スポーツをきっかけに、体も心も健やかに育つことを願っています。
小児科医としては、野球肘やスポーツの時の事故も無くなることを願っています。
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http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2015021302000005.html
子どもの視点で10カ条 理不尽なスポーツ指導なくそう
強くなりたいけれど、理不尽な扱いは嫌-。学校での運動部の指導のあり方が議論される中、子どもたちの声を指導者に届けようと、NPO法人「コヂカラ・ニッポン」は東京都杉並区立和田中学校と協力し、十の提言をまとめた。これを基に全国の学校やスポーツクラブなどで、それぞれの「十カ条」をつくるよう呼びかける。
昨年十二月初めの放課後、野球やバドミントン、剣道、ダンスなど、和田中の十の運動部のメンバー約四十人が教室に集まった。同法人理事の尾崎えり子さん(31)は「私たちはこれまで企業などと協力し、子どもの力を社会に生かす事業をしてきた。今回は皆とスポーツ指導について考えたい」と、新プロジェクト「チェンジ・スポーツ・バイ・キッズ」の趣旨を話した。
続けて尾崎さんは「指導者の思いを知ろう」をテーマに、サッカー日本代表やテニスの錦織(にしこり)圭選手らの言葉を紹介。厳しい指導は選手の力を引き出し、心を育てる効果もあるとの前提で「指導者も試行錯誤し、家族もいる一人の人間。それを分かった上で、自分がされてうれしかったこと、嫌だったことを挙げて」と呼びかけた。
生徒は班で「期待っていう言葉が出るとうれしい」と盛り上がったり、「練習だから新しいやり方に挑戦したのに文句を言われた」と憤ったり。指導者への要求には「厳しく、楽しく、疲れる練習をしたい」「自分で立ち直る邪魔をしないで」と、前向きな意見を出した生徒も大勢いた。
後日、少人数でさらに議論を深め、その結果を基に尾崎さんたちが「和田中の『指導者に守ってほしい10のこと』」をまとめた=表。同校保健体育担当の森徹教諭(43)は「のびのびと練習しながら強くなることはできる。子どもたちの声を全国に発信したい」と力を込めた。
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小学校から社会人まで、野球やソフトボールをしてきた尾崎さん。大阪市立桜宮高校バスケットボール部の男子生徒が、二〇一二年に自殺した事件を機にプロジェクトを発案。その後、柔道女子選手への暴力・暴言事件も発覚し、文部科学省の有識者会議が指導のガイドラインをまとめたが、「当事者の発信こそ力がある。二〇年の東京五輪・パラリンピックに向け、子どもたちのスポーツ環境を整えたい」と説明する。
鹿屋(かのや)体育大の森克己准教授(スポーツ法学)は「スポーツにおける子どもの虐待防止の取り組みは近年、国際的に行われているが、スポーツ団体側が指導者向けにガイドラインをつくるのが一般的。この十カ条は子どもの側から『こうしてほしい』と挙げている点が重要だ」と評価する。
指導者の体罰は、選手側も「必要悪」「仕方ない」と受け止めるケースが多いが「スポーツは本来楽しむもの。体罰は法律でも禁止されており、あってはならないと、子どもたちが気づくきっかけにしてほしい」と話していた。
(竹上順子)