日経新聞経済教室において五百旗頭真氏が、防災復興庁の常設と首都以外へのもう一か所の設置を提案しています。
災害が起きてから設置よりも迅速な行動がとれるため、現実的な考えかたと感じます。
*******日経新聞2019.05.20 経済教室 抜粋**************
災害からの安全保障 常設の防災復興庁が不可欠
五百旗頭真・ひょうご震災記念21世紀研究機構理事長
おそらく列島の地震活動期は、全国各地に直下地震を起こし、南海トラフの巨大地震に行き着くまで終わらないだろう。首都圏、大阪、京都など大都市に地震が起きれば、想像を絶する悲惨となる。大災害が起きてから、どんな機関をつくるべきかなどと時間を費やすのを繰り返すべきではない。常設の防災復興庁を持ち、あらかじめ対処法を準備して、発災とともに直ちに動かねばならない。
災害の現場へ走る第一線部隊の自衛隊、警察、消防、海上保安庁、医療救援の災害派遣医療チーム(DMAT)、国土交通省の緊急災害対策派遣隊(テック・フォース)など、分権化された日本の機関は極めて優秀だ。だがそれらは総司令部を欠く個別部隊である。全部隊を投入しても足りない大災害で、全体対処をどう決めるのか、日ごろからの研究と準備が不可欠だ。
福島第1原発の3号機に注水する段階になり、現場指揮者が決まっておらず、官邸との間を行き来してようやく応急決定をした対応を繰り返すべきではない。
災害と復興の対策本部を率いて指揮をとるのは首相だが、専門的なスタッフ組織に支えられねば、効果的な対処は期し難い。世界銀行の報告書に言う日本列島の災害への対処ノウハウを体現する機関が必要だ。2~3年のローテーションで他省庁から回ってくるような寄り合い機関にとどまらず、高度な防災専門家が組み合わされねばならない。
人口、経済、政治機能の集中する首都東京は、地震の起きやすい地下構造をもつ。ここが被災すれば、当の東京の悲惨は言うに及ばず全国的打撃も計りしれない。防災復興庁は首都以外にもう1カ所の拠点をあらかじめ設置すべきだ。双方が連携して様々な重大災害への対処プランを練り、同時に被災地となりうる全国すべての自治体が日ごろから住民を守る備えの水準を高めるよう活動すべきだ。
災害が起きてから設置よりも迅速な行動がとれるため、現実的な考えかたと感じます。
*******日経新聞2019.05.20 経済教室 抜粋**************
災害からの安全保障 常設の防災復興庁が不可欠
五百旗頭真・ひょうご震災記念21世紀研究機構理事長
おそらく列島の地震活動期は、全国各地に直下地震を起こし、南海トラフの巨大地震に行き着くまで終わらないだろう。首都圏、大阪、京都など大都市に地震が起きれば、想像を絶する悲惨となる。大災害が起きてから、どんな機関をつくるべきかなどと時間を費やすのを繰り返すべきではない。常設の防災復興庁を持ち、あらかじめ対処法を準備して、発災とともに直ちに動かねばならない。
災害の現場へ走る第一線部隊の自衛隊、警察、消防、海上保安庁、医療救援の災害派遣医療チーム(DMAT)、国土交通省の緊急災害対策派遣隊(テック・フォース)など、分権化された日本の機関は極めて優秀だ。だがそれらは総司令部を欠く個別部隊である。全部隊を投入しても足りない大災害で、全体対処をどう決めるのか、日ごろからの研究と準備が不可欠だ。
福島第1原発の3号機に注水する段階になり、現場指揮者が決まっておらず、官邸との間を行き来してようやく応急決定をした対応を繰り返すべきではない。
災害と復興の対策本部を率いて指揮をとるのは首相だが、専門的なスタッフ組織に支えられねば、効果的な対処は期し難い。世界銀行の報告書に言う日本列島の災害への対処ノウハウを体現する機関が必要だ。2~3年のローテーションで他省庁から回ってくるような寄り合い機関にとどまらず、高度な防災専門家が組み合わされねばならない。
人口、経済、政治機能の集中する首都東京は、地震の起きやすい地下構造をもつ。ここが被災すれば、当の東京の悲惨は言うに及ばず全国的打撃も計りしれない。防災復興庁は首都以外にもう1カ所の拠点をあらかじめ設置すべきだ。双方が連携して様々な重大災害への対処プランを練り、同時に被災地となりうる全国すべての自治体が日ごろから住民を守る備えの水準を高めるよう活動すべきだ。