矢崎存美さんの『幽霊は行方不明』を読みました。
真人には、物心ついたときから美海という幼なじみの幽霊がいる。そして、他の霊も見ることができるのだ。
それとは逆に、姉・咲子はまるきり霊感が無いくせに、占い師になるという夢を抱いていた。
そんな彼女の最初にして唯一の依頼人が、失踪してしまう。
そこで、知り合いの和服刑事・金山に協力して行方を捜していた。
またまた咲子は、いい加減な占いで行方を捜そうとするのだが、
なぜか埋められた死体の場所を当ててしまうのだった。
しかし、そこにいるべき幽霊がいなかった。
その後、その死体の殺人事件としての捜査に県警からやってきた佐橋警視に
咲子がサイキックだと勘違いされたため、真人も捜査に巻き込まれ
幽霊の行方と犯人を調べていくことになる。
うわー、７年間も積読にしていたのですね。
こんなに面白い話なら、早く読んでおくべきでした。
矢崎さん、ごめんなさい。続きも早いとこ読んでしまおうと思います。
太田忠司さんの『百舌姫事件』を読みました。
購入から３ヶ月で、ようやく読めました。遅すぎるって・・・(^^;)
久々の狩野俊介君シリーズで楽しみにしていたのですが、図書館本を減らさなきゃいけませんね。
彼らの住む町に、悪い噂がつきまとう魔術団がやってきた。
その魔術団は、この町の古い伝説をテーマにしたショーを演じて見せたのだが、
後援の真実日報社からの圧力によって、とりやめになってしまう。
さらに、魔術団の悪い噂を裏付けるような事件と、伝説をなぞらえたような事件が
立て続けに起こる。
今回も、俊介君は鮮やかに謎を解き明かしてくれるのですが、やはり彼にとって心の傷になってしまいそうな
痛ましい結果になってしまいました。
誰よりも有能な探偵であるがゆえに背負わなければならないもの。
まだ中学生の彼には、より一層重いものだと思います。
それでも、彼の活躍を見続けていたいと思うのは、残酷なことなのでしょうか？
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア氏の『輝くもの天より墜ち』を読みました。
昆虫より進化したダミエム人は、翼を持つ妖精のような種族である。
彼らは、ヒューマンから受けた悲惨な過去から、連邦によって保護されている。
しかし＜殺された星＞のもたらす壮麗な光を見物しようと観光客がやってきたことで、
とんでもない事件が持ち上がる。
ダミエムという星と人々の美しさ、天空のすばらしき景観。
どれをとっても申し分ないのに、なぜこのようなことが起きてしまったのか？
結末は、決して不幸なことばかりじゃありませんし、これをきっかけに未来が開ける人々も多いのですが、
犠牲になるものが大きすぎて、事件が解決したといっても単純に喜べない気分です。
