2月7日に中央区の来年度予算案が発表になります。
少しでも充実した予算になるように、3月開催の予算特別委員会で議論して参る所存です。
皆様のご意見・ご要望をお待ち致しております。(宛先→ kosakakazuki@gmail.com )
予算案の内容や予算審議の詳細を今後お伝えする予定のHP: http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/c/397ed2d75644e2b28d3fa38b83544501
〇2017年 中央区政12の注目ポイント
⇒ http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/12925fcda1649576aca19e7596e9f16f
〇2016年 決算特別委員会で予算に盛り込むべきことを要望した事項(作成日2016年10月14日の態度表明をそのまま引用、大事なキーワードを赤文字で表示)
平成27年度決算及び平成28年10月現在に至るまでの予算の執行状況を分析し、来年度予算編成及び来年6月に策定を予定する新基本構想に役立つ提言ができることを念頭に本決算特別委員会に臨んだ。
平成27年度一般会計決算は、「実質単年度収支」「財政力指数」「実質収支比率」「公債費負担比率」「経常収支比率」等各指標の検討と特別区民税の伸びから、弾力性、健全性を有していると判断する。しかし、基金残高が特別区債残高を上回るものの、ここ数年減少傾向が続くこと、「将来にわたる財政負担」も、平成23年度と比較して5年間で約半減していることから、将来の健全な財政運営を維持するにあたっては、十分に注意を要することを指摘する。
決算特別委員会での議論を踏まえ、以下の五つの視点から、来年度予算編成と新基本構想のあるべき方向性について述べる。
第1、子どもの安全と健康を守り、教育と福祉の充実の視点から
子育て世代の人口増加が著しく、出生数も平成27年は1981人に上っている。子どもの増加に対応した保育所整備、学校整備が喫緊の課題である。
待機児童は、平成28年4月現在で263人であり、一年間の待機児童増加数はプラス144人で大幅に増加した自治体としてワースト3位であった。平成29年度末の解消を目標に掲げ、「立体都市公園制度」を用いた水谷橋公園内の保育所整備など成果を出しているところであるが、休園中の幼稚園の利用等含め目標達成に向けた「子育て支援対策本部」のさらなる検討に期待をする。また、発達障害や医療的ケア児など障害のある子ども達への適切な保育環境の提供についても引き続き検討をいただきたい。
また、小学校児童数は、平成30年6293人、平成35年8521人と平成25年4862人から大幅に増加が想定されている(資料210)。学校改築も急がねばならないが、阪本小・城東小改築においては、坂本町公園の両校の三階建て「プレハブ鉄骨」の仮校舎を予定している。首都直下型大地震を考えるのであれば、坂本町公園への本校舎建設、近隣校との「一校舎二学校制度」の利用など、より安全な手法を選択することを求める。また、両校は、「復興小学校」であるから、解体前にきちんと記録保存されることを併せて求める。
区内認可・認証保育所での重症事故は、発生がないが、区内事業所内保育所で平成28年3月死亡事故が発生、また、平成28年7月21日家庭的保育事業利用児の急変死亡の救急対応事案が発生した。すべての保育施設での子ども達の安全の確保に向けた取り組みが引き続き求められる。
平成27年度幼稚園・小学校・中学校における重症事故は、それぞれ1件、3件、1件であった(資料229)。うち小学校事故は、「登校時、横断歩道を渡る際の車両との接触事故」であり、スクールゾーンにおいては「歩車分離式の信号機」の設置が求められる。
小・中学校のいじめ発生数は、それぞれ9件、0件である(資料196)。『いじめ防止対策推進法』施行に伴い設置された「いじめ問題対策委員会」における専門的な対応によりゼロを目指すことを期待する。
小中学校の長期欠席者は、小学校で病気24人、不登校17人含め54人、中学校で病気8人、不登校43人含め55人である(資料195)。不登校において、いじめが遠因としてないかどうかの分析と、「学校出席」扱いされる「わくわく21」の通いの場の充実とともに、それら子ども達の教育の機会の提供として、「テレビ会議システム」を用いた自宅や病室での授業の受講を可能にする検討を求める。
平成30年「子ども発達支援センター」開設に向け「子ども発達支援のあり方検討部会」において準備中であるが、同部会には、児童精神科の医師も加えることを求めるとともに、一貫した支援体制の構築に欠かせない「育ちのサポートカルテ」が「個別の教育支援計画」「個別指導計画」と統合され、「就学相談」時を含め有効に活用されることを求める。
特別支援教育では、平成27年度より小学校各校に「特別支援教室」の設置を始めたが、中学校においても同教室の全校設置を求めるとともに、平成27年度から明正小学校に開設した難聴・言語障害の通級指導学級が、区内中学校においても継続できる体制整備を求める。「特別支援学級」においては、小学校における「自由選択制」の導入と、児童生徒の重症度に応じて、教師・補助員・介助員のさらなる柔軟な配置を求める。
被虐待相談が64件、養育困難など併せて養護相談合計が173件と著しい増加傾向を見せている。『児童福祉法改正』により特別区においても児童相談所を設置することが可能になったこともあり、DV問題などで連携が考えられる女性センター『ブーケ21』の立地する「八丁堀駅前周辺地域の整備」に含めるか否かは別にしても、ゾーニングの考え方を用いつつ児童相談所整備も含めるなどして早急に設置することを強く要望する。
「新生児等訪問指導」において、訪問対象者数1956人に対し、要支援者は176人9.0%であった(第1回子ども・子育て会議配布資料2−5)。地区担当保健士によるきめ細やかな支援体制がなされているところであるが、今後、聖路加産科クリニックの縮小にともない空きスペースができることもあり、同施設内に「宿泊型の産後ケア」施設の整備の検討を要望する。
最後に、平成28年7月1日中央区議会は、『婚姻歴のないひとり親世帯に寡婦(寡夫)控除の適用を求める意見書』を国会・内閣に提出したところであり、また、国においても、非婚の母又は父においても寡婦(寡夫)控除を適用する『改正公営住宅法施行令』が平成28年10月1日から施行されたこともあり、この際、中央区の全事業において、未婚の一人親に対して、「みなし寡婦(寡夫)控除」を適用することを強く要望する。
第2、高齢者、障がい者はじめすべての人の安心安全の区民生活と福祉の充実の視点から
「ソーシャル・インクルージョン(社会的包摂);誰もが社会から孤立したり、排除されたりせず、社会の構成員として能力を発揮でき、互いを支え合おうという考え方」を、新基本構想そしてすべての施策に取り入れていくことを期待する。
中央区は、本年8月医療的ケア児・者の全家族実態調査を施行し、65歳未満24人、18歳未満16人に面談を行った。引き続き「全数把握」を続けるとともに、①日中一時支援、②放課後デイ、③保育園などいただいた要望を、高齢者だけに止まらないすべてのひとを対象とした「地域包括ケアシステム構築」をしつつ、サービスの充実を求める。
要介護時在宅で暮らしたい人の割合は68.7%であり、死亡場所の全国平均が自宅が12.8%、病院75.2%であるところ、中央区の在宅死は、21.5%と高い水準である。在宅療養支援のための、①医療型の緊急ショートステイの整備や、②「認知症ケアパス」の有効活用、③「在宅療養連携マニュアル」の活用など、「在宅療養支援協議会」での検討を中心に、整備が図られることを期待する。
本年度より高齢者の「通いの場」事業が開始されているが、高齢者が、授業・安全見守り・清掃等のお手伝いをするボランティアとして小学校に集うような「通いの場」の創設ができないか、小学校を中心としたゾーニングの考え方を用いつつ、教育委員会と高齢者部門の連携による検討に期待をする。
不足する介護人材に対しては、外国人の介護者を積極的に受け入れる「介護人材特区」などの手法もとれないかなど検討に期待をする。
本年度策定される『スポーツ推進計画』では、高齢者も障害者も誰もがスポーツを楽しむことができる施策の方針が具体的に打ち出され、誰でも参加できるスポーツ行事が毎月のように開催されることに期待をする。
第3、五輪までになすべきことがらの視点から
東京五輪までになすべきこととして、
①受動喫煙をなくすこと、そのための 区の「公共の場所」における屋内全面禁煙の早期達成
②感染症をなくすこと、そのための「欠席者情報収集システム」の保育園・小中学校での運用と感染症情報の医療機関間の共有、
③ヘイトスピーチ撲滅、
④テロへの完璧な備えをすること、
⑤中央区の伝統文化を残しつつ、バリアフリーのまちづくり、
⑥国内外の観光客を受け入れる商店街振興策の充実 そのための『観光情報センター』『まちかど展示館』『商店街振興プラン』の有効活用などに期待をする。
そして、
⑦レガシーともなるべき、子ども達の作品やデザインで、晴海選手村のまちづくりを行うことへの取組に期待をする。
第4、ガラス張りの中央区政と区民の区政への参加の視点から
区民参加のうえで、町会・自治会が欠かせない存在である。27年度末で175団体のうち25団体が法人化しているが、『地方自治法第260条の2』以降の規定は、法人化を簡便になしうる規定であり、法人化を求める町会自治会には、同規定も含め積極的な法人化支援を求める。
まちづくり協議会は、『同協議会設置要綱』4条2項及び同5条で規定された会長が設置されないまま「説明会」形式で現在議論がなされている。「晴海地区将来ビジョン推進会議」「同地区デザイン協議会」含めすべてのまちづくり協議会と関連部会において、学識経験者の会長を設置し、「会議体」でのまちづくりの検討を強く要望する。
情報公開について、原則会議を公開することの徹底と、教育委員会定例会含め会議資料の迅速な公開を求める。区のホームページでは、より丁寧な説明による施策・事業の説明や、区民が求める情報に簡単にアクセスできる配置のさらなる研究を求める。
来年6月策定予定の新基本構想の内容の検討においては、総括で議論したところであるが、来年2月に答申をして議論を終了するのではなく、3月の予算特別委員会及び各種委員会における中央区議会での検討の成果も反映される形でのスケジュールを強く要望する。
区長の「都議後援会主催の温泉旅行」への公用車使用問題が、『最高裁平成18年12月1日の判例』を引用しつつ議論されたが、この際、区長交際費の区民目線での徹底的な見直しを強く要望する。
第5、豊洲移転が混迷する中、築地を再検討すべき視点から
土壌汚染が確実に解決されることを条件に、豊洲移転を容認した中央区ではあるが、
①専門家会議・技術会議の検討の上、土壌汚染対策法の具現化として提言された盛り土の欠如、
②盛り土を行うことを前提にしているがゆえに「環境アセスメント」のやり直しの必要性、
③盛り土を行うことを前提とした卸売市場計画に沿わない市場建設、
④315号線下の土壌汚染の残置、
⑤2年間の汚染の検出のないことの確認を要する水質モニタリング検査からの汚染の検出、結果、再度2年間のモニタリング検査の必要性
⑥技術会議から地下空洞案が出されたとする技術会議の会議録のHPの改ざん、
⑦建物の積載荷重の大幅な不足、
⑧豊洲建物の耐震性の問題、
⑨仲卸ブースの狭さ、
⑩建物内のスロープ含め動線の問題
など、問題が山積みであり、豊洲移転は混迷している。
解決に時間を要することから、東京五輪では、移転の有無に関わらず、築地の食材でオリンピアン・パラリンピアンをもてなし、「世界の築地」を一大観光拠点として発展させていくことを期待する。
以上、今後の施策に反映されて行くことを期待して、「改革2020」は、平成27年度各会計決算の認定に同意をする。
以上
