先日職場で使っていたカラーコピー機が突然動かなくなりました。
3枚印刷のところを2枚まで印刷して残り1枚でのトラブル。懐かしいけれどマーフィーの法則を思い出しました。
故障の原因は何かとモニターパネルを見ると、「ベルトユニットを交換してください」という文字が浮かび上がっています。
ネットでこの機器のマニュアルを見てみると、一定の枚数を印刷すると所定の印刷品質・動作確保および商品の故障防止のため、ベルトユニットを交換しないとそれ以降の印刷動作ができなくなるというわけ。
メンテナンスの会社に連絡をして数時間後に機器は元に戻りました。
印刷の品質が落ちたり突然印刷ができなくなることを防ぐための措置なのでしょうが、自動車には年数ごとに行われる車検があります。
時期で決められた点検ならばいつ使えなくなるかが分かりやすいですが、使用枚数で言われるといつ使えなくなるかがつかめません。
しかしこうして一定量を使用した段階で部品を必ず交換できるようにしておけば、突然の故障の度合いはかなり減るでしょう。
除雪機械の場合などは、使用中に壊れると部品が大きく破損し、部品の取り寄せや、古い機械になると部品を作るところから始めるために修理に数カ月もかかることがあります。
コピー機のように、一定量を使うと必ず部品を交換すると決められると故障は少なくなるだろうな、と思いつつも、使われている部品の数も大変多いために、そのたびに交換する手間は大変だろうし、その一方で、まだ使える部品を捨ててしまうという非効率性も問題になります。
効率性と使用安定性はなかなか両立しないトレードオフの関係にあるので、その絶妙のバランスが難しいところです。
◆
さて、これからはこうした故障の将来予測をビッグデータでできないか、ということが話題になっています。
機械の状態やメンテナンス記録、交換した部品、不具合の様子などを克明に記録して大量のデータ化することで、こういう症状が出てきたら、1か月後にどこが壊れるというような、微細な使用状況の変化と大規模故障との因果関係を探ろうというのです。
そのためには膨大なデータを集め続けなくてはならず、その手間が大変なことが欠点なのですが、データを自動で集めてくれるセンサーが開発されるかもしれないし、ITによる社会の進化はまだまだ続きます。
効率的な社会と安定性や安全はどのようにバランスを取るか、模索が続いています。