小川一水さんの『妙なる技の乙女たち』を読みました。
シンガポール沖、リンガ諸島にできた世界最初の軌道エレベーター。
それまで熱帯のリゾート地だったこの島の主峰・リンガ山頂に、
CANTEC社が施設を築き始めたとき、その未来は定まった。
山頂のCANTEC社の下に、ありとあらゆる産業がヒューストンやツールーズのように集まったのである。
各話の内容は、現在の世界で働く女性たちの物語と同じと言えるかもしれません。
でも、彼女たちの日々の営みがつながって、現代のバブルでしかないように見える宇宙での生活が、
決してそうではなく、地球と同じように暮らせるように変えていけるのだと思わせてくれるところが、
SFだと感じました。
果てしない夢だけど、とても素敵な物語です。