「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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人生の一大事就職 採用内々定⇒採用内定⇒試用 各期間での採用拒否 解雇権濫用を防ぐには

2013-04-16 16:36:38 | シチズンシップ教育

 学校を出て、就職することは、そのひとの一生を決めるとても大切な時です。

 企業にとっては、多くの候補者のひとりであっても、その個人にとっては、その採用は、人生の一大事。

 その採用過程で、企業側からの安易な採用拒否は、絶対にあってはならないことです。


 採用取消がなされたような場合に、大事なことは、内定(内々定もふくめ)や試用期間の法的性質を、労働契約とみなすことです。
 すなわち、判例多数説がそうであるのですが、それぞれにおいて、解約権留保付き始期付き労働契約成立説、契約権留保付き労働契約説をとり、採用取消は、解雇類似として争います。
 契約がないとなると、争っても、せいぜい慰謝料の損害賠償止まりです。
 労働契約成立なら、不合理な採用取消の場合、採用取消は無効であり、採用の地位は守られます。


 



1採用内々定

1)採用内々定の法的性質

 現在、採用内定は、就職協定により10月1日以前には正式に行われないが、以前より企業が学生に対し、口頭で採用内々定を表明し、その後、内定開始日に正式に採用内定通知がされるという慣行が形成されている。

 通常、採用内々定は、採用内定とは同じとは言えない。

 ①形式的には内定通知書が出されていない

 ②企業、学生の双方の意識としても採用内定とはおのずから異なる。

 ③ただ、事案によっては、採用内定と認めるべきこともあるだろうし、予約契約が成立したというべき場合もある。

2)内々定取消の法的意味

 内々定について、企業は採用内定日の前に取り消すことがありうる

 考え方1:内々定を採用内定とみることができる場合には、すでに成立した労働契約関係を使用者が一方的に解消することと評価することができ、解雇と同視できる。

     その取消しについて客観的合理的な理由と社会通念上相当であることが必要である。

 考え方2:内々定を採用内定と診ることができる場合であるとしても、直ちに解雇権濫用の問題で処理するのではなく、内定取り消しに関する判例理論の枠組みにより判断する


2採用内定

1)採用内定の法的性質

 採用の自由が原則

 具体的には、①雇い入れ人数の選択決定の自由、②募集方法の自由、③選択の自由、④契約締結の自由、⑤調査の自由

*解約権留保付き始期付き労働契約成立説(判例・多数説)

*締結過程説(特別の事情がなければ内定から本採用までの一連の手続全体が労働契約の締結過程である。よって、採用内定は企業と内定者いずれも拘束しない。)

*予約説(労働契約締結の予約)


2)採用内定取消の法的意味

 解約権留保付き始期付き労働契約成立説であるすると、採用内定取消は、留保解約権の行使であり、これは解雇にほかならないとみることができる。
 留保解約権の行使の合理性を判断することとなる。

*締結過程説、予約説をとってしまうと、両者労働契約締結ではないため、内定取消を解雇と評価できず、請求できるものがせいぜい慰謝料としての損害賠償止まり!


3試用

1)試用の法的性質

 本採用前の正規従業員としての適格性判断のための試みの採用期間

*契約権留保付き労働契約(通説、三菱樹脂事件)
 通常の場合、試用は当初から期間の定めのない労働契約であり、試用期間中は使用者に労働者の不適格性を理由とする解約権が留保されている。留保解約権の行使がない限り、試用から正社員になる。

*予備契約説
 試用は正社員の労働契約と異なり、労働者の適正・能力を判断するための期間のある予備的な契約(無名契約)。本採用は別途契約の締結ということになるので、本採用拒否は使用者の自由である。

*試用契約と本契約の併存説
 試用は能力・適格性判断の特殊な労働契約と不適格性が判明しない場合の試用期間満了後に締結する本契約の予約とが併存している。


2)本採用拒否の法的意味

*契約権留保付き労働契約(通説、三菱樹脂事件)⇒本採用拒否は留保解約権の行使であるため、この解約権行使がいかなる場合にできるかが問題となる。
 留保解約権行使に基づく解雇は、通常の解雇より広い範囲で解雇の自由が認められるが、解約権留保の趣旨、目的に照らし客観的に合理的な理由が存し、社会通念上相当として是認される場合にのみ許されるとされる。
 試用期間はなお実験観察期間の性格があるので、職務上の能力や適格性判断に基づく広い留保解約権の行使が認められるべきだからである。

*予備契約説⇒本採用拒否は使用者の自由であるから、原則として本採用拒否の適法性は問題にならない。

*試用契約と本契約の併存説⇒本採用拒否が不適切であったとしても、本契約締結義務の不履行にすぎないので損害賠償をなしうるにとどまる。

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重要!改正労働契約法本年4/1施行19条1号2号。有期契約雇止めが一定の場合禁止が明文化

2013-04-16 15:31:45 | シチズンシップ教育

 有期労働契約は、使用者が更新を拒否した時は、契約期間の満了により雇用が終了します。(雇止め)

 過去の最高裁判例で、一定の場合には、労働者保護の観点から、雇止めを無効にするルール(雇止め法理)が確立していますが、今回の労働契約法改正に伴い、条文化しました。

 たいへん重要な条文と思われます。


 以下改正労働契約法19条1号2号の場合に、雇止めができません。



<改正19条1号>
 当該有期労働契約が過去に反復して更新されたことがあるものであって、その契約期間の満了時に当該有期労働契約を更新しないことにより当該有期労働契約を終了させることが、期間の定めのない労働契約を締結している労働者に解雇の意思表示をすることにより当該期間の定めのない労働契約を終了させることと社会通念上同視できると認められること。

言い換えると⇒過去に反復更新された有期労働契約で、その雇止めが無期労働契約の解雇と社会通念上同視できると認められるもの


1)もとになった最高裁判例:東芝柳町工場事件(最高裁第一小法廷昭和49年7月22日判決)

事案:雇用期間2ヶ月の雇用契約を5回~23回にわたり更新していた臨時工につき雇止めをした事案。

   〇労働内容は、臨時工と本工(正社員)とでなんら差異はない

   〇過去に臨時工が雇止めされた例はない

   〇会社担当者の長期雇用や本工への登用を期待させる言動があった

   〇臨時工も継続雇用を信じ、本工への登用を希望していた

   〇契約更新に際し、必ずしもその都度、契約更新の手続きをとっていなかった


判旨抜粋:http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319121959053082.pdf
実質において、当事者双方とも、期間は一応二
か月と定められてはいるが、いずれかから格別の意思表示がなければ当然更新され
るべき労働契約を締結する意思であつたものと解するのが相当であり、したがつて、
本件各労働契約は、期間の満了毎に当然更新を重ねてあたかも期間の定めのない契
約と実質的に異ならない状態で存在していたものといわなければならず、本件各傭
止めの意思表示は右のような契約を終了させる趣旨のもとにされたのであるから、
実質において解雇の意思表示にあたる、とするのであり、また、そうである以上、
本件各傭止めの効力の判断にあたつては、その実質にかんがみ、解雇に関する法理
を類推すべき
であるとするものであることが明らかであつて、上記の事実関係のも
とにおけるその認定判断は、正当として首肯することができ、その過程に所論の違
法はない。

 

<改正19条2号>
 当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであること。

言い換えると⇒労働者において、有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があると認められるもの


1)もとになった最高裁判例:日立メディコ事件(最高裁第一小法廷昭和61年12月4日判決)

事案:期間2ヶ月の臨時工として採用され、契約を5回更新した労働者について雇止めをした事案。

   〇この臨時工は季節的労務や特定物の製作のような臨時的作業のための雇用ではなく、その雇用期間はある程度継続が期待されていた

   〇契約の更新手続きは厳格(契約更新に際しては本人に更新の意思確認をしたうえで、本人が会社に預けてある印を押印していた)に行われていた


判旨抜粋:http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319130838219690.pdf
 (1) P工場の臨時員は、季節的労務や特定物の製作のような臨時的作業のため
に雇用されるものではなく、その雇用関係はある程度の継続が期待されていたもの
であり、上告人との間においても五回にわたり契約が更新されているのであるから、
このような労働者を契約期間満了によつて雇止めにするに当たつては、解雇に関す
る法理が類推され、解雇であれば解雇権の濫用、信義則違反又は不当労働行為など
に該当して解雇無効とされるような事実関係の下に使用者が新契約を締結しなかつ
たとするならば、期間満了後における使用者と労働者間の法律関係は従前の労働契
約が更新されたのと同様の法律関係となるものと解せられる。(2) しかし、右臨
時員の雇用関係は比較的簡易な採用手続で締結された短期的有期契約を前提とする
ものである以上、雇止めの効力を判断すべき基準は、いわゆる終身雇用の期待の下
に期間の定めのない労働契約を締結しているいわゆる本工を解雇する場合とはおの
ずから合理的な差異があるべきである。(3) したがつて、後記のとおり独立採算
制がとられている被上告人のP工場において、事業上やむを得ない理由により人員
削減をする必要があり、その余剰人員を他の事業部門へ配置転換する余地もなく、
臨時員全員の雇止めが必要であると判断される場合には、これに先立ち、期間の定
めなく雇用されている従業員につき希望退職者募集の方法による人員削減を図らな
かつたとしても、それをもつて不当・不合理であるということはできず、右希望退
職者の募集に先立ち臨時員の雇止めが行われてもやむを得ないというべきである。


<厚労省の通知>










 

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