40歳に中央区議会議員にはじめて負託を受けた時から、12年間、疑問に思ってきたことのひとつが中央区のまちづくりのありかたへの疑問です。
まちづくりこそ、住民の皆様に直接影響が出るものであるにもかかわらず、住民参加が十分に保障されないまま中央区は、まちづくりを進めて来ました。
上記下線部分は、ややきつい記載の仕方をしてしまいましたが、
例えば、平成までの中央区のまちづくりは、各地域に「まちづくり協議会」というものがあり、象徴的な事例として挙げられます。
「まちづくり協議会」は、“公開”で行っていると中央区は主張します。
ただ、その開催の通知が、区報や区のホームページに掲載されて区民の皆様に事前にお知らせがなされていません。区民の皆様は、どうやって開催を知ればよいのでしょうか。公開であるというまちづくり協議会を傍聴できる機会は、十分に保障されているとは言えません。胸を張って、それを公開と本当に言えるだろうか?
開催がわからないから、まちづくり協議会の構成員であるまちの代表者に、まちづくりの希望を事前に伝えることもできず、より大切なまちづくりに参加する機会も十分に保障されているとは言えないと考えます。
一方、中央区の側では、中央区議会環境建設委員会などの場などで、各まちづくり関連議案に対するまちの声を聞いたことの根拠として「まちづくり協議会」に付議したことを持ち出してきます。
平成から令和へ、中央区も、“形式的”だけではなく、これからは、“実質的”にも住民主体のまちづくりを行っていきたいものです。
中央区だけの問題ではなく、日本各地で、まちづくりの裁量は、行政が幅広く持ち過ぎのように感じます。
裁量が大きいのを許すのであれば、それに対するチェック機能も早期から働くようにすべきではないだろうか。
例えば、都市計画決定の段階から、裁量の逸脱があまりにもひどい場合には、法的手続きが取れるようにすべきだと考えます。
たまたま、今日、ネットで『都市計画訴訟研究報告書』(H18年8月 財団法人都市計画協会 都市計画訴訟研究会)というものに出会いました。
「都市計画決定の段階から訴訟手続きにのせる必要があると考えられる」と結論が出されています。
参照:http://www.tokeikyou.or.jp/research/doc/repsoushou.pdf#search='%E9%83%BD%E5%B8%82%E8%A8%88%E7%94%BB%E8%A8%B4%E8%A8%9F%E7%A0%94%E7%A9%B6%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8'
今週5/29水曜日午後2時~、まさに、都市計画決定の段階で取消訴訟を認めるべきことにつき、意見書を提出し記者会見を行います。報告書の争点こそ、私たちの争点です。
詳細:https://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/03fcf8b216f7de73e1165874dc3a6e64
中央区含め日本のまちづくりが、少しでも前進することを願って。
ご注目いただけましたら幸いです。
*****抜粋 『都市計画訴訟研究報告書』 5頁******
都市計画決定等そのものを争訟手続にのせることとしたならば、次のような効果がある。
1点目としては、都市計画決定等に際しては、多数当事者の利害関係の調整を行った上で決定
されるが、結果的に都市計画決定等に反映されなかった主観的個別利益について、十分な意見表明
の機会とこれに対する行政側の配慮の機会を確保することが可能となる。その結果として、都市計
画の適正化を図ることが可能となる。
2点目としては、国民の権利利益を的確に救済する機会を設けることが可能となる。上記例1)
のような問題点については、不要な後行処分をつくり出す必要はなく、例2)についても、後行処
分より前の段階で争訟が開始される。また、例3)についても、モグラたたきのように訴訟を提訴
する必要もない。
3点目としては、新たな事後的争訟手続の導入を契機として、事前の住民参加手続も含めた早期
の段階において都市計画に係る関係者間の利害がより綿密に調整され、広汎な合意の成立によって
決定手続の効率的(手戻りのない)実施が可能となるとともに、これらの過程を通じて事後的争訟
自体も減少していくことが期待される。
4点目としては、上記3点により、住民の都市計画に対する満足度や信頼感が向上すると考えら
れる。
以上のような点から、都市計画決定等を処分とみなして争訟手続にのせる必要があると考えられ
る。
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