私達の生活に最も関係する市区町村の代表を決める統一地方選挙。とてもとても重要な選挙です。
その4月の統一地方選に向けて、中央区行政含め各自治体に望む点、各候補者のあるべき政策について、順不同で(重要度の順というのではなく)、取り上げているところです。
今回は、行政が運営する各種委員会について。
行政は、時々、行政が待ち望む結論を出すべく、委員会を開催します。
その委員会の結論をもって、行政の施策の正当性の根拠のひとつとすることがあります。
私もたびたび委員会を傍聴させていただいておりますが、そのような結論が用意された委員会ばかりではなく、委員長が、真実の結論を見出すべく、ものすごく努力をされたものを、いくつか覚えています。
住民が真になにを求めているか、何を行政はやっていくべきか十分な討議がなされる委員会が構成されるように、人選と委員会運営を区市町村長は努力すべきであるし、議員もまた、それら委員会運営を注視していくことが求められています。
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原田尚彦『<新版>地方自治の法としくみ』(学陽書房・2005年)111頁より
* 行政委員会の実態
多元主義のもと行政委員会が設置されるのは、専門技術的な行政など政治的に中立公正な扱いを必要とする行政分野においては、長の政治的影響や官僚支配から独立して、市民的感覚にもとづき清新かつ創造的な行政運営の展開を期すためである。そのため、委員会のもとには、通常、委員会が任命し支配する、長の部局から切り離された独自の事務局がおかれる。
だが、委員会行政の現実は、法のタテマエとはまったく逆で、事務局を構成する官僚団が実質的に委員の選定、会議の進行、議案の提出・審議など委員会の運営全体を仕切っている。委員同志の討論はほとんど行われない。委員は事務局に対座して事務局の説明をきき、これに注文をつけることも稀で、事務局案に同意するまったくの傀儡になり果てているのが実情である。委員会はまさに形式だけの存在になっていることが多い。
こうした弊害をなくし、委員会に本来の使命を果させるには、行政委員会の運営もこれを聖域化せず、情報公開・会議公開を推し進めてその実態を明らかにするとともに、長の側も委員会行政の実情を把握して、委員会が法の趣旨に即して本来の役割を果たすよう、委員の選任等に本腰を入れて監視していく必要がある。
その4月の統一地方選に向けて、中央区行政含め各自治体に望む点、各候補者のあるべき政策について、順不同で(重要度の順というのではなく)、取り上げているところです。
今回は、行政が運営する各種委員会について。
行政は、時々、行政が待ち望む結論を出すべく、委員会を開催します。
その委員会の結論をもって、行政の施策の正当性の根拠のひとつとすることがあります。
私もたびたび委員会を傍聴させていただいておりますが、そのような結論が用意された委員会ばかりではなく、委員長が、真実の結論を見出すべく、ものすごく努力をされたものを、いくつか覚えています。
住民が真になにを求めているか、何を行政はやっていくべきか十分な討議がなされる委員会が構成されるように、人選と委員会運営を区市町村長は努力すべきであるし、議員もまた、それら委員会運営を注視していくことが求められています。
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原田尚彦『<新版>地方自治の法としくみ』(学陽書房・2005年)111頁より
* 行政委員会の実態
多元主義のもと行政委員会が設置されるのは、専門技術的な行政など政治的に中立公正な扱いを必要とする行政分野においては、長の政治的影響や官僚支配から独立して、市民的感覚にもとづき清新かつ創造的な行政運営の展開を期すためである。そのため、委員会のもとには、通常、委員会が任命し支配する、長の部局から切り離された独自の事務局がおかれる。
だが、委員会行政の現実は、法のタテマエとはまったく逆で、事務局を構成する官僚団が実質的に委員の選定、会議の進行、議案の提出・審議など委員会の運営全体を仕切っている。委員同志の討論はほとんど行われない。委員は事務局に対座して事務局の説明をきき、これに注文をつけることも稀で、事務局案に同意するまったくの傀儡になり果てているのが実情である。委員会はまさに形式だけの存在になっていることが多い。
こうした弊害をなくし、委員会に本来の使命を果させるには、行政委員会の運営もこれを聖域化せず、情報公開・会議公開を推し進めてその実態を明らかにするとともに、長の側も委員会行政の実情を把握して、委員会が法の趣旨に即して本来の役割を果たすよう、委員の選任等に本腰を入れて監視していく必要がある。