北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

北大の花畑の手入れをいたしましょう

2014-04-26 23:45:37 | Weblog

 今日は北大農場での圃場整備ボランティア。

 私が卒業した北大農学部の花卉(かき)・造園教室では、北大農学部の周辺に演習のための圃場をもっています。

 圃場は何カ所もあって、かのポプラ並木のすぐ横にも花木園がありました。

 学生時代はここで花を育てたり庭木を移植してみたりとお世話になった場所。当時は圃場を管理する現業のおじさんたちが雇用されていたのですが、時代の流れとともにそうした人たちがいなくなり、圃場は荒廃してゆきました。

 かつてはユリの交配やチューリップの研究などが行われた由緒正しい北大農学部の農場です。

 それが9年前に、「このままじゃいかん」というOBが奮起して、この場所を再整備するボランティア作業を始めました。

 そのときの教師と学生さん、そしてOBの混成部隊で花木園の手入れを始めたのですが、今日は雪解け後で今年最初の作業日。作業の指導は、教室のOBにして北海道の園芸会をリードする笠康三郎先輩です。

 笠さんは学生時代からこの圃場の管理も熱心に行っており、ここに咲いている植物で知らないものはない、という博覧強記。この方にタダで植物について教えてもらえるのですから幸せです。


    ◆   


 今日は今年第一回目と言うことで、落ち葉掻きや雪で潰れた生け垣の手入れ、そして高木の枝打ちなどを行いました。

 芝生には、小さな青い花が一面に咲いていて絨毯のようでとても綺麗です。一見形の崩れたヒアシンスの様ですが違うようにも見えて、さっそく笠さんに訊いてみました。

 すると、「これはチヨノドクサって言うんですよ。僕が学生の時に隅っこの花壇に一塊を植えてその後は全くいじっていなかったんだけど、蟻がタネを運んだのか、一面にひろがっちゃいましたね(笑)」とのこと。

 "チヨノドクサ"なんて"千代喉草"とか"千代の毒草"と書くような和名のような印象ですが、その名は実はギリシア語のチオン(chion:雪)とドクサ(doxa:輝き)の合わさった学名Chiondoxaそのもののことなんだそう。

 雪解けの頃に真っ先に咲く美しい姿からその名がつけられたそうで、いわゆるカタクリやエゾエンゴサクと同じようなスプリング・エフェメラルと呼ばれる春植物の一つ。

 これらは春一番に花を咲かせすぐに実をつけて春が終わるともう葉っぱだけになって地下茎に栄養を貯めることに専念する性質の植物なのです。

 脇を通る観光客からも、「すみませーん、この青い花はなんて言うんですか?」と質問が飛んできて、そのたびに「チヨノドクサって言うんですよ」と答えてあげるのですが、何人にも訊かれるとちょっと大変です。

 
 圃場の一角には背丈より少し低いくらいのカツラの生け垣があるのですが、そのわきにはひときわ大きい10メートルくらいのカツラの大木もあります。

 笠さんによると、「昔は生け垣しかなかったんだけど、いつしか一本だけ生け垣として管理しなくなったみたいで、先祖返りをして大木になっちゃったんですね」だそうで、植物の生命力をまざまざと見せつけられた思いです。


 久しぶりに昔お世話になった先輩たちにも会えつつ、これからの若い学生さんたちとも話ができました。

 これからの時代を支える学生さんたちに我々の知識や経験を少しでも伝えられた良いですね。

 今日の札幌はとても暑かったのですが、良い汗をかけました。



【ポプラ並木は80m先まで入れます】  

コメント
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