
東京での年末挨拶を終えて釧路へと戻ってきた。
今日は霞が関界隈を巡ったが、ポイントとなるところへは事前にアポイントを取り付けつつ、そうでないところは飛び込みで挨拶に行く。
いろいろと釧路に対して配慮していただいたところへはお礼の挨拶だし、いよいよこれから行政上のお願いをしなくてはならないところや、細かな情報収集などを行うのだ。
アポイントを取ったり、どこをどう歩いて目的地に行くかを案内してくれるのは東京事務所スタッフの仕事だ。
思わず時間を食ったりしたときのフォローや、相手への連絡などを黙々とこなしてゆくが、こうした進行管理をロジスティックス、通称ロジという。
ロジなんて目立たない仕事だが、限られた時間を最大限有効に使うためには黒子とはいいながら、無くてはならない仕事なのだ。
霞が関の広い庁舎の中を次々に挨拶して回れるのも、事前踏査も含めた努力のたまものだ。今回の業務も無事終了した裏方努力に感謝したい。
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官庁巡りと言っても、数多ある自治体が競って霞が関を練り歩く中で地元釧路を印象付けるのも大切なミッションである。
しかも国に直結する事業などは、市長自らが行ってお礼を述べたり地元事情などを説明する中で、相手側に(この事業はしっかりと市長の頭に入っているのだな)と印象付けられる。
そしてこのこと自体が相手側に対する敬意の現れなので、霞が関の側も安心することができるというものだ。
仕事というものは、最後は人と人とのつながりに負うところが極めて大きいので、紙一枚やメールだけで仕事が進むなどという幻想は、少なくとも行政に携わる限り持つべきではない。
ネットや情報化社会の進展と言っても、根っこはそこにあるのである。
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こうした中央での会談で大切なことが一つある。
それは地元釧路周辺の現場で活躍している人たちを、名前を挙げて褒めることだ。
名前を出すことで現場でちゃんとコミュニケーションが取れていることの証になるし、褒めることで活躍ぶりが第三者的に伝わることになる。
これを「陰褒め」という。
もちろん本人に対して直接お礼を言ったり感謝をしたりすることも大切なのだが、この「陰褒め」では高評価が口伝えで人から人に伝わるもので、評価が拡散して伝わってゆくのが良い。
最後には巡り巡って本人に「○○さんが褒めていたよ」と伝わったりすると、ご本人自身も嬉しくなってモチベーションが上がるというものだ。
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直接会った時におべんちゃらを使い、本人のいないところでは批判をする人がいる。
しかしそうしたやり方は、巡り巡って誰も幸せにしないし組織を活性化することもない。
それよりは、こうして陰でこっそり褒めるというやり方のほうが、はるかに人間関係を良好にして一人一人のやる気とモチベーションを上げることに繋がるだろう。
「陰褒め」
組織運営が上手な人は知ってか知らずか、必ず使っている方法である。