北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

高専ロボコン北海道地区大会in釧路

2012-10-21 23:45:18 | Weblog
 全国高専ロボットコンテスト2012の北海道地区大会が釧路の国際交流センターで開かれた。

 道内には釧路の外、旭川、苫小牧、函館と全部で四つの高専がありますが、この四つの都市で毎年持ち回りで開催されるこの大会、オリンピックのある年は釧路の番だ。

 試合は各高専からA、Bの2チーム出場で、8チームによるトーナメント形式だが、一発勝負なので会場には緊張感がある。


 【挨拶は釧路高専岸校長先生】


    ※     ※     ※     ※     ※


 今年の競技課題は『ベスト・ペット』とのことで、勝負は壁に用意された3×3の9つの穴にボールを拾って入れるというもの。


 【これが今回のゴールだ】


 1個1点だが、ボールの中にはレインボーボールがあって、これを壁の穴のレインボーゴールにいれると4点というボーナスがもらえる。

 そして今年の大会最大の目玉は、今回はロボットを操作するのにコントローラーを使わないことだ。

 コントローラーを使わずにロボットを動かすためにはロボットに何らかのセンサーをつけて、ロボットの近くで人間がなんらかの合図を発して操作しなくてはならない。

 そのあたりのロボット操作と、9つの穴にボールを入れる装置には各チームの工夫があって、そこでいろいろな戦略をもったロボットが登場する余地がある。

 手をかざすと反応するセンサーや、バーコードを見せる、高い音の笛の音を聞かせるなど、実に多様なアイディアが満載で、これぞまさにアイディア対決だ。

 ボールはロボットの伴走者が拾ってロボットに持たせることができるが、ボールをもらった時にはペットらしい可愛げのある反応をすることも要求されていて、このあたりは遊びの要素も十分にある。
 
 試合は三分一本勝負で、同点の場合は審査員の旗判定というルールだが、実際に始まってみると、昨日まで動いていたロボットが無情にも故障して動かないというアクシデントが続出だった。


 【釧路のマリタン号もトラブルに見舞われて敗退、残念】


 あまりに練習をしすぎたためにチェーンのテンションをかけていたネジがこのタイミングで緩むなど、考えもしないトラブルが起きるので一発勝負は恐ろしい。

 しかしこれも将来宇宙など壊れても直しに行けないような場所で活躍するロボットなどを考えるときの留意点なのだろう。

 全てはモノづくりに繋がっている。


    ※     ※     ※     ※     ※


 さて勝負の方だが、これは旭川高専Aチームの「九尾」という名のロボットが他を圧倒した。

 このロボットは、同伴者が玉を拾うときに既にレインボーボールをレインボーゴールの場所にセットし、九本の強力な風圧で伸びる釣竿によってゴールへ実に正確にボールを送り込む。

 他のロボットが、打ちだしたり放り投げるようにして正確さを欠くのに対して、ロボットを正確に打ち出す位置にさえ置くことができれば、ゴールのサイズどおりにセットされた竿が完璧にボールを送り込むのだ。




 【まさに瞬殺だ】


 試合時間が3分間あるのに、九尾は全ゴールに完璧にボールを放り込むのにわずか40秒から50秒しかかからない。

 何しろ低重心で安定していながら移動が速く、練習では最速で32秒でフィニッシュまで持ち込んだことがあるそうだ。全国でも極めて有望なロボットであることは間違いない。全国レベルと言って間違いないだろう。


 【実に早く正確だ】



 【試合開始からわずか6秒でここまで移動できる】

 
 さて、今日の試合の結果、全国大会への出場は優勝した旭川高専Aチームの「九尾」とともに、審査員推薦で函館高専Aチームの「すとらイカー'S」が選ばれた。

 今日の試合の模様は11月23日にNHKで放映され、また全国大会は11月25日に東京の両国国技館で開催されるそうだ。

 旭川高専はかつて全国制覇を2度行っている強豪だ。

 出場両チームの全国大会での検討を大いに期待したい。 
 
 
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トランポリンに見るリスクテイクのインセンティブ

2012-10-20 23:52:37 | Weblog
 第34回全道トランポリン競技選手権大会が釧路の湿原の風アリーナで今日と明日開催されます。

 トランポリンは1930年代に今の形に近くなり、日本に導入されたのは1959年とのことで、ちょうど私が生まれた頃のお話。この大会も34回を数えて、今や伝統ある大会となりました。



    ※     ※     ※     ※     ※




 トランポリン競技の点数は、演技難度と美しさ、それに高さの三つの要素で採点されます。

 今回の大会は、この点数の高い順にクラスをAからCの三つに分けて、年齢制限なく参加できる方式を取っています。

 だから、クラスCに小学生のちびっこと大学生でも始めたばかりのような学生とが同じ組で演技をしていて、一風変わった印象ですが、やはり小さい子には高さが出ない分、ハンデがあるとのこと。


 採点項目のうち高さについては、機械に取り付けた歪み計で電気的に測定して、空中にいる時間を計ることで高さとみなして得点化するのだそう。

 計測器はロシア製で高価ですし、トランポリン自体もヨーロッパでパテントを取ったものだけが公認されているため、日本のメーカーでは作れないのだそう。


 【ぶら下がっているのが計測器】

 スポーツがビジネスであり、しかもヨーロッパに有利になるようにできているということをまざまざと思い知らされるお話です。


    ※     ※     ※     ※     ※


 さて、残りの採点項目である難度と美しさのうち、難度については提出された事前申告を参考にしながら、その技をしたとみなされればそれだけで点が入るというもの。

 ただ選手は空中で予定した技を変更しても良いため、常に二人の審判がついて空中での技がなんであったかをチェックしるのだそう。

 そしてその技が美しかったかどうかはスキージャンプのように五人の審判が採点して、最大値と最小値を除いた残り三人の合計点が持ち点となります。

 この『難度と美しさを別々に評価する』というやり方はトランポリンが始めた採点方式ですが、これを後に取り入れたのが体操競技。

 考えてみれば、かつてコマネチが段違い平行棒で出したのは10点満点でしたが、今では「D難度の技」だとか「E難度の技」などという言い方をしていますね。

 難度の低い技を完璧にやって高得点を取るよりも、よりリスクが高い技を美しくやれば高得点が出るという採点の方法を取ったことでどんどん体操の技が高度化していったのはご承知の通りです。

 リスクを取った人を評価するとその世界は大きく発展するという典型的な例に見えます。


    ※     ※     ※     ※     ※
 

 さて、2008年の湿原の風アリーナのこけら落としの際に誘致して行われたのはトランポリンの全国大会でした。

 このときに優勝した伊藤正樹選手は先のロンドンオリンピックで日本代表として出場し、4位というこれまでの日本選手で最高の順位で入賞を果たしました。

 この伊藤選手はそれまでなかなか勝ちきれなかったのが、この釧路の全国大会で優勝してからふっきれたようにめきめきと実力をつけていったのだそうで、今でもいろいろなインタビューの際には、「自分のターニングポイントは釧路の大会でした」と言ってくれているのだとか。

 今日の大会も、次回以降のオリンピック代表選手へのきっかけになると良いですね。

 時間が合ったら明日の決勝戦を見に行ってみてはいかがでしょうか。

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台湾のサイクリングニーズをつかめ

2012-10-19 23:45:18 | Weblog
 静岡県掛川市の友人から電話があって、「台湾の自転車関係者を探しているのだけれど、当てがありませんか」とのこと。

 掛川周辺の遠州地帯では自転車によるサイクルツーリズムの動きが早くから始まっていて、サイクルガイドの養成やサポート、もてなしの作法など地道なノウハウをじっくりと蓄積してきています。

 しかしながら、外国からのインバウンドに対して地方都市は東京や京都など有名どころには勝てないので、サイクリストなどのニッチなニーズをくみ取ったコアな来訪者の可能性を模索しているのです。

 なるほど、私も外国人向けのサイクルツーリズムには興味があります。

 先月台湾の復興航空が国際定期便を飛ばしてくれましたが、この時の一番機で釧路空港へ降り立った台湾人観光客の中に何人か自転車を持参して、空港で組み立てて颯爽とペダルを漕いで行った方もいたくらいです。

 そういう意味で興味はありますが、お望みの人材をピンポイントでは知らないので、台湾の知人に相談してみることにしました。

 相談を受けた翌日、早速札幌の知人を訪ねて相談してみると、そういう話は横浜に台湾経済文化代表処の出先があるのでそこへ行ってみてはどうか、ということで担当の方を紹介してくれることに。なんともラッキーです。

 その際に、お願いの背景として上記のような、自転車によるニッチなニーズをくみ取りたいのです、と話すと、相談した方もそういう動きがあることは知っているとのこと。

「何より今台湾では自転車がブームになっているのですが、まだまだ道路環境が北海道に比べると良くないので、北海道は憧れです。静岡はどうか分かりませんが、自転車という切り口は面白いですね」
「なるほど、どういう点が北海道や日本は自転車にとって憧れなのですか」

「まずは日本や北海道に憧れがあるのは良いとして、道路がちゃんと舗装されていて、車もまあ地方では多くありませんし、またドライバーのマナーも良いですよね」
「ははあ」

「それにいたるところに自動販売機やコンビニがあって、何かあっても困りませんしね(笑)」
「しかし、例えば看板が少ないとか情報提供が不十分なのではありませんか?」

「自転車旅行をする台湾人を見ていると、事前に十分情報を収集しているのと、現地ではスマートホンによるGPSのナビゲーション機能を使えば、どの道を行けば目的地に着けるかが分かりますから困らないんです」
「スマホのナビシステムですか!へえ」

 外国を旅するということも、もうスマホを使えば怖くない時代に突入しているようです。




    ※     ※     ※     ※     ※


 さらにこの方は、「北海道では旭川や函館などが自転車ツアーの誘致に積極的ですよ」と教えてくれました。

 そう聞いた後に全道市長会へ出る機会があったので、よく存じている旭川市の西川市長さんへ直接旭川での自転車ツアーの現状について伺ってみました。

 すると、「実は旭川出身で、台湾の方と結婚している女性が台中市に住んでいて、旭川の観光大使をお願いしているんです。その方が結構お付き合いが広くて、世界的な自転車メーカーのジャイアントさんの関係者にも知人がいたことから、ジャイアント主催の自転車ツアーを旭川で実施してもらったというわけです」

 なるほど、全ては人のつながりということのようですね。

 釧路だって比較的平坦な道路が続き、タンチョウや湿原などの観光的目玉もあるわけで、こうしたニッチなツアーの受け皿としては魅力的で可能性のある土地に違いありません。

 道東でもサイクルツーリズムというニッチで新しいニーズを発掘したいものですね。
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全道市長会の代理出席

2012-10-18 23:58:37 | Weblog
 選挙期間中の市長代理で、全道市長会議に出席してきました。

 見回せばよく存じ上げている市長さんも半分ほどいて、休憩時間や交流会などでは親しくお話ができました。

 港湾事業や道路事業などで一緒に要請活動をした苫小牧市や小樽市のようなところあれば、講演会をしたことがある恵庭市や美唄市なども覚えていてくださいました。

 他の市長さんも釧路市と見ると、「蝦名市長は選挙中なんだもんね。よろしく伝えてください」と声を掛けてくれます。

 知らないよりは知っている方が良いし、知られていないよりは知られている方が良いのは間違いありません。

 「一度でも 会ってしまえば お友達」の精神で良いのです。

 こういう場にいられただけでも幸せです。


    ※    ※    ※    ※


 会議の中では函館市の工藤市長さんから青森県の大間原発に対する活動についての発言がありました。

 工藤市長さんは、「自分たちは決して反原発や反原子力ということで動いているわけではない。しかし、3.11の原発事故に対する検証や反省が十分ではないこの時期に新設をするという政府の対応は、再稼働ですら厳しくチェックするという市政と矛盾しているのではないか」ということや「対岸で直線距離が23kmしかないところでありながら、事前の説明や所在自治体にしか行わないという姿勢も問題ではないか」ということを説明されました。

 こうした動きに対して全道市長会としてどのような対応をするかは、事務局と理事会に委ねられた形となりました。

 もちろん、この問題については様々なご意見をお持ちの方も多いことでしょうから、簡単に方向が定まるものではなく、後日改めて検討をすることになったようです。

 
    ※    ※    ※    ※


 その一方で、研修の時間では北電の常務さんに来て頂いて、今冬の電力事情について説明を受けました。

 夏の節電は無事乗りきったものの北海道の場合、冬期の方が暖房や融雪のために電力需要が大きいという特性があり、厳冬の度合いや道民の節電意識と行動の浸透、あるいは期待される発電施設の事故やトラブルのない安定的な稼働度合いによって、電力需給が逼迫する可能性もある、ということで、我々としても心してかからなくてはいけない大問題です。

 この冬、北海道が抱える最も大きな問題は節電問題だという意識で、取り組みをより強化しなくてはなりません。

 いつも課題を解決してゆこうという強い気持ちを持ち続けることが必要ですね。
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ネット時代の活動チェック

2012-10-17 23:23:25 | Weblog
 先日ある自治体の市議会議員の方と話をする機会がありました。

 自治体の議会運営はまさにそれぞれ独自のやり方があるのですが、その自治体では最近、本会議とともに、常任委員会の様子もインターネット中継を始めたとのこと。

 全ての議論を市民の目にさらすということになると、議会は活発化して様々な議論が進むようになったのか…と思いきや、「いやあ最近は委員会の開会時間が以前に増して延びてひどいんですよ」というお話。

「ええ?それって議論が活発化したということではないのですか?」
「確かに、自分はこう思うがどうか、という質問だったら、意見の相違はあれどそれぞれが政策のメリットやデメリットを主張しあって議論になります。しかしどうも発言しているパフォーマンスとしか思えないような発言も増えたんです」

「パフォーマンス的な発言といいますと?」
「たとえばちょっとした数字や制度などの説明を担当者に求めるような質問があるわけです。そんな細かなやりとりは、普段から担当者と仲良く教えてもらったりしているわけですから、事前に聞いておけば良いだけのことでしょう。そんな細かい質問をわざわざ委員会の場で時間を使ってするなんて、私には時間の無駄としか思えないんです」

「ははあ、なるほど」
「そうではない、そこで質問をすることに意義があるんだ、というような、私と違う意見をお持ちの方もいるでしょう。でも限られた時間の中で誠心誠意議論を尽くそうと思えば、事前に予習をして中身の濃い議論をしたほうが私は価値があると思うんです。だからただ黙っていないぞ、ちゃんと発言しているぞ、というだけでは単なるパフォーマンスであり勉強不足ではないか、と言うのです」




    ※    ※    ※    ※


 この方はだいぶ憤っているようでしたが、背景にはネット配信が始まったことで、黙っていて発言をしない議員などに対する風当たりが強くなっているということがあるようでした。

 それが仕事をしている風には見えない、ということなのでしょうか。

 しかし議員の場合は、発言をするしない、発言の内容の巧拙なども含めて全てが一人ひとりの議員活動であり、それは選挙の時に有権者から審判が下されるというものなので、それはそれで結構なのだと私は思います。

 ただ最近はネットでの情報公開が進んだ結果、議員としてどんな場面でどんな発言をしたかとか、どういう主張をしたか、などを調べて公開するウォッチャーなども出始めています。

 そして、例えば定例会議で質問をしたのかどうか、どんな内容か、などが記録として残されて、ともすると『成績表』のような形で一般の市民の目に触れることだって十分にあり得る時代になりました。

 ネット住民の力って馬鹿にできるものではありません。

 またさらに時代が進めば、単に質問や発言をしたかしないかだけではなく、どんな発言をしたか、その内容は妥当なのか無茶なのか、といった『質を問われる』ことになる時だって来るかも知れません。

 そういう意味でも、普段からブログでもSNSでも、自らの情報を積極的に発信することを当たり前にしているという活動には意味があると思います。

 何かあると、「もう投票しない」と冗談半分にでも脅かされる議員の皆さんも大変でしょう。

 普段からの発言で、共感と信頼とを積み重ねて行く、この『関係性』ということはとても大切です。

 どうしたってネット時代はさらに進むのですから、ネットというツールは上手に使いたいものですね。 
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札幌のアイヌ文化施設~サッポロピリカコタン

2012-10-16 23:45:05 | Weblog
 時間があったので、南区にある札幌市アイヌ文化交流センターを見てきました。

 白老、平取、旭川とアイヌ文化を紹介する施設を見てきましたが、肝腎の札幌でのそうした施設を見ておらず、かねてより『一度行ってみてください』と言われていたものです。

 札幌市のアイヌ文化交流センターは、『サッポロピリカコタン』という名称で、定山渓へ向かう国道230号線からちょっと入った小金湯温泉の一角にあります。

 施設の外側にはカヤなどでチセ(家)やプ(倉)、熊送りの祭イヨマンテのために小熊を飼っておく小屋などが組み立てられており、コタンのイメージを表しています。

 展示館は無料で入れる休憩コーナーと関連書籍がたくさん並ぶ情報コーナーがあって、その奥にアイヌの人たちの造作などが並ぶ展示室があります。

 展示室は有料ですが大人一人200円と格安で、ここの特徴は展示されている品々に触っても良いし写真を撮っても良いということ。



 オヒョウでつくられたアイヌの伝統的な衣服であるアトゥシや気の工芸品などにも触ることができ、印象的でした。




 ここはバスに乗って団体で訪ねてくる一団もいましたが、こういう文化に触れてくれるのはよいですね。

 我が家から車だと国道へ出ずに、盤渓から小林峠、南の沢から白川トンネルと裏道を通ればなんと30分足らずで行けることも分かりました。

 書籍が意外に充実しているので、ふらっときて書物を読んだりするのも良いですし、企画として施設を使った講演会などもあるようなので情報を探しておくと良いでしょう。


    ※    ※    ※    ※


 そのついでに紅葉はどうかと久しぶりに豊平峡ダムへ行ってみました。

 9月の異常な高温で例年より遅れている紅葉前線ですが、豊平峡ダムは三分から四分ほど色づいてきており、十分に楽しめました。

 高くそびえる岩とそこに張り付くような紅葉する木々に心が洗われる思いでした。

 観光放水は十月いっぱいまでだそうですが、遠くまで行かずにすむ紅葉の名所です。


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道東を差別化するには~釧路新聞「巷論」

2012-10-15 23:45:09 | Weblog
 今週は札幌での仕事が連続するので金曜まで札幌の自宅にステイです

 今日は先週10月9日に地元釧路新聞『巷論』欄に掲載してもらった一文を掲載しておきます。

 北海道ブランドは強いのですが、それが逆に作用するかも知れない、というお話。

 北海道の中でさらに地域ブランドとして差別化を図るためにはどうしたらよいでしょうか。


  ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 最近、道東観光という言い方が気になってきた。それは、「道東(どうとう)」にしても、「ひがし北海道」にしても、「北海道の東側」という地理条件からの表現だということだ。もちろん、それ自身は間違いではないのだが、「北海道の東側」という言い方を続ける限り、たとえば新千歳空港に降り立って札幌や小樽などの道央観光を楽しんだ人たちは、「これで北海道(島)は一度観光したところがある場所」と認知されてしまうのではないか、というのが心配なのだ。

「海外から見ると北海道は憧れの地で人気は高いですよ」と言われれば言われるほど、北海道を冠に着けていて良いのか、という気がしてしまう。

 国内外からの観光客は、この地域を旅する時に一体どういう名称のエリアを旅しているという印象をもっているのだろう。

 エリアの名称も一つのブランドだ。たとえば長野県には信州というエリアブランドがある。

「長野県松本市へ旅行した」というよりは「信州安曇野へ旅行した」と言う方がずっと美しい場所へ行った印象になり、うらやましさも増すだろう。

 「釧路」や「阿寒」、「摩周」も美しいが、狭い点の組み合わせのようで、標茶や中標津の広大な牧場景観や、釧路から霧多布まで広がる湿原の広さ、さらには食事の旨さなどがイメージできない。

 私は何か道東を北海道と切り離したエリアブランドないものかと思っていて、たとえば「DOTO」というような「道東」とは一味違う新しいエリアブランドを作るくらいの気持ちがあっても良いのではないか。

「釧路という異国」というキャッチコピーがあるが、釧路は日本でもないのだ、という弾けていて優れたコピーだと思う。

 道東にはここ以外の北海道とはまた一味違ったポテンシャルがあって、大好きな渓流釣りに至っては「聖地」とさえ呼ばれるくらいなのだ。この地域の価値にさらに磨きをかけて一つのエリアブランドとしての質を高めてほしいものだ。

  小松正明(釧路市副市長、ガールスカウト評議員)



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くしろスイーツグランプリ

2012-10-14 20:59:48 | Weblog
 第二回くしろスイーツグランプリが開催されました。

 初めに、主催されたくしろスイーツグランプリ実行委員会の方から挨拶があって、最近は札幌を初めとしてご当地スイーツが地域の名物になっており、釧路としても『釧路らしい、くしろスイーツ』を育てたいという趣旨でこの催しを始めたとのこと。  

 今年は釧路市内の八つの菓子店が参加しましたが、審査員は事前募集で200名の応募があった中から抽選で選ばれた25組50人の市民の皆さんです。

 審査員は一人千円のご負担とのことでしたが、九割は女性でさすがに甘いもの情報には目がありません。

 さて、各店が創作した新しいスイーツは、4つずつ二回に分けて審査員の前に出されてきて、それを一通り試食した上で点数をつけて行きます。


 【いよいよ運ばれてきました】


 採点の視点は六つで、「美味しさ」、「デザイン」、「釧路らしさ」」、「アイディア・斬新さ」、「価格」、「ネーミング」というもの。

 審査員はそれぞれの視点ごとに満点を5点として点数をつけるので、一品の満点は30点となり、この審査員の総合得点でグランプリと準グランプリを選びます。


 【これが採点表】


 審査員の九割は女性で、見ていると審査員の皆さんは大半が完食していたようで、さすがは甘いものには目がありませんね。

 私は審査員ではありませんが、産業振興の現場視察の一環として参加し、やはり全八種類を味わわせてもらいましたが、さすがに八種類を完食は無理でした。ひー。





    ※    ※    ※    ※


 さて、今回の応募作品をおおまかに分類すると、ケーキ系の洋菓子が4種類、焼き菓子が2種類、和菓子が2種類となりました。

 いずれもが、『釧路らしさ』を演出するために、牛乳やイチゴなど地元の素材を使ったり、タンチョウ、夕日など釧路の話題や色をデザインに活かすなどの工夫をしています。


 【一巡目の四品がこちら】


 【二巡目の四品がこちら】


 考えてみたら、「北海道スイーツ」と言うなら道内全域の素材やテーマを使って選択肢の幅が広がりますが、地域限定で「くしろスイーツ」となると選択肢は狭まるんですね。

 その分、より地域性の強いものができて、「釧路のお土産ならこれだ」とか「釧路に行ったらこれを食べなきゃ」というような評判が立ってくれるように期待が高まります。

 審査の結果、最も高得点をあげたグランプリは、コルネさんの「釧ーSenー」に、準グランプリには、クランツさんの「たんちょうの舞」が選ばれました。

 会場にいた審査員の知人に審査結果を訊いてみたところ、やはり同じような評価をしていました。なるほどね。


    ※    ※    ※    ※ 


 私も試食させて頂いたからには作者の皆さんに敬意を表して、しっかりと私なりの感想を書いて提出してきたのですが、実は私が一押しだったのは、「石炭シューラスク」でした。

 もちろん、グランプリ、準グランプリのケーキも美味しかったのですが、見た目でデザインを工夫出来る洋菓子は見た目が地味な和菓子や焼き菓子に比べるとちょっと有利だったように思います。

 しかし、こうしたケーキの洋菓子は道内他都市の洋菓子との差別化が難しくて、本当の釧路らしさが出ているか、というのが私の感じ方でした。

 それに比べると、石炭シューラスクはチョコレートシュークリームをラスクにしたもので、他とは一線を画しているうえに、6個で300円というのがなんともコストパフォーマンスの良さを感じさせました。

 また、おまんじゅうで釧路の夕日を表した作品は、一見地味で釧路らしさを出すのが難しいので、例えば幣舞橋の「四季の乙女の象」の焼き印を押すなどの工夫があれば、一気に釧路らしさが出そうです。

 オレンジ色の洋菓子だって、四季の乙女の象をかたどった板チョコをちょいと添えれば、釧路の夕日の手前にある幣舞橋を演出出来そうです。

 焼き菓子だったら包装のパックに工夫ができるかも知れません。

 様々な可能性を感じるスイーツグランプリでした。

 参加されたお店の皆さんに改めて敬意を表します。ありがとうございました。
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啄木一人芝居”SETSU-KO”~ローマ字日記より

2012-10-13 22:34:20 | Weblog
 石川啄木没後百年記念実行委員会が主催する一人芝居「SETSU-KO」が釧路図書館のホールで公演されました。

 この一人芝居は、石川啄木の妻だった節子が啄木のローマ字で書かれた日記を読んで回想に浸るということを軸にして、啄木の心情や彼を取り巻く人たちの思い出を語るというもの。

 演ずるのは、盛岡を拠点としてフリーアナウンサーとして活躍される畑中美耶子さんで、1997年からもう15年にもわたってこの物語を演じ続けられています。

 釧路市図書館のホールには釧路啄木会で良く見かける皆さんを中心に約百名の方が観覧に参加されました。

 
    ※     ※     ※     ※     ※


 舞台には裸電球の演出と、ゴザに啄木の位牌が飾られ、会場には既に線香の香りが漂っています。

 物語は啄木のお葬式を終え、啄木生前の親友だった金田一京助らを送り出した喪服の節子の一人語りから。

 節子は一冊の書物を手に取ると、「自分が死んだら処分してくれ、と言われたけれどやっぱりできない」と、啄木の日記を読み始めます。





 背景には最初の一ページがスライドで投影されましたが、端正なアルファベットによるローマ字が並んでいます。

 石川啄木が釧路を去ったのは明治41年4月のことですが、ちょうど一年後の明治42年4月7日から約2か月間にわたる日記をローマ字によってつけていました。

 演者の畑中さんは、節子が読むときは女声で読みますが、突然男声で啄木自らが語り始めたりもします。

 畑中さんが演じるのは啄木と妻節子、それに妹の光子に母カツ、函館での思い出の女、橘智恵子の五役。

 それぞれを演じ分けながら、妻を愛していたという啄木の思いを中心に、ローマ字日記の世界を大きく膨らませています。





    ※     ※     ※     ※     ※


 実はこのローマ字日記には、この中に浅草芸者と過ごした夜のことをおよそ『未成年絶対お断り』レベルのエロチックな表現で書いており、昔は墨塗りで発行されていたと言います。

 釧路啄木会の北畠先生も、「ええ、私が始めに読んだ頃はみんな伏字になっていたものです」とのこと。

 畑中さんはその問題の個所も朗々と読み上げ、浮気性だった夫啄木に対するいら立ちをちょっとした仕草で表現して会場を笑わせます。

※(ちなみに、未成年お断りの部分が読みたい方はこちらへ。啄木4月10日の日記で、”強き刺激を求るイライラした心は…”というくだりです。→ http://bit.ly/QvJVMq 

 4月15日の日記には、こんなくだりが出てきます。

「予は節子以外の女を恋しいと思ったことはある。他の女と寝てみたいと思ったこともある。現に節子と寝ていながらそう思ったこともある。そして予は寝た――他の女と寝た。しかしそれは節子と何の関係がある? 予は節子に不満足だったのではない。人の欲望が単一でないだけだ。」

 男性陣はこれに賛同するでしょうか?


    ※     ※     ※     ※     ※


 また、こんなことを堂々と書く啄木ですから、後の世の人が放蕩の女たらしと嘲り虫が好かないと言うのも無理はないかもしれません。

 しかし日記全体には小説家としての思いを捨てがたく上京しながら、なかなか思うように書けず金もない自分にいらだつような弱い面を赤裸々に描きます。

 畑中さんは、5月8日の日記を読み上げます。

「ある晩、どうすればいいのか、急に眼の前が真っ暗になった。社に出たところで仕様がなく、社を休んでいたところでどうもならぬ。

 予は金田一君から借りて来てる剃刀で胸に傷をつけ、それを口実に社を一ヶ月も休んで、そして自分の一切をよく考えようと思った。そして左の乳の下を斬ろうと思ったが、痛くて斬れぬ。

 微かな傷が二つか三つ付いた。金田一君は驚いて剃刀を取り上げ、無理矢理に予を引っ張って、インバネスを質に入れ、例の天ぷら屋に行った。飲んだ。笑った。そして十二時ごろに帰って来たが、頭は重かった。

 明りを消しさえすれば目の前に恐ろしいものがいるような気がした」

 
 なんとも女々しい啄木の一面が表され、それもまた芝居の中では既に亡くなった夫への思慕として表現されてゆきます。

 
    ※     ※     ※     ※     ※


 実は今回の上演に先立って、畑中さんと盛岡市からのメンバーお二人が昨日市役所の私の部屋へ表敬訪問をしてくださいました。

 その際に既に畑中さんの口からは、「この形での一人芝居を15年間やってきましたが、明日の釧路公演で最後にしようと思っている」というお話が飛び出しました。

 これまで全国各地で上演してこられ、北海道では函館で一度、札幌で二度開催したものの、釧路にはとうとう来られずにいたものが、没後百年事業の一環で釧路へやっとの思いで来ることができたのだそう。

「正座で座って立ち上がったりというのが体力的になかなか大変なので、今回の釧路で最後にするんです」


 まだまだお若いのですから、勿体ないような気がします。


    ※     ※     ※     ※     ※

 
 上演後には後援者から花束の贈呈があり、啄木会の北畠先生からの感想と、私も発言を求められて、啄木とのご縁を誇りにしている釧路市民の幸せについてご挨拶をしました。



 
 さて、この啄木のローマ字日記、我が国指折りの日記文学と言う人もいれば、日記という形を借りた彼一流の文学作品だ、という人もいます。

 なぜローマ字で書き表したかについても、妻節子に読まれたくなかったから、という説が一般的。

 しかし三行短歌という新しい表現を作り出した啄木のこと、あらゆる創造性を駆使した彼なりのチャレンジだったと考えることも可能ではないでしょうか。

 改めて啄木について勉強するきっかけを与えてくださった、畑中さんとそのスタッフの皆さんに心から感謝申し上げます。
 
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台湾のカップルをご招待~日台親善協会一周年

2012-10-12 23:45:47 | Weblog
 釧路日台親善協会は、津別町、旭川市、北見市、札幌市に次いで全道五番目の親善協会として昨年組織されました。

 同協会ではこの一年の間に、昨年10月の訪台ツアー、今年2月の台湾公式訪問、7月の台湾経済セミナーなどを行いました。

 またJR北海道と台湾鉄路局が姉妹SL協定を締結するにあたって関連親善として訪台を行うなど大きな盛り上がりを見せました。

 そこで同協会が一周年を迎える記念事業として、フォトブライダルモニター誘致事業を行って、釧路地域の広報活動を行い、今日まさに今秋結婚をされる三組のカップルが釧路へ到着し、歓迎会を開きました。


 【日台親善協会清水会長のあいさつ】


 三組のうちの一人は台湾の外務省にあたる亞東関係協会の謝さんという方とそのフィアンセで、実は謝さんは、昨年私が台湾を訪ねた時もお世話になった方なのです。


 【謝君とフィアンセ、素敵なカップルです】


 今回のツアーは、現地台湾の台北動物園で招待するカップルを投票で選び、選ばれた三組のカップルを釧路へ招待しました。

 招待されたカップルには明日一日、カヌーとホーストレッキングを楽しんでもらい、その様子は同じく招待したマスコミ関係者に取材をしてもらって台湾での記事にしていただこうというのです。

 今回の目玉は明後日に行う日本式の模擬結婚式。神式の誓詞も用意されて、そこに住所と名前を書き込みます。


 【誓詞に名前と住所を書き込んでいます】


 三組とも日本式に和服を着て、鳥取神社で日本式の結婚式を行うのですが、女性たちはみなそのことをとても楽しみしていました。

 また男性陣も、思い切り滞在を楽しんで釧路の宣伝マンになると意気軒昂です。

 明日からの道東滞在、素敵な旅になると良いですね。
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