平成29年度中央区予算の2月7日プレス発表にあたり、まず、中央区の予算編成方針をみておきます。
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http://www.city.chuo.lg.jp/kusei/zaisei/yosan/20160823131027562.files/29yosanhenseihousin.pdf
平成29年度 予算編成方針
わが国経済の動向は、本年7月の政府月例経済報告によれば、海外景気の下振 れや英国のEU離脱問題などが景気を下押しするリスクとなっているものの、緩 やかに景気の回復基調は続いているとされています。
一方、本区の財政環境は、力強い人口増加に伴う特別区民税の順調な伸びは期 待できる一方、特別区交付金については、企業収益の改善が期待できるものの、 地方分権の流れに逆行する法人住民税の一部国税化や法人実効税率引下げのさら なる拡大が検討されており、今後も予断を許さない状況にあります。
こうした中、築地市場の豊洲移転による影響をはじめ、4年後に迫った東京 2020オリンピック・パラリンピック競技大会やその後の区内全体の良好なま ちづくりなど、本区を取り巻く環境が大きく変容していることを踏まえ、新たな 「中央区基本構想」の策定に向けて進められている議論の中での課題等を見据え つつ、各施策を迅速かつ着実に推進していかなければなりません。
そのためには、各部局が主体性を発揮しながら、真の区民ニーズを的確に把握 し、迅速かつ柔軟に対応するとともに、行政評価と予算編成の連動性を高めるこ とにより、成果重視の視点に立ったマネジメントサイクルを徹底していく必要が あります。特に、平成29年度からの公会計制度導入にあわせた事業体系の見直 しを踏まえ、既存の事務事業についてその根幹にまで遡りこれまでの成果を厳し く評価した上で存廃を含めた大胆な見直しを断行するとともに、新規事業の構築 に当たっては、スクラップ・アンド・ビルドを原則としつつ、地域特性を踏まえ た魅力ある施策展開に知恵を絞り、その必要性や効果を十分に見極めた上で確か な成果へとつながるよう力を尽くすなど、健全財政を堅持しながら、区民福祉の より一層の向上を目指して、これまで以上に効果的・効率的な行財政運営を推進 する必要があります。
以上の認識を踏まえ、平成29年度予算は次の方針に基づき編成するものとし ます。
-1-
第1 基本方針
平成29年度予算は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会 やその後を見据えたまちづくりを念頭に置きつつ、中央区基本計画2013 における前期計画期間の最終年度に当たることを踏まえ、”-未来へ紡ぐ 「快適都心」中央区-”に掲げる5つのまちづくりに向けた基盤づくりの仕 上げに取り組んでいくものとする。あわせて、真の区民ニーズを的確に捉え 既存事業の積極的な見直しを不断に行うことにより、区民の負託に応える施 策展開のための財源を確保し、今後の社会経済状況の変化にも的確に対応し うる強固な財政基盤を堅持する。
1 重点施策
人口増加への確実な対応、東京2020オリンピック・パラリンピック競 技大会や築地市場の移転など本区を取り巻く環境変化を十分に踏まえ、平成 29年度予算においては、次の施策を重点と位置づけ取り組むものとする。
(1) 災害に強い都心のまちづくり
「中央区地域防災計画(平成27年修正)」を踏まえ、地震などの災 害に対して自らの命は自ら守る「自助」を基本としつつ、地域が一体と なって助け合い、地域自らが行動できる「共助」への取組を支援するこ とにより、地域防災体制の強化を図る。
特に、事業所や繁華街、高層住宅などが集中する都心中央区の特性を 踏まえ、在勤者、来街者、高層住宅居住者など全ての人が助け合える仕 組みづくりを進めるとともに、自力での避難が困難な方への支援など誰 もが安全・安心に過ごせる都心ならではの災害に強いまちづくりを進め る。
-2-
(2) 子どもが輝く子育て・教育のまちづくり
「中央区子ども・子育て支援事業計画」を踏まえ、誰もが安心して子 どもを産み、喜びを持って育てることができるよう、行政だけでなく民 間や地域の活力を積極的に活用し、多様な子育てニーズに対応する。
また、「教育の中央区」にふさわしい質の高い教育の実践などによる 知・徳・体のバランスがとれた「生きる力」の育成、国際教育・理数教 育などの先進的な教育内容の展開、学校の総合的な教育力ともいえる 「学校力」の強化と教育環境の充実による魅力ある学校づくり、学校・ 家庭・地域社会が一体となった子どもの健全育成や「いじめ」ゼロへの 取組を推進する。
(3) すべての人々の健康と高齢者の生きがいのあるまちづくり
各種検診の充実や健康教育・スポーツ活動の支援を通じ、生涯にわた る心身の健康づくりを推進するとともに、「70歳就労社会」の実現に 向け、高齢者がこれまで培った知識・経験・能力を発揮できる、生きが い、活力のあるまちづくりを進める。
また、誰もが中央区で安心して暮らし続けられるよう、利用しやすく 質の高い福祉サービスを提供する。特に、高齢者については、介護予防 の取組や24時間365日の見守り、在宅介護に重点を置いた地域密着 型の介護基盤整備など、地域ぐるみで支え合う仕組みづくりを推進する。
さらに、障害者については、乳幼児期から学齢期、成人までの途切れ のない一貫した支援システムの構築により早期発見や適切な支援につな げるとともに、社会的自立、社会参加を促進する。
(4) 地球にやさしい水と緑のまちづくり
地球環境の保全に向けた先導的な役割を果たすべく、「中央区エコタ ウン構想」及び東日本大震災後の電力危機を踏まえた省エネルギーの取 組、再生可能エネルギーの利用拡大など創エネルギーの取組を全庁を挙
-3-
げて推進する。また、環境情報センターを核とした区民・事業者・区が一 体となった地域ぐるみの環境活動を広く展開する。
さらに、都内随一の水面率を有する本区の特性を生かした「水の都中 央区」にふさわしい、水辺空間の整備・利活用を推進する。
(5) 歴史と先進性を生かしたにぎわいのあるまちづくり
江戸以来の歴史・伝統と先進性とが調和する本区の特性を生かし、文 化・スポーツなどさまざまな区民活動を通じた新たな都心コミュニティ づくりを推進するとともに、本区が有する人々のくらしやいとなみ、ま ちなみ、芸術、文化などの魅力を、新たに開設する観光情報センターを 核として区の内外に情報発信する。
また、「中央区商店街振興プラン2016」の趣旨を踏まえ、区内商 店街や地域産業の活性化を一層推進するとともに、急増するインバウン ドへの対応を図る。
2 事業構築等に当たって
不断の取組による区政改革の一層の推進と健全で持続可能な行財政運営を 目指す観点から、事業の構築・展開に当たっては、次に掲げる事項を十分踏 まえるものとする。
(1) 緊急度・重要度による事業選択
限られた財源の重点的・効率的な配分の観点から、緊急的に取り組む べき重点事業を明確にする一方、行政ニーズの変化により効果が乏しく なった事業については制度の根幹にまで遡り、その存廃を含めた積極的 かつ大胆な見直しを行うなど施策全般にわたる選択を行うこと。特に、 あらかじめ見直し期限を定めた事業については、見直し年次に事業効果 等を分析の上、その方向性を定めること。
-4-
(2) 部局間調整・連携の強化
既存事業の展開や新規・充実事業の構築に当たっては、これまで以上 に関係部局間の調整・連携を強化・徹底し、類似事業の統合やサービス 水準の整合を図るとともに、適切な事業計画の下、効率的・効果的な事 業執行に努めること。
(3) 既存ストックの有効活用
各種の公共施設や設備はもとより、人材やノウハウなどを含め、区が これまで蓄積してきた既存ストックを最大限に有効活用すること。
特に、施設整備については、可能な限り区有地や既存施設の活用を前 提とし、新たな用地取得や施設建設は抑制すること。
また、施設サービスの提供については、部局を越えてさまざまな施設 が連携・補完し合う仕組みづくりを推進するとともに、利用実態を踏ま えた稼働率の向上など、既存施設の潜在力向上策についても積極的に検 討すること。
(4) 多様な主体との協働と民間活力の活用
さまざまな地域課題の解決に向けては、官民の役割を踏まえながら、 区民、NPO、ボランティア、企業、大学等研究機関などの多様な主体 との協働や民間活力の活用を積極的に推進すること。
(5) 成果重視型のマネジメントサイクル
「中央区基本計画2013」に掲げた施策の目的を実現するため、行 政評価で明らかとなった各施策の課題や方向性を踏まえた取組を着実に 実行する「成果重視型」のマネジメントサイクルを徹底すること。
-5-
第2 予算編成の留意点
1 一件算定方式による予算編成
昨今の人口の急増や、それに伴う乳幼児数の増加により、行政需要が質・ 量とも急激に拡大している現状を踏まえ、区民ニーズを的確に把握した上で、 全ての事務事業をその根幹にまで遡り目的や成果、解決すべき課題等を明ら かにし、先見性や創造性等を踏まえた視点で予算編成を行う必要があること から、昨年度に引き続き、全ての事業を一件算定方式により予算編成を行う こととする。各部局においては、施策・事務事業について根本に立ち返り徹 底した精査を行うとともに、部局内はもとより関係部局とも十分に調整を図 った上で、適切な見積もりを行うこと。
2 歳出予算について
(1) 全般的事項
ア 「中央区基本計画2013」における「10年後の中央区」や東京 2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を見据えた施 策の着実な推進を図ること。
イ 常に自己変革を怠ることなく行政改革に不断に取り組むためにも、 全ての施策・事務事業について根本に立ち返り事業の存廃も含め徹底 した点検・見直しを行うこと。
ウ 行政評価において明らかとなった課題や評価結果を踏まえ、今後の 方向性等の具体化に努めること。
エ 組織のあり方や既定人員の積極的な見直しを行い、全庁的な定数配 置等の一層の適正化・弾力化を図ること。
オ 各種事業については、単に前例を踏襲することなく、執行方法や執 行体制も含め徹底した見直しと創意工夫により、最少の経費で最大の
-6-
効果が得られるよう十分に検討すること。 カ 調査・検討支援などの委託については、区の主体性と責任の下、目
的・方向性を明確にするとともに、得られた結果を的確に施策へ反映
できるよう道筋を明らかにすること。 キ 区が支出する補助金、負担金及び分担金については、補助団体の活
動内容や補助目的等を再度点検し、十分に精査すること。 ク 指定管理者に対する経費については、これまでの実績や導入効果を
十分に点検し、より適正なものとなるよう精査すること。
(2) 政策的経費
各部局は、社会経済状況や行政ニーズの変化を的確に捉えた上で、政 策目標と施策の方向性などを明確にし、独自性・創造性のある事業の企 画・立案に努めるなど、新たな政策課題に積極的に取り組むこと。 ア 新規及び充実事業については、政策目標の達成に向け必要性・有益
性を十分に精査するとともに、既存事業のスクラップ・アンド・ビル ドを原則とすること。
また、事業構築に当たっては、適時性、費用対効果、全体計画と執 行体制、将来展望と後年度負担、さらには他の関連事業との整合性や 公平性など総合的に十分な検討を加えるとともに、あらかじめ成果目 標と事業の見直し年度を定め、当該設定年度に事業効果を測定の上、 事業存続の可否を厳しく判断すること。
なお、事業名等については、その目的・内容が区民に分かりやすく PR効果のある表現を工夫すること。
イ 投資的事業については、事業の必要性を十分に検証の上、コスト削 減に努めること。
-7-
特に、施設整備については、次に掲げる事項を必ず検討・検証する こと。
(ア) 既存施設の有効利用やネットワーク化などによる施設のポテ ンシャル向上を優先し、新たな施設建設や用地取得を抑制する こと。
(イ) ランニングコスト等の後年度負担も含めた投資額に見合う区 民サービスの充実が図られるかなど、さまざまな視点で効果を 十分に検証すること。
(ウ) 将来的な施設ニーズの変化にも柔軟に対応し得る整備計画と すること。
(3) 経常的経費
既定事業については、今日の社会情勢や区民ニーズの変化を踏まえ、 区民生活に真に必要な事業か、実績面、有効性、公平性、効率性、代替 可能性など多面的な視点から事業本体及び執行体制について存廃を含め た根本的な見直しを行うとともに、経費のより一層の縮減に努めること。
3 歳入予算について
歳入については、財源を的確に把握し、さらなる収入確保を図るととも に、次に掲げる事項に努めること。
(1) 収納率の向上及び受益者負担の適正化
ア 特別区民税、国民健康保険等の保険料については、引き続き徴収努 力を行うとともに、これらの収入未済分については必要な措置を講じ、 収納率の向上と収入の確保を図ること。
イ 保育所入所者負担金等の各種負担金、住宅使用料等の各種使用料に ついても、収納率の向上と収入未済分の解消に向けた具体的な対策を 講ずるとともに、自主財源の確保及び受益者負担の適正化を図る観点
-8-
から負担水準の見直しも含め検討すること。
(2) 補助制度の活用
国や東京都の補助・負担事業については、国等の平成29年度予算編 成の動向に細心の注意を払い、制度等の改正に時宜を失することなく対 応するとともに、国等の補助制度を積極的に活用すること。
(3) 区民施設について
区民施設については、利用者にとって「より使いやすく」「より魅力 ある施設」となるよう指定管理者等との連携・運営改善等を図り、設置 目的を踏まえた利用者・稼働率の増加と使用料の確保に努めること。
4 その他
事業執行上、地域及び関係団体等の協力を要するものは事前に十分な調 整を図るとともに、関係部局との連携に留意すること。
また、平成29年度に向けた税制改正や地方自治体向け補助金の見直し など、国や東京都などの動向には常に注意を払い、最新情報の収集に努め ること。
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http://www.city.chuo.lg.jp/kusei/zaisei/yosan/20160823131027562.files/29yosanhenseihousin.pdf
平成29年度 予算編成方針
わが国経済の動向は、本年7月の政府月例経済報告によれば、海外景気の下振 れや英国のEU離脱問題などが景気を下押しするリスクとなっているものの、緩 やかに景気の回復基調は続いているとされています。
一方、本区の財政環境は、力強い人口増加に伴う特別区民税の順調な伸びは期 待できる一方、特別区交付金については、企業収益の改善が期待できるものの、 地方分権の流れに逆行する法人住民税の一部国税化や法人実効税率引下げのさら なる拡大が検討されており、今後も予断を許さない状況にあります。
こうした中、築地市場の豊洲移転による影響をはじめ、4年後に迫った東京 2020オリンピック・パラリンピック競技大会やその後の区内全体の良好なま ちづくりなど、本区を取り巻く環境が大きく変容していることを踏まえ、新たな 「中央区基本構想」の策定に向けて進められている議論の中での課題等を見据え つつ、各施策を迅速かつ着実に推進していかなければなりません。
そのためには、各部局が主体性を発揮しながら、真の区民ニーズを的確に把握 し、迅速かつ柔軟に対応するとともに、行政評価と予算編成の連動性を高めるこ とにより、成果重視の視点に立ったマネジメントサイクルを徹底していく必要が あります。特に、平成29年度からの公会計制度導入にあわせた事業体系の見直 しを踏まえ、既存の事務事業についてその根幹にまで遡りこれまでの成果を厳し く評価した上で存廃を含めた大胆な見直しを断行するとともに、新規事業の構築 に当たっては、スクラップ・アンド・ビルドを原則としつつ、地域特性を踏まえ た魅力ある施策展開に知恵を絞り、その必要性や効果を十分に見極めた上で確か な成果へとつながるよう力を尽くすなど、健全財政を堅持しながら、区民福祉の より一層の向上を目指して、これまで以上に効果的・効率的な行財政運営を推進 する必要があります。
以上の認識を踏まえ、平成29年度予算は次の方針に基づき編成するものとし ます。
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第1 基本方針
平成29年度予算は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会 やその後を見据えたまちづくりを念頭に置きつつ、中央区基本計画2013 における前期計画期間の最終年度に当たることを踏まえ、”-未来へ紡ぐ 「快適都心」中央区-”に掲げる5つのまちづくりに向けた基盤づくりの仕 上げに取り組んでいくものとする。あわせて、真の区民ニーズを的確に捉え 既存事業の積極的な見直しを不断に行うことにより、区民の負託に応える施 策展開のための財源を確保し、今後の社会経済状況の変化にも的確に対応し うる強固な財政基盤を堅持する。
1 重点施策
人口増加への確実な対応、東京2020オリンピック・パラリンピック競 技大会や築地市場の移転など本区を取り巻く環境変化を十分に踏まえ、平成 29年度予算においては、次の施策を重点と位置づけ取り組むものとする。
(1) 災害に強い都心のまちづくり
「中央区地域防災計画(平成27年修正)」を踏まえ、地震などの災 害に対して自らの命は自ら守る「自助」を基本としつつ、地域が一体と なって助け合い、地域自らが行動できる「共助」への取組を支援するこ とにより、地域防災体制の強化を図る。
特に、事業所や繁華街、高層住宅などが集中する都心中央区の特性を 踏まえ、在勤者、来街者、高層住宅居住者など全ての人が助け合える仕 組みづくりを進めるとともに、自力での避難が困難な方への支援など誰 もが安全・安心に過ごせる都心ならではの災害に強いまちづくりを進め る。
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(2) 子どもが輝く子育て・教育のまちづくり
「中央区子ども・子育て支援事業計画」を踏まえ、誰もが安心して子 どもを産み、喜びを持って育てることができるよう、行政だけでなく民 間や地域の活力を積極的に活用し、多様な子育てニーズに対応する。
また、「教育の中央区」にふさわしい質の高い教育の実践などによる 知・徳・体のバランスがとれた「生きる力」の育成、国際教育・理数教 育などの先進的な教育内容の展開、学校の総合的な教育力ともいえる 「学校力」の強化と教育環境の充実による魅力ある学校づくり、学校・ 家庭・地域社会が一体となった子どもの健全育成や「いじめ」ゼロへの 取組を推進する。
(3) すべての人々の健康と高齢者の生きがいのあるまちづくり
各種検診の充実や健康教育・スポーツ活動の支援を通じ、生涯にわた る心身の健康づくりを推進するとともに、「70歳就労社会」の実現に 向け、高齢者がこれまで培った知識・経験・能力を発揮できる、生きが い、活力のあるまちづくりを進める。
また、誰もが中央区で安心して暮らし続けられるよう、利用しやすく 質の高い福祉サービスを提供する。特に、高齢者については、介護予防 の取組や24時間365日の見守り、在宅介護に重点を置いた地域密着 型の介護基盤整備など、地域ぐるみで支え合う仕組みづくりを推進する。
さらに、障害者については、乳幼児期から学齢期、成人までの途切れ のない一貫した支援システムの構築により早期発見や適切な支援につな げるとともに、社会的自立、社会参加を促進する。
(4) 地球にやさしい水と緑のまちづくり
地球環境の保全に向けた先導的な役割を果たすべく、「中央区エコタ ウン構想」及び東日本大震災後の電力危機を踏まえた省エネルギーの取 組、再生可能エネルギーの利用拡大など創エネルギーの取組を全庁を挙
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げて推進する。また、環境情報センターを核とした区民・事業者・区が一 体となった地域ぐるみの環境活動を広く展開する。
さらに、都内随一の水面率を有する本区の特性を生かした「水の都中 央区」にふさわしい、水辺空間の整備・利活用を推進する。
(5) 歴史と先進性を生かしたにぎわいのあるまちづくり
江戸以来の歴史・伝統と先進性とが調和する本区の特性を生かし、文 化・スポーツなどさまざまな区民活動を通じた新たな都心コミュニティ づくりを推進するとともに、本区が有する人々のくらしやいとなみ、ま ちなみ、芸術、文化などの魅力を、新たに開設する観光情報センターを 核として区の内外に情報発信する。
また、「中央区商店街振興プラン2016」の趣旨を踏まえ、区内商 店街や地域産業の活性化を一層推進するとともに、急増するインバウン ドへの対応を図る。
2 事業構築等に当たって
不断の取組による区政改革の一層の推進と健全で持続可能な行財政運営を 目指す観点から、事業の構築・展開に当たっては、次に掲げる事項を十分踏 まえるものとする。
(1) 緊急度・重要度による事業選択
限られた財源の重点的・効率的な配分の観点から、緊急的に取り組む べき重点事業を明確にする一方、行政ニーズの変化により効果が乏しく なった事業については制度の根幹にまで遡り、その存廃を含めた積極的 かつ大胆な見直しを行うなど施策全般にわたる選択を行うこと。特に、 あらかじめ見直し期限を定めた事業については、見直し年次に事業効果 等を分析の上、その方向性を定めること。
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(2) 部局間調整・連携の強化
既存事業の展開や新規・充実事業の構築に当たっては、これまで以上 に関係部局間の調整・連携を強化・徹底し、類似事業の統合やサービス 水準の整合を図るとともに、適切な事業計画の下、効率的・効果的な事 業執行に努めること。
(3) 既存ストックの有効活用
各種の公共施設や設備はもとより、人材やノウハウなどを含め、区が これまで蓄積してきた既存ストックを最大限に有効活用すること。
特に、施設整備については、可能な限り区有地や既存施設の活用を前 提とし、新たな用地取得や施設建設は抑制すること。
また、施設サービスの提供については、部局を越えてさまざまな施設 が連携・補完し合う仕組みづくりを推進するとともに、利用実態を踏ま えた稼働率の向上など、既存施設の潜在力向上策についても積極的に検 討すること。
(4) 多様な主体との協働と民間活力の活用
さまざまな地域課題の解決に向けては、官民の役割を踏まえながら、 区民、NPO、ボランティア、企業、大学等研究機関などの多様な主体 との協働や民間活力の活用を積極的に推進すること。
(5) 成果重視型のマネジメントサイクル
「中央区基本計画2013」に掲げた施策の目的を実現するため、行 政評価で明らかとなった各施策の課題や方向性を踏まえた取組を着実に 実行する「成果重視型」のマネジメントサイクルを徹底すること。
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第2 予算編成の留意点
1 一件算定方式による予算編成
昨今の人口の急増や、それに伴う乳幼児数の増加により、行政需要が質・ 量とも急激に拡大している現状を踏まえ、区民ニーズを的確に把握した上で、 全ての事務事業をその根幹にまで遡り目的や成果、解決すべき課題等を明ら かにし、先見性や創造性等を踏まえた視点で予算編成を行う必要があること から、昨年度に引き続き、全ての事業を一件算定方式により予算編成を行う こととする。各部局においては、施策・事務事業について根本に立ち返り徹 底した精査を行うとともに、部局内はもとより関係部局とも十分に調整を図 った上で、適切な見積もりを行うこと。
2 歳出予算について
(1) 全般的事項
ア 「中央区基本計画2013」における「10年後の中央区」や東京 2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を見据えた施 策の着実な推進を図ること。
イ 常に自己変革を怠ることなく行政改革に不断に取り組むためにも、 全ての施策・事務事業について根本に立ち返り事業の存廃も含め徹底 した点検・見直しを行うこと。
ウ 行政評価において明らかとなった課題や評価結果を踏まえ、今後の 方向性等の具体化に努めること。
エ 組織のあり方や既定人員の積極的な見直しを行い、全庁的な定数配 置等の一層の適正化・弾力化を図ること。
オ 各種事業については、単に前例を踏襲することなく、執行方法や執 行体制も含め徹底した見直しと創意工夫により、最少の経費で最大の
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効果が得られるよう十分に検討すること。 カ 調査・検討支援などの委託については、区の主体性と責任の下、目
的・方向性を明確にするとともに、得られた結果を的確に施策へ反映
できるよう道筋を明らかにすること。 キ 区が支出する補助金、負担金及び分担金については、補助団体の活
動内容や補助目的等を再度点検し、十分に精査すること。 ク 指定管理者に対する経費については、これまでの実績や導入効果を
十分に点検し、より適正なものとなるよう精査すること。
(2) 政策的経費
各部局は、社会経済状況や行政ニーズの変化を的確に捉えた上で、政 策目標と施策の方向性などを明確にし、独自性・創造性のある事業の企 画・立案に努めるなど、新たな政策課題に積極的に取り組むこと。 ア 新規及び充実事業については、政策目標の達成に向け必要性・有益
性を十分に精査するとともに、既存事業のスクラップ・アンド・ビル ドを原則とすること。
また、事業構築に当たっては、適時性、費用対効果、全体計画と執 行体制、将来展望と後年度負担、さらには他の関連事業との整合性や 公平性など総合的に十分な検討を加えるとともに、あらかじめ成果目 標と事業の見直し年度を定め、当該設定年度に事業効果を測定の上、 事業存続の可否を厳しく判断すること。
なお、事業名等については、その目的・内容が区民に分かりやすく PR効果のある表現を工夫すること。
イ 投資的事業については、事業の必要性を十分に検証の上、コスト削 減に努めること。
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特に、施設整備については、次に掲げる事項を必ず検討・検証する こと。
(ア) 既存施設の有効利用やネットワーク化などによる施設のポテ ンシャル向上を優先し、新たな施設建設や用地取得を抑制する こと。
(イ) ランニングコスト等の後年度負担も含めた投資額に見合う区 民サービスの充実が図られるかなど、さまざまな視点で効果を 十分に検証すること。
(ウ) 将来的な施設ニーズの変化にも柔軟に対応し得る整備計画と すること。
(3) 経常的経費
既定事業については、今日の社会情勢や区民ニーズの変化を踏まえ、 区民生活に真に必要な事業か、実績面、有効性、公平性、効率性、代替 可能性など多面的な視点から事業本体及び執行体制について存廃を含め た根本的な見直しを行うとともに、経費のより一層の縮減に努めること。
3 歳入予算について
歳入については、財源を的確に把握し、さらなる収入確保を図るととも に、次に掲げる事項に努めること。
(1) 収納率の向上及び受益者負担の適正化
ア 特別区民税、国民健康保険等の保険料については、引き続き徴収努 力を行うとともに、これらの収入未済分については必要な措置を講じ、 収納率の向上と収入の確保を図ること。
イ 保育所入所者負担金等の各種負担金、住宅使用料等の各種使用料に ついても、収納率の向上と収入未済分の解消に向けた具体的な対策を 講ずるとともに、自主財源の確保及び受益者負担の適正化を図る観点
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から負担水準の見直しも含め検討すること。
(2) 補助制度の活用
国や東京都の補助・負担事業については、国等の平成29年度予算編 成の動向に細心の注意を払い、制度等の改正に時宜を失することなく対 応するとともに、国等の補助制度を積極的に活用すること。
(3) 区民施設について
区民施設については、利用者にとって「より使いやすく」「より魅力 ある施設」となるよう指定管理者等との連携・運営改善等を図り、設置 目的を踏まえた利用者・稼働率の増加と使用料の確保に努めること。
4 その他
事業執行上、地域及び関係団体等の協力を要するものは事前に十分な調 整を図るとともに、関係部局との連携に留意すること。
また、平成29年度に向けた税制改正や地方自治体向け補助金の見直し など、国や東京都などの動向には常に注意を払い、最新情報の収集に努め ること。
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