こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

ベータ2のバラッド

2006-11-26 00:00:00 | 未分類
またまたアンソロジー集『ベータ2のバラッド』を読みました。

サミュエル・R・ディレイニーによる表題作『ベータ2のバラッド』は、平凡に思える星の民のバラッドに歌われる
真実の話です。
彼らは2,242年初頭に星々を目指して星間船で地球を出発したのですが、
文明の程度が原始的未開段階にあって、生存者は絶滅への道を歩むのにまかせています。
しかし、バラッドには別の未来が歌われているのです。
なかなか感動的な中篇でした。

バリントン・J・ベイリー『四色問題』は、内容が理解できず面白みを感じることができませんでした。

キース・ロバーツによる『誕生祭前夜』は、第二次大戦後ドイツが勝利した策略に満ちた世界の物語です。
華やかなクリスマスの背景に垣間見える闇の世界が不気味です。

ハーラン・エリスン『プリティ・マギー・マネーアイズ』はラスヴェガスを舞台にした欲望の物語。
哀れで不気味な物語でした。どちらかといえば、ホラーに分類されるような話です。

リチャード・カウパー『ハートフォード手稿』は、H・G・ウエルズにオマージュを奉げたという物語。
『タイム・マシン』のパラレルストーリーで、選んだ時代によっては悲劇にもなるという話です。
結構、面白いです。

肝心のH・G・ウエルズ『時の探検家たち』は『タイム・マシン』の原型だそうですが、
私にとってはいまいちでした。

コメント
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