四角い魔術師 (ふしぎ文学館) 価格:¥ 1,575(税込) 発売日:2012-11-22 |
闇と幻想と恐怖の短編集。
堪能いたしました。
ショートショート「よけいなものが」は、懐かしく今も色あせない名作ですし、表題作は子どもの夢が現実の恐怖となる快作です。
恩返しのような「脱ぎ捨てる場所」やグロテスクな「潮招く祭」も好きですし、無邪気な少年の願いを描いた「消防車が遅れて」や夜を取り上げられる人々の話「夜を奪うもの」野生動物のいなくなった世界のある夜の出来事「象のいる夜会」もいいですね。
また、若くして失われてしまった女優ジリアンの思い出話「十月の映画館」外套の男の噂話「宵の外套」も捨てがたいです。
つまりは、この本に収録されている全ての作品がとても魅力的で、擦り切れるほど読んでも色あせないと思うのです。
強くおすすめします。