都市と都市

チャイナ・ミエヴィルさんの『都市と都市』を読みました。

物語の舞台は、バルカン半島の真ん中あたりに位置するらしい架空の都市国家ベジェルとウル・コーマ。

二つの都市間に、明確な壁があるわけではなく、むしろ、ほとんど同じ場所に入り混じって存在している。
しかし両国の国民は、相手の住民や建物、車などが無いものとしてふるまわなくてはならない。
これに違反すると＜ブリーチ＞と呼ばれる謎の組織に連行されるのだ。

そんな二つの国にまたがって一人の女性が殺害され、ベジェル警察過激犯罪課の
ティアドール・ボルル警部補がウル・コーマに渡り、捜査を行う事になった。

まずは、この二つの都市に慣れるのが大変でした。
その上で＜ブリーチ＞に次いで不思議な、こちらは都市伝説ともいえるオルツィニー。
これには、かなり惑わされました。

まさか、こういう結末が待っていようとは思いもしませんでしたが、とても面白いミステリでした。
ＳＦに分類されていますが、そういう世界観に馴染む能力が必要だということでしょうか？