポレオン法典)ができ、そこでは、「意思のあるところに義務が生じる。意思のない錯誤は無効とする」規定であった。
 日本は、そのフランス民法典を参考に、当初、ボワソナードを中心に条文をつくろうとしていた。

2)しかし、それでは、あまりにも取引の安全が害されるため、制約をかける必要があった。
 そこで、ドイツ民法を取り入れた。

 すなわち、
 ⇒民法制定当初の立法者の考えでは、95条は「表示上の錯誤」と「表示上の意味の錯誤」のみ適用される。「動機に錯誤」がある場合は該当せず、意思表示は無効とならない(動機の錯誤排除論)。
  「表示上の錯誤」例えば、1000円で買うつもりが、口がすべって1000万円で買うと言ってしまった。
  「表示上の意味の錯誤」例えば、1円=1ドルとレートを勘違いしていて、1000ドル表示の品物を、1000円で買えると思って、この品物を1000ドルで買うと言ってしまった。


   
1)2)記載の根拠として、日本の民法制定の歴史
『民法総論』四宮和夫・能美善久著





3) それでは、あまりにも錯誤が適用できる場面が限られることとなった。
  よって、特定の場面では、動機の錯誤を認める理論が、判例理論として構成されるに至った。

 すなわち、
 ⇒「動機の錯誤」があったとしても、それが表示されていれば、民法95条の適用または類推適用の対象となりうる。(二元説、裁判所)

  学説では、「思い違いの対象が重要なものであること」+「相手方が表示者が思い違いをしていることを知りまたは知りうべき状況にあったこと(予見可能性)」の場合に適用するという考え方もある。(一元説、船橋ら)


4)来るべき民法債権法改正議論では、錯誤無効ではなく、錯誤も「取り消しうるべき意思表示」とする考え方が出されている。

 個人的には、フランス革命以来の歴史的過程で「意思表示」が大切なもの考えられてきたことを尊重し、錯誤は、やっぱり「無効」であってほしいと思います

****法務省ホームページより*****

http://www.moj.go.jp/content/000108853.pdf

2 錯誤(民法第95条関係)
民法第95条の規律を次のように改めるものとする。

(1) 意思表示に錯誤があった場合において,表意者がその真意と異なることを
知っていたとすれば表意者はその意思表示をせず,かつ,通常人であっても
その意思表示をしなかったであろうと認められるときは,表意者は,その意
思表示を取り消すことができるものとする。

(2) 目的物の性質,状態その他の意思表示の前提となる事項に錯誤があり,か
つ,次のいずれかに該当する場合において,当該錯誤がなければ表意者はそ
の意思表示をせず,かつ,通常人であってもその意思表示をしなかったであ
ろうと認められるときは,表意者は,その意思表示を取り消すことができる
もの
とする。
ア 意思表示の前提となる当該事項に関する表意者の認識が法律行為の内容
になっているとき。
イ 表意者の錯誤が,相手方が事実と異なることを表示したために生じたも
のであるとき。

(3) 上記(1)又は(2)の意思表示をしたことについて表意者に重大な過失があっ
た場合には,次のいずれかに該当するときを除き,上記(1)又は(2)による意
思表示の取消しをすることができないものとする。
ア 相手方が,表意者が上記(1)又は(2)の意思表示をしたことを知り,又は
知らなかったことについて重大な過失があるとき。
イ 相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき。

(4) 上記(1)又は(2)による意思表示の取消しは,善意でかつ過失がない第三者
に対抗することができないものとする。

(注) 上記(2)イ(不実表示)については,規定を設けないという考え方がある。
*****************************



 


 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする