北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

ちぎっては投げ、ちぎっては投げ

2014-06-03 22:17:32 | Weblog

 職場での環境対策というと、電力などの省エネに努めるとかコピーに再生紙を使うとかくらいしか思いつかないのですが、実はシュレッダーでも環境対策は可能なんだとか。

 シュレッダーとは秘密にしたい内容の紙書類を細かく裁断して処理する機械で、これにかけてしまえば裁断されたゴミを集めても再現することはまず不可能。秘密はこれで処理するのです。

 私はこうやって処理した紙ゴミはまた溶かせば再生できるのだと思っていたのですがどうやらそうではなく、裁断してしまうと紙の繊維を断ちきるので溶かしても長い繊維がつくれず弱い紙にしかならないのだそう。

 そのためシュレッダーのゴミはもう焼却処分するしかない、というのが一般の常識。

 今日読んだ日刊工業新聞に環境製品として、富士ゼロックス社の「トラストエコ」というシュレッダーが紹介されていました。

 これは処理したい紙をカッターで裁断するのではなく、不定形・不規則な形でチップ状に引きちぎるという処理をする製品。

 紙をちぎるともわもわした繊維が見えますが、この繊維の長さを保てば溶かして再利用する時にも強い紙として利細工することが可能なのです。

 さらに復元を困難にするためにちぎられた紙片は攪拌されかき混ぜられるようになっており、最後にかきまぜられた紙片は圧縮されてコンパクトにまとめられるようになっています。

 従来の裁断された紙片ではどうしてもボリュームが膨らんでしまい、コンパクトな処理が難しかったのが、引きちぎられた紙ならばそうした処理も可能になるのだそう。

 秘密を守りたいという仕事のニーズに環境対策という新しいニーズが加わった時に企業として何が出来るかを真剣に考え、製品として世に送り出すことで社会貢献を果たす。

 まさに企業が社会貢献するのはこういう形なのだと感心しました。


 実はこの商品はもう10年も前から売り出されているのですが、まだまだ世間には、「シュレッダーゴミは燃やすしかない」と思い込んでいる向きが多いようです。

 案外、思い込みで進歩のない環境対策をあまり考えずに続けているなんてことはないでしょうか。

 時代は変化しています。ニーズを製品として捉える企業活動は応援したくなりますね。

     ◆   

 あと昔の落語の一節で、
「その辺の岩をちぎっては投げ、ちぎっては投げ…」
「おいおい、岩ってのはちぎって投げられるものじゃないだろう」
「それが出来たてで柔らかかったらしくて…」というのを思い出しました。
 
 紙だったら「いらない紙をちぎっては投げ、ちぎっては投げ」ができますね(笑)。
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする