先週はガールスカウト北海道連盟での研修でミニ講演を開いたが、今日は東京で開催された公益社団法人ガールスカウト日本連盟の評議員会に出席。
こうした団体の事業チェックには理事会もあるが、それとは別に外部の人達からなる評議員会というのがあって、様々な意見や提言が行われる。
縁あって、このガールスカウト連盟の評議員に推薦されて出席させて頂いているが、いろいろな立場の人達の意見を聞けるのは脳が新鮮になる。
◆ ◆ ◆
事務局から今年度事業や予算などの説明を受けたが、ここでも課題なのは会員の減少と組織の活性化だ。
なにしろ会員は最大時に約10万人いたのが、平成22年に約4万人に減りそこからは23、24年と毎年3千人ずつ会員が減少している。
今年度の会員数が3万4千人ということは、このままではあと10年で会員がゼロになるかもしれないという急激な減少傾向なのだ。
各委員に対しては、「ガールスカウトの良いところ」を確認した上で、「今後の対策」について意見を求められた。
各委員からはガールスカウトの良い点として、「女性としての全人格の陶冶」、「異年齢集団での活動」、「自然の中での体験」、「自立性、社会性、国際性そしてリーダーシップを備えた女性の育成」などが挙げられた。
ボーイスカウトは女性の参加を認めて男女が一緒に活動をするようになったが、その結果としてリーダーには男子がついたり、重労働を男子が中心に行うような傾向がみられるという。
互いのためによかれと思っても、結局そこで女性がリーダーシップを発揮したり重労働でも敢えて行うというような機会が損なわれてしまう。
◆
男性のリーダーと女性のリーダーの姿にも微妙な違いがありそうだが、
それが女性だけの教育を行う意味であり、今日なお女子校や女子大が存在する意味なのだ。
年代別の育成活動は上位のクラスにおける「憧れのリーダーたるお姉さん」像を示すことが出来る。
(あんな素敵なお姉さんになりたい)という上位級への憧れの刺激を与えるためには質の高いホンモノの姿を見せることが必要だ。
◆ ◆
あるガールスカウト出身の女性の方は、「世の中には様々な教育の機会がありますが、ガールスカウト出身者は『何らかのトレーニングを受けている育っている』と見られ、ガールスカウトだというと、『ああやっぱりね』と言われるのです。私たちは、『そんじょそこらの団体とは違うのよ!』と思っています(笑)」と語ったが、まさにその通りだと思う。
◆ ◆ ◆
そのうえでの改善への提言も数多く打ち出された。
資金面での充実を図るためには、企業CSR(社会貢献)活動との連携が提案された。
企業は社会貢献しているかどうかが世間の評価に繋がると共に、特に女性を購買層とする衣料系のメーカーや化粧品などは、将来のファンを育成するチャンスでもある。
島根県では某ショッピングセンターが「ガールスカウトと遊ぼう」という企画を建物内で年三回開催する申し出があったという。
CSRの対象事業のなかでも、「次世代育成」は特にプライオリティの高い項目なので可能性は高いと言え、大いに取り組みを強化してみて頂きたい。
【目標は正しく設定しよう】
◆
また、地域に対して顔の見える連携というのもこれからは大切だろう。
ともするとクローズドな集団という印象が強いのだが、各種団体への積極的なアプローチで協力出来る集団だ、というくらいのある種の営業があってもよい。
ある地域のコミュニティスクールでは、自分たちの活動スケジュールが掲載されたコミュニティカレンダーを作って地域に配ることで、イベント情報の共有ができたという。
こうした地道な活動で地域に顔の見えるような活動を展開して欲しい。
◆ ◆ ◆
しかし、である。
そうは言ってもなかなか会員数の減少に歯止めがかからない現実はなんとかしなくてはならない。
実際子供たちには自由になる時間が少ない。あくまでも自主活動であることの限界なのだが、学校教育から言われてやると言うことに対しては、「それは避けたい」という異論が出た。
ユネスコは、教育を学校教育のフォーマル教育、塾などのインフォーマル教育、そして学校外のノンフォーマル教育という三種類に定義しており、ガールスカウトはノンフォーマル教育の最たるものだ。
ノンフォーマル教育としての矜持を忘れるべきではない、という。
◆ ◆ ◆
さて会員の減少だが、会員には二種類いる。既存会員と新規会員だ。
既存会員に対しては辞めて団を離れることを止めるような対策と魅力の提供が必要だ。
また新規会員に対しては様々な活動に接してもらう機会を増やしたいし、単にパンフレットを配るような大人しい勧誘ではなく、この先にこれからの女子の幸せがあって、その縁が結べるかどうかと言う強い気持ちで引っ張り込むような積極性が必要だと思う。
人口減少の下で様々な組織が存亡の危機を迎えている。
しかし明らかに素晴らしい活動をしている組織として、この活動を支えて行くことは社会的効用を高めると信じている。
女性がリーダーとして様々な活動の中で活躍をする社会を目指して、ガールスカウトをこれからも応援して行きたい。
※ ※ ※ ※
ところで、会議の最中に航空会社からメールが入って、なんと最終の釧路行きの便が釧路空港雪のため欠航とのこと。
他社への乗り換えもできず、東京でのもう一泊を余儀なくされてしまった。
幸い明日の朝一番の飛行機は押さえられたが大丈夫だろうか。
新千歳でも欠航便が相次いでいるようだが、皆さん気をつけてください。
こうした団体の事業チェックには理事会もあるが、それとは別に外部の人達からなる評議員会というのがあって、様々な意見や提言が行われる。
縁あって、このガールスカウト連盟の評議員に推薦されて出席させて頂いているが、いろいろな立場の人達の意見を聞けるのは脳が新鮮になる。
◆ ◆ ◆
事務局から今年度事業や予算などの説明を受けたが、ここでも課題なのは会員の減少と組織の活性化だ。
なにしろ会員は最大時に約10万人いたのが、平成22年に約4万人に減りそこからは23、24年と毎年3千人ずつ会員が減少している。
今年度の会員数が3万4千人ということは、このままではあと10年で会員がゼロになるかもしれないという急激な減少傾向なのだ。
各委員に対しては、「ガールスカウトの良いところ」を確認した上で、「今後の対策」について意見を求められた。
各委員からはガールスカウトの良い点として、「女性としての全人格の陶冶」、「異年齢集団での活動」、「自然の中での体験」、「自立性、社会性、国際性そしてリーダーシップを備えた女性の育成」などが挙げられた。
ボーイスカウトは女性の参加を認めて男女が一緒に活動をするようになったが、その結果としてリーダーには男子がついたり、重労働を男子が中心に行うような傾向がみられるという。
互いのためによかれと思っても、結局そこで女性がリーダーシップを発揮したり重労働でも敢えて行うというような機会が損なわれてしまう。
◆
男性のリーダーと女性のリーダーの姿にも微妙な違いがありそうだが、
それが女性だけの教育を行う意味であり、今日なお女子校や女子大が存在する意味なのだ。
年代別の育成活動は上位のクラスにおける「憧れのリーダーたるお姉さん」像を示すことが出来る。
(あんな素敵なお姉さんになりたい)という上位級への憧れの刺激を与えるためには質の高いホンモノの姿を見せることが必要だ。
◆ ◆
あるガールスカウト出身の女性の方は、「世の中には様々な教育の機会がありますが、ガールスカウト出身者は『何らかのトレーニングを受けている育っている』と見られ、ガールスカウトだというと、『ああやっぱりね』と言われるのです。私たちは、『そんじょそこらの団体とは違うのよ!』と思っています(笑)」と語ったが、まさにその通りだと思う。
◆ ◆ ◆
そのうえでの改善への提言も数多く打ち出された。
資金面での充実を図るためには、企業CSR(社会貢献)活動との連携が提案された。
企業は社会貢献しているかどうかが世間の評価に繋がると共に、特に女性を購買層とする衣料系のメーカーや化粧品などは、将来のファンを育成するチャンスでもある。
島根県では某ショッピングセンターが「ガールスカウトと遊ぼう」という企画を建物内で年三回開催する申し出があったという。
CSRの対象事業のなかでも、「次世代育成」は特にプライオリティの高い項目なので可能性は高いと言え、大いに取り組みを強化してみて頂きたい。
【目標は正しく設定しよう】
◆
また、地域に対して顔の見える連携というのもこれからは大切だろう。
ともするとクローズドな集団という印象が強いのだが、各種団体への積極的なアプローチで協力出来る集団だ、というくらいのある種の営業があってもよい。
ある地域のコミュニティスクールでは、自分たちの活動スケジュールが掲載されたコミュニティカレンダーを作って地域に配ることで、イベント情報の共有ができたという。
こうした地道な活動で地域に顔の見えるような活動を展開して欲しい。
◆ ◆ ◆
しかし、である。
そうは言ってもなかなか会員数の減少に歯止めがかからない現実はなんとかしなくてはならない。
実際子供たちには自由になる時間が少ない。あくまでも自主活動であることの限界なのだが、学校教育から言われてやると言うことに対しては、「それは避けたい」という異論が出た。
ユネスコは、教育を学校教育のフォーマル教育、塾などのインフォーマル教育、そして学校外のノンフォーマル教育という三種類に定義しており、ガールスカウトはノンフォーマル教育の最たるものだ。
ノンフォーマル教育としての矜持を忘れるべきではない、という。
◆ ◆ ◆
さて会員の減少だが、会員には二種類いる。既存会員と新規会員だ。
既存会員に対しては辞めて団を離れることを止めるような対策と魅力の提供が必要だ。
また新規会員に対しては様々な活動に接してもらう機会を増やしたいし、単にパンフレットを配るような大人しい勧誘ではなく、この先にこれからの女子の幸せがあって、その縁が結べるかどうかと言う強い気持ちで引っ張り込むような積極性が必要だと思う。
人口減少の下で様々な組織が存亡の危機を迎えている。
しかし明らかに素晴らしい活動をしている組織として、この活動を支えて行くことは社会的効用を高めると信じている。
女性がリーダーとして様々な活動の中で活躍をする社会を目指して、ガールスカウトをこれからも応援して行きたい。
※ ※ ※ ※
ところで、会議の最中に航空会社からメールが入って、なんと最終の釧路行きの便が釧路空港雪のため欠航とのこと。
他社への乗り換えもできず、東京でのもう一泊を余儀なくされてしまった。
幸い明日の朝一番の飛行機は押さえられたが大丈夫だろうか。
新千歳でも欠航便が相次いでいるようだが、皆さん気をつけてください。