北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

読んだ本の中身が口からすらすら言えるようになる方法について

2014-04-17 23:45:05 | Weblog

 長年いろいろな本を読んできましたが、これらは自分の中でどう生きているのだろうか、と考えることがあります。

 私は本を読む時に、感心したり感動したところに赤や青のボールペンで線を引いたりそのページの端を折り返すなどのしるしをつけたりして、少しでも記憶を鮮明にしようと期待しているのですが、後からその本の表紙を見ただけでは、中身や書かれているフレーズを思い出すことができないからです。

 本を読んだ時はその感想やレビューを書いてもいるのですが、それでもだめです。

 もしかしたら、「漢字を書けないけれど読める」というようなもののように、記憶のインデックスには入っているのだけれど、それをヒント無しで頭の引き出しから引っ張り出すのは難しいのです。


      ◆  
   


 ところが、「この本にはこういうことが書いてあります」としっかりと述べることができるようになる極めて有効な方法があります。

 たとえば、私は「中国の古典の『大学』という本の要諦は、"修身斉家治国平天下"ということです」などと口に出して説明することが出来ます。

 それは、【その本を引用や内容説明のセリフをネタにしている】から。つまりその本と中にある一節をそのままセットにして覚えてしまえば良いのです。

 すると、聞いた人はまるで私が今思い出したかのように感じるかも知れませんが、実はこちらは何度も口にしたことを喋っているだけということ。

 つまり、突然思い出すことは出来ないけれど、本を読んだり思い出したりした時に、短いフレーズで話せるようにして覚えておけば言えるようになるのです。

「なんだ、当たり前じゃないか」と思うかも知れませんが、これは頭の中だけでは何度考えたってできないことで、実際に話すという訓練が必要なことなのです。

 飲み会のネタでも、プレゼンでも、自分なりのフレーズを頭の中の引き出しとしていくつ持っているかということは、豊富な会話力に繋がりますし、ビジネスの場面でも大いに有効です。

 『大事なことは何度も口にして外に向かって出してみる』ということです。


      ◆    


 このことをもう少し一般化して敷衍すると、「入れるだけじゃダメ、外に出してみよう」と言えるのだと思います。

 いくら良い本をたくさん読んだって、読むだけじゃダメ。すなわち「体内に取り入れるだけではだめ」で、そこから得たフレーズや感動や感想を文字にしたり口にして外に向かって出すことで初めて自分の血となり肉となる。そのために出す。出すからこそもっと入れることが必要になるのです。


 人間死ぬ時は「息を引き取る」と言い、その人が生き返るのを「息を吹き返す」と言います。

 人間、吸い込んだ呼吸がはき出せなかったらそれが死ぬと言うことで、吸い込んだものをはき出せたならそのときは生きているということ。昔の人はよく見ているものだと感心してしまいます。

 考えてみれば、知恵や良いアイディアも、全てはその人の脳から生み出されて外に発せられた情報なのですから、思いついたアイディアはどんどん外に発信、それも口に出して言えるようにした方が良いですね。

 さあたくさん自分なりのフレーズを作って脳の引き出しに入れておきましょう。

 そうしたら、きっとこれまで読んだ本ももっと生きてくると思いますよ。

  

コメント
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