北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

子供たち全員の父親のつもりで~おやじの会の総会

2014-04-19 23:41:34 | Weblog

 地域の中学校の父親たちによる「おやじの会」の総会が開かれました。

 設立してから15年が経過し、今年は16年目に突入しました。私の娘二人もこの中学校にお世話になりその後の世界に飛び込んでいきました。

 もちろんもう中学校に自分の子供たちはいませんが、この会の良いところはOB会員の参加を認めていることです。

 学校と地域の結びつきにはPTAがありますが、ともするとPTAは母親の会になりがちなことと、PTAに参加した親たちは子供が学校を卒業すると縛られたものから解放されたように学校とは縁が切れてしまいます。

 それがこの「おやじの会」は、OBが参加できることでいつまでも地域に残る仲の良い親父たちと会うことができますし、そのネットワークが力強く残っています。

 OBは、会費を現役の父親と同じだけ払い、あとは「会長にはならない」という不文律がある。それは、長老が"やめる"と言わない限りいつまでも牛耳を取るようなことがないように、という配慮です。会は常に新鮮な考えと現役の責任のもとに運営されるべきです。

 そしてそれをOBはうるさくならない程度に主催事業に参加することなど、適度な距離感でサポートするという不文律も生きています。まあ、みんなお互いにここで会えることが楽しみなのです。


     ◆   


 今日は16年前にこの会が設立されるきっかけになった、「父親の会を作りませんか」と言い出した言いだしっぺのOB会員であるMさんも来ていました。

 挨拶の時に、Mさんから当時この会をつくることになったエピソードの紹介がありました。

「まさにいまこの総会をしているこの公民館の部屋で、父親参加のバレーボールイベントの打ち上げの時に、母親の皆さんから『父親はなにもしないもんね、何をやってるの?』と言われたんです。そこで当時の中学校のO先生に相談をしたところ、『じゃあやりましょう』という話になり今日に至ったというわけです」

 その呼びかけに十数人の父親が呼応して手を挙げ、会の規約を作り事業を行って今日に至っています。

 
 今になって教育の世界では「地域と連携するように」という指導を学校に対して行っていますが、学校の側にはそんなノウハウもなく、PTA以上の連携は難しいのが現状です。

 ところがこの地域では既に15年前に地域の側から「父親が会を作って学校にコミットしたい」と申し入れして、学校から言われる前からその一つの形を作り上げてきたのです。


     ◆  


 設立当時は学校側も何が起こるのかと恐る恐る対応している様子でしたが、「この会は教育的中立を守る」という附則までつけて、さまざまに異なる教育をめぐる葛藤や争いには加わらないという宣言をし、あくまでも学校に父親がコミットする団体が存在するということを大切にしています。

 事業は、環境整備やスポーツクラブの子供たちと試合をする「親子スポーツ対決」などで、実際の勝負を通じて子供たちの成長を実感するなどが主体。

 事業を行うたびに写真と感想文を参加した親と子供からもらいうけ、一枚の事業報告を作りますが、そんなこともネットで渡してもらえばホイホイと作るノウハウが確立しています。

 そして、これらの団体事業を紹介するために年に一度、「柏葉」という会報をつくり、後に続こうという人たちへの参考になるような記録づくりも継続中。

 転勤や子供の卒業で会を離れてゆく人もいますが、毎年新規会員も加わって、毎年50人弱の会員数を維持しています。

 これはもう、中学校の会ではなく、中学校を媒介とした地域の父親の会で、一つのモデル的な形と言えるでしょう。


     ◆   


 写真にはありませんが、総会の後の懇親会はお酒の力は借りますが賑やかにもちこんだお酒をふんだんに飲み明かして盛り上がりました。

 今年来られた新しい校長先生は若くて、ついに私よりも年下の方になりました。

 豊かな感性で札幌市内で一、二を争うマンモス校をマネジメントしていただきたいと思います。

 父親たちは適切な距離感で生徒たち全員の父親のつもりで見守ってくれることでしょう。
 

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