北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

組織拡大の取り組み~ガールスカウトの例

2012-12-01 23:45:03 | Weblog
 縁あって、日本ガールスカウト連盟の評議員をしているのだが、そういうこともあって今日はガールスカウト北海道連盟の研修会でミニ講演を行った。

 ガールスカウトを束ねるような役職に就いている方達の悩みは、なんといっても団員の減少である。

 最近は少子化に加えてボーイスカウトが女の子が入ることを認めたこともあって、女子だけによるガールスカウトは年々団員が減少している。

 2010年の、日本におけるガールスカウト90周年のときに4万人だった会員は年々減少を続け、このままの減少率で推移すれば2020年の100周年では1万4千人になってしまうという。

 会員はみな、ガールスカウトの活動に誇りを持ち、この活動が女性としての全人格の陶冶に計り知れない意義を感じている。

 従って、この喜びを少しでも多くの人と分かち合いたいと考えているのであり、団員の増加に努力したいと考えるのも当然である。





  ◆   ◆   ◆


 少しでも多くの人にガールスカウトの活動を知ってもらって参加してもらうにはどうしたらよいか。

 組織の拡大が難しいのは永遠の課題である。

 しかし敢えてその問題を分解して行けば、いくつかの段階が見えてくる。

 人がある活動に関わるには段階があるが、私の理解はそれは、「認知→認識→共感→参加→率先」という段階で現れる。

 認知とは、ある・ないが分かるだけのことだ。ブルーの制服を着た少女達が式典に登場しても女の子がいると思うだけのこと。

 認識の段階ではそれがガールスカウトだと気づくことになる。新聞記事などを読んでも自分が感心のある団体の話題だと目が向くようになるものだ。

 認識している人達を共感に持って行くのは難しい。詳しい活動やその成果をよく知り、活動に敬意を払ってもらうにはかなりの量の情報を受け入れてもらわなくてはならない。

 そのうえで、参加してくれるようになるためにはきっかけが必要だ。ただ黙っていて向こうから入りたいと行ってくるのは偶然の産物である。

 属人的な人間関係をフルに使って、まずは見に来てもらう、まずは一度で良いからイベントなどに参加してもらう。そうやって地道にまずは体験をしてもらうきっかけを大いに与えることが大切になる。


   ◆   


「なんといっても行動しかありません!」

 マクロ的には厳しい環境にあって、留萌では二年前に21人だった団員が昨年は27人に、そして今年は34人になった。

 単なる人口減少を言い訳にせず、リーダーやお世話をする人達の熱意と魅力があれば着いてくる人はそれなりにいる典型的な例と言えるだろう。

 さらに、そうやって参加するようになった人の中には、周囲を見渡して「やはり自分がやるしかないか」という覚悟を決める人が出てくる。

 あるいは「あなたがやるしかないわよ」と言われてしぶしぶかもしれないが、いずれにしてもリーダーや会の役を仰せつかるようになる人が出てくるが、それはもう神の啓示としか言いようがないと思う。

 そういう運命にある人はいるもので「率先」の段階に来たと言える。


   ◆   

  
 このように、新しいことに触れあうにはステージがあるのだが、私自身、この一年半の間にフライフィッシングでこれと同じ過程を経た今がある。

 過去には全く興味のなかったフライフィッシングだったが、誘われてどうしても行かざるを得なかったたった一回の釣りが、その楽しさと魅力を感じ、連れて行ってもらうたびにいろいろなことを教えられた。

 今では時間さえあれば行きたいアクティビティになっているし、自分でもフライを巻くようになり、「なぜ釣りをしないのか?」と人を誘うようにもなっている自分は、フライフィッシングに関してはもう完全に率先の段階に立っていると言えるだろう。


   ◆   


 人はちょっとしたきっかけさえあれば、今まで知らなかった魅力ある世界を知ることがあり、その世界へ飛び込んでくる人が必ずいるはずだ。

 そうした人達に幸せを与えるためにも、ネットやチラシなど広報宣伝は欠かせないし、人的ネットワークによる誘いという行動はやはり効果的だろう。

 今日の研修では、参加者が自分たち自らが感じるガールスカウトの魅力を再確認しながら、子供達に参加を呼びかけるチラシ作りに知恵を絞った。

 背筋が伸びて凛とした女性像を形成する上で、ガールスカウトのような集団行動は極めて効果的な活動だ。

 これからも外部の人間として共感しながら見守って行きたいと思う。 
 
コメント
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