「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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戦時下の東北大 文系軽視に異議 阿部次郎、桑原武夫教授ら反骨精神

2016-04-30 11:44:15 | 教育
 日本をおかしな方向に行かないように、守ってくれる最後の砦が、大学です。

 憲法が、その大学の学問の自由を保障しています。

 私の最も好きな日本国憲法の条文です。

 憲法23条 第二十三条  学問の自由は、これを保障する。


 戦時下でも、大学が日本を守ろうとしてくれていたことがわかる記事、東京新聞4/30より。


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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016043090070907.html

戦時下の東北大 文系軽視に異議 学内調査阿部次郎、桑原武夫ら反骨示す


2016年4月30日 07時09分


 戦時中の一九四四年八月、東北帝国大学(現東北大)の熊谷岱蔵(たいぞう)総長が、大学の進むべき方向について教員に尋ねたアンケート結果が東北大に残っている。作家の阿部次郎教授や仏文学者の桑原武夫助教授らが、軍事中心、文系軽視の方針に異議を唱えていた。防衛省が研究資金を用意するなど再び大学と軍事が近接し、文系学部の再編も論議される現在、「学問の自由」の原点を見つめ直す史料として再評価の機運が高まる。 (望月衣塑子)

 東北大学百年史を編さんしたメンバーが九七年、九十二人の教授らの直筆の回答書を大学本部の書庫で発見した。機密扱いの書類であり、戦争推進の意見もあることから、発見当時は遺族の意向に配慮して個人名を公表しなかった。

 戦時中は、武器製造のため理系研究が推奨され、文系廃止論が強かった。文系と理系で「命の格差」も生まれた。同大史料館の永田英明准教授によると四三年十二月時点で法文学部の男子学生の72・3%が入隊を課されたのに対し、医学部は1・4%など理系はほとんど徴兵されなかった。

 四四年は、学徒動員で大学が事実上、教育機能を失っており、総長のアンケートは、存亡への危機感から行われたとされる。

 大正・昭和期の学生のバイブルとされた青春小説「三太郎の日記」を執筆した法文学部の阿部教授は回答書で「あらゆる研究及び教育の継続は、時局の急迫中においても、依然として必要なり」と主張。「大東亜共栄圏の実現は圏内の人心を底から掴(つか)むことなしに期し難い」と、戦争を否定しない形で、文系の充実を訴えた。

 戦後さまざまな文化的運動で主導的な役割を担った同学部の桑原助教授も「今次大戦の帰結如何(いかん)に拘(かかわ)らず、欧米的なるものが尚当分世界に支配的勢力を振るうべきは明白なり」とし、研究対象を日本のものに限定する風潮を「国家百年の計にあらず」と批判する。

 文系学部には再び、逆風が吹き始めている。昨年文部科学省は国立大学に文系学部の廃止や転換を求めた。「文系軽視」との批判に同省は「誤解を与える表現だった」と釈明したが、八十六大学中二十六校はその後、一部課程の廃止を含む再編の意向を表明した。永田准教授は「大学の在り方は常に社会や政治との関わりの中で問われ続けてきたが、アンケートにみられる人類や社会にとって何が大切かという普遍的、長期的な視点で教育や研究の在り方を考えることが大切だ」と訴える。

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 憲法が保障する「自由」や「平等」が揺らぐ現状を問う連載「変質する平和 非立憲社会編」を近く始めます。

(東京新聞)
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お試し改憲?での論点とされる「緊急事態条項」につき、42自治体中1自治体を除き、必要ない

2016-04-30 09:10:07 | 日本国憲法
 お試し改憲で、論点に上がっている緊急事態条項につき、大震災を経験した自治体が、本当に必要かを問うたアンケート結果を、毎日新聞が本日4/30一面で掲載をしています。

 結果は、42自治体中1自治体を除き必要ないという回答であったとのことです。(回答したのは、37自治体)

 国会においては、これら結果も踏まえ、論議を深めていただきたいと考えます。

 すなわち、緊急事態条項のための、改憲は、必要ないのではないでしょうか?

 
 傍論ですが、このような新聞社のアンケート調査は、参考になってありがたいと思います。なかなか、民間や一般人が行えない調査です。
 もちろん、恣意性を持たせることは十分可能なわけだけど、新聞を読む我々が、アンケートの質問項目や調査対象などの手続きに注意を払って新聞社の恣意性の有無を判断していけばよいだけのことと考えます。
 この毎日新聞の調査は、信頼するに足りると考えます。

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http://mainichi.jp/articles/20160430/k00/00m/040/109000c

緊急事態条項


現場に権限を 国に強い不信感も



毎日新聞2016年4月30日 07時00分(最終更新 4月30日 07時00分)


東日本大震災 42自治体アンケート

 災害時は国より自治体の権限強化を−−。東日本大震災で被災した自治体の多くが、憲法改正の主要テーマである緊急事態条項の必要性に疑問を呈している。震災を契機に同条項を求める声が高まった経緯があり、自治体の声は憲法改正論議に影響を与えそうだ。【川崎桂吾、関谷俊介】


 毎日新聞がアンケートで緊急事態条項について自由に意見を求めたところ、17市町村が意見を寄せた。

 津波被災地ではがれきが救助を阻んだケースがあり、「私有財産が障害となり救助が遅れた」という主張が同条項必要論の根拠の一つとなっている。

 だが、仙台市は「財産の処分などは現行法で整理が可能」(減災推進課)と回答した。「住民が何で困っているのか、地域において優先課題が何なのかを見ながら、現場が必要な予算や権限を持って行動に移せるようにすることが求められている」としている。

 岩手県野田村も「条項は、震災対応には直接的には影響はないと思う」(総務課)。役場庁舎が津波被害を受けた同県大槌町は、条項があっても「大災害で情報手段が途絶した場合に果たして機能するのか疑問」(危機管理室)と回答した。

 原発事故で避難を強いられている福島県川内村は、原発事故時に放射性物質の拡散を予測する「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム」(SPEEDI)を例に挙げた。原発事故直後、国が混乱を避けるためSPEEDIの公表を控えたことを巡り、同村は「国は国益優先、混乱防止、秩序維持のためであれば一人一人の命は後回しになる可能性が高く、正しい判断をするとは限らないことを学んだ」(住民課)と批判。「緊急事態条項よりも、災害救助の実施権限は市町村などの現場に下ろしてほしい」とした。

 回答自治体で唯一、同条項が必要だとした宮城県女川町は、高台移転の際、権利が複雑化し土地取得が困難だったことなどを挙げ、「緊急時や震災復興などスピードが要求される局面で財産権のあり方が現行法制度に位置づけられていない」(企画課)と指摘した。

 岩手県陸前高田市も復興過程で「超法規的対応が可能な制度が必要だ」(企画政策課)としたが、「国に権限を集中させるのではなく、逆に国の権限を都道府県に、都道府県の権限を市町村に移すことを求めたい」とした。

・震災の初動対応を振り返り「もっと適切に対処できたのではないか」と感じる場面はあったか。ある/ない

・(「ある」と答えた自治体に)その原因は何か(複数回答可)。(1)震災の規模が想定を超えていた(2)法律や制度に不備があった(3)憲法で保障された個人の権利が障害となった(4)その他

・<(1)の自治体に>どんな事態が起き、何を想定しておくべきだったか。

・<(2)の自治体に>どんな法律や制度がいかなる障害となったのか。

・<(3)の自治体に>障害となった事態の解決のために、緊急事態条項が必要だと感じたか。必要だと感じた/必要だと感じなかった

・緊急事態条項への意見・感想

42自治体のうち回答したのは次の通り。

 <岩手県>洋野町▽久慈市▽野田村▽田野畑村▽岩泉町▽宮古市▽山田町▽大槌町▽釜石市▽大船渡市▽陸前高田市

 <宮城県>気仙沼市▽女川町▽東松島市▽松島町▽利府町▽塩釜市▽七ケ浜町▽多賀城市▽仙台市▽岩沼市▽亘理町▽山元町

 <福島県>新地町▽相馬市▽飯舘村▽川俣町▽浪江町▽葛尾村▽双葉町▽田村市▽大熊町▽富岡町▽川内村▽楢葉町▽広野町▽いわき市

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