幌延町でチーズパーティに参加し、地元の人たちと語っていると、サロベツ原野のエゾカンゾウががとても綺麗だから是非行ってみてください、という話になりました。
そういえば、この時期にサロベツ湿原を訪ねたことはないと気がつき、快晴の日曜日はサロベツ原野経由でドライブです。
豊富にある湿原センターは、単眼鏡やカメラを持ち歩く中年の団体で結構な混雑。
職員の方に、エゾカンゾウのポイントを尋ねると、「今の湿原内は真っ盛りで、木道を歩いて行くとどこでも見られます。もう少しするとワタスゲなどで風景が白っぽくなります」とのこと。
木道を歩き始めて湿原の中に入ると、すぐにまぶしい黄色のエゾカンゾウの群落が出迎えてくれました。
エゾカンゾウは、ユリ科の中でもヘメロカリス属という分類で花は咲いたら一日でしぼんでしまいます。そして次の花がまた翌日に咲く、ということを繰り返して、大体十日間くらいが花のピーク。本州ではニッコウキスゲと呼ばれる花と同じなのだとか。
【枯れた花の後には次のつぼみが準備をしています】
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【水平線まで黄色い花が広がっています】
湿原めぐりは木道の突端まで来ると、自分が見渡す限りのエゾカンゾウの大群落の中にいることがわかります。今日はまさに一年の中でも最もピークの一日だったのです。
今までこの風景を知らないままに、"サロベツ原野"なんて呼んでいたのが恥ずかしくなりました。
ここは"サロベツ原生花園"です。この花を見たことがない人は"原野"と呼び、一度でも見た人は"原生花園"と呼ぶことでしょう。
誰が植えたわけでもないのに同じ花がどこまでも続くさまとそしてその奥にはくっきりと利尻富士が雄姿を見せてくれていて、まさに北海道を代表する風景の一つです。
豊富町を訪ねる気になったのも、何気ない会話の中からここへ来るべきと教えられたのもご縁だったのでしょう。
前回秋口に来たときはこの美しさを知らないままに行き過ぎてしまいました。
今しか見られないこの雄大さと素晴らしさを多くの人に伝えたいものですね。