「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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史上初「世界人道サミット」2016.5.23-24イスタンブール

2016-04-13 09:53:20 | 戦争と平和
 史上初「世界人道サミット」2016.5.23-24イスタンブールに期待します。

 今は、難民を閉ざしている国日本としては、これから何ができるのだろうか。

 以下の文章は、国連の潘基文(バン・キムン)事務総長が毎日新聞に寄稿した全文です。
 潘氏は、5つの課題を述べられています。


*************毎日新聞*********************
http://mainichi.jp/articles/20160413/k00/00m/030/072000c

国連・潘基文事務総長

寄稿全文…困窮者支援、一刻も争う



毎日新聞2016年4月12日 21時11分(最終更新 4月12日 21時11分)

5月のトルコで初開催「世界人道サミット」を前に

 欧州難民危機などを受けて5月23、24日にトルコのイスタンブールで初めて開催される「世界人道サミット」を前に、国連の潘基文(バン・キムン)事務総長が毎日新聞に寄稿した。潘事務総長は「事態は一刻を争う。世界の指導者たちは、サミットに参加し、最も困窮している人々に対し支援を約束してほしい」と訴えた。


 国連創設以来、今ほど多くの人々が切実に人道支援を必要としたことはなかった。紛争当事者による国際人道法違反が横行したこともなかった。急激な人道支援の必要性に対応するため、かつてないほど多くの資源が求められる一方、財政支援の不足額は、史上最悪のレベルに達している。

 こうした事態を踏まえ、私は史上初の世界人道サミットを今年5月23、24日にイスタンブールで開催する。世界の指導者や国際的な組織などに最も困窮している人々への質、量ともに改善した支援を約束するように訴えている。事態は一刻を争うのだ。

 気候変動は、この惑星のいたるところで生命と暮らしに影響を及ぼしている。紛争、暴力的な過激主義、国境を超える犯罪、格差拡大により、無数の男女や子供たちの命が奪われ、彼らが暮らす地域全体が不安定化している。家を追われた人々の数は第二次世界大戦後、最多となった。

 世界中で1億2500万人が人道援助を必要としている。これだけの人々で一つの国家を構成すれば、世界で11番目に人口が多い国となる。

 今日の複合的な課題は国境を超え、単独で対処できる国家も組織もない。こうした課題に対処できるよう、国内、地域、国際的な機関の能力への信頼性を回復させねばならない。

 政策を形作り、財政支援の判断をするのは、人道主義という共通の価値観であるべきだ。私はサミットに先立ち、行動と変化、相互の説明責任のための枠組みとして「人道への課題」を発表した。そこには核となる五つの責任がある。

 一つ目。指導者は紛争を予防し、終わらせるため、政治的な解決への取り組みを強化しなければならない。紛争の莫大(ばくだい)な人的、経済的コストは、人類発展の最大の障害である。私たちは、危機の管理から予防へと移行する必要がある。

 二つ目。各国は人道性を保障する規範を堅持しなければならない。それは、国際人道法や国際人権法を順守し、市民やその居住地域を標的にした爆撃や砲撃をやめることだ。国内、国際的な法制度にのっとり、そうした行為の免責を許さないことでもある。

 三つ目。誰も置き去りにしてはならない。まずは、最も支援が遅れていた人々に手をさしのべるべきだ。紛争や慢性的な貧困を含む、最も脆弱(ぜいじゃく)な状況に置かれた人々、自然災害や海面上昇の危機にさらされている人々の生活を変えるということである。そのためには、強制的に家を追われる状況を減らし、移住者に対して正規かつ合法的な機会を提供しなければならない。

 女性と少女の社会的地位を向上させ、すべての人にとっての教育の平等性も確保しなければならない。これまで置き去りにされてきた人々への支援なしには、昨年9月に世界の指導者が合意した「持続可能な開発目標」は達成できない。

 四つ目は、支援の提供から、その必要性を終わらせることに軸足を移す、ということだ。危機の発生を待つのではなく、予測する必要もある。現地の指導者などを鍛え、人々と地域社会の脆弱(ぜいじゃく)性を減らす一方で、その復元力を増強させることが必要だ。最初に、そして、最後まで危機に対応するのは現地の人々だからだ。

 五つ目として、賢明で革新的な資金動員の方法を生み出す責任がある。そのためには、幅広い資金調達の手段を取り入れる必要がある。私は世界銀行とともに、国際的な資金調達のプラットフォームを新たに発表した。長期化した危機に対応する資金を充当するためのメカニズムを構築するのが目的だ。

 世界人道サミットは、持続可能な人類の進歩と、すべての人々の尊厳と安全が守られた生活の促進に尽力することが目的だ。世界の指導者の参加を要請する。【訳・草野和彦】
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