北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

55歳からのハローライフ~NHK土曜ドラマ

2014-06-18 23:45:29 | Weblog

 先週の土曜日夜9時からからNHKで「55歳のハローライフ」というドラマシリーズが始まりました。

 一話完結のドラマで、全部で5話のシリーズ。第一話「キャンピングカー」の主演はリリー・フランキーさんです。

 一話目のあらすじは、58歳で早期退職した主人公富裕太郎(リリー)は、早期退職で得た割増退職金でキャンピングカーを買い、妻と一緒に日本一周をするつもり。

 キャンピングカーの手付も払ったところで娘と息子と妻にその話をすると、仲間もいて絵を描くことにはまり込んでいる妻は「私は忙しくてつきあえない」と拒否されてしまいます。

 経済的には困らないという読みで旅行三昧の日々を描いていた彼の夢は砕かれ、やむなく再就職をしようとしますが、若い採用担当者に馬鹿にされいたたまれなくなります。

 この辺りから映像では夢と現実の区別がつかなくなり、どこが夢でどこが幻なのかがあいまいに。

 キャンピングカーでの旅先で出会った若者は実は…。

 
    ◆  


 55歳と言うタイトルとキャンピングカーに惹かれて観てみましたが、とても身につまされて切なくなりました。

 前向きな生き方だと思った早期退職の結果は空回りで、いざ大企業の勤め人という身分を失ってみると、個としての自分は誰からも必要とされていなかった、それも妻にさえも。

 なるほど、これは明日の自分なのかもしれないという怖さがじわじわと伝わってきます。

 
 原作の村上龍さんは、このドラマに対するメッセージとして、「主人公たちは、人生の折り返し点を過ぎて、何とか再出発を果たそうとする中高年である。体力も弱って来て、経済的にも万全ではなく、そして折に触れて老いを意識せざるを得ない。そういった人々は、この生きづらい時代をどうやってサバイバルすればいいのか?その問いが作品の核だった」という文を寄せています。

 老いることへの恐れをテーマに据えつつ、映像美と切なさ、それに役者の上手さが伝わる重厚なドラマに仕上がっています。

 来週以降も楽しみです。同世代にはお勧めしたいドラマだと思います。


【55歳からのハローライフ】 http://www.nhk.or.jp/dodra/hellolife/

コメント (1)
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