こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『火刑列島』森晶麿

2018-09-16 19:54:41 | 読書感想
現象学者・凪田緒ノ帆の前に、予現者を名乗る露木洋伍という人物が現れ、亡くなった恋人と深くかかわった女性と会えるかもしれないと、旅に誘う。

ネットで、その女性らしき人物を検索すると、彼女の恋人と思われる海老野ホムラという男性に行きあたる。

結局、緒ノ帆は露木とホムラと共に、露木の予言する火災を追って、旅を続けていく。
緒ノ帆の恋人と、ホムラの恋人の死の共通点は何だったのか?

結末に至ってみると、1つ1つの事件が全く関係ないようでいて、実は1つにつながっていたのですね。
せっかく、初めの露木の発言にヒントが隠されていたのに、最後に至るまで気づきませんでした。

胡散臭いスピリチュアル小説に見せかけて、本当は、見事に論理的な面白いミステリに仕上がっています。
お薦めです。
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『メタブックはイメージです ディリュージョン社の提供でお送りします』はやみねかおる

2018-09-15 19:55:07 | 読書感想
物語の世界を、現実に体験させてくれる会社・ディリュージョン社に勤め始めて4か月の森永美月。
ある日、自殺した作者の遺作で、呪われているというメタブック、今で言うと脚本の存在を知る。

その物語は、その世界を体験させようとするたびに、誰かに何らかの不幸が起きたらしいのだ。

今回、その呪いを知りながら依頼してきた客がいたのだが、案の定、現場に到着して間もなく、トラブルが発生した。
美月たちは、無事に仕事を終わらせる事ができるのか?

うーむ、美月ちゃんってば『都会のトム&ソーヤ』の内人みたいですね。
とはいえ、桜餅の葉の代用にされたものの問題については、私も知っていたので一般的ですよね?違う?(汗)

あんまり色々書くとネタバラシになってしまうので、ここまでにしておきますが「呪いのメタブック」の作者は、どこまでもやってはいけない事をやってしまう人物だというわけですね。
サバイバル知識も含めて、とても面白く読めました。
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CD『谷山浩子コンサートデビュー45周年大収穫祭at東京国際フォーラム 初回限定盤』谷山浩子

2018-09-14 19:35:13 | CD・DVD等
谷山浩子さんのライヴアルバムです。
初回限定版は、CD3枚組にDVD付きです。

DVDからして5曲のうち4曲が黒いのだから、CDは、あまり代表作というものは考えられていません。
初っ端から「偉大なる作曲家」という楽しい(?)ものとなっています。
と言っても「森へおいで」や「王国」、「第2の夢・骨の駅」などの黒々としたものもあれば、「銀河通信」や「風になれ~みどりのために~」「ピヨの恩返し」「海の時間」などの白い感動作も並んでいます。

石井AQさんはいつもの事、「栗コーダーカルテット」「斉藤ネコカルテット」岡崎倫典さんという、豪華なゲストで、とても素敵なコンサートだったようです。

未聴の方は、ぜひ!お聴きください。
お薦めです。
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『マリー・アントワネットの日記Bleu』吉川トリコ

2018-09-10 19:52:43 | 読書感想
さて、前国王陛下が天然痘で崩御され、マリーの夫であるルイ・オーギュストが、ルイ十六世として即位します。

ルイ十六世は、この物語を読む限りでは、暴君でもなく、女遊びをするでもなく、むしろ良い国王であろうとし、周りの貴族どもの方が問題大有りだと思われました。無責任ですよねー。
そして確かに、マリーは浪費が過ぎたかもしれませんが、それ以上にアメリカ独立戦争への軍事費が、かさんでいたのですね。マリーの浪費が微々たるものに思えるくらいに。

タイミングも悪かったし、時代の空気に翻弄されたとも言えるのかもしれません。

何と言うか、責任を押し付ける印になるものが欲しかったのでしょう。
民主主義国家になってから、権力者も官僚も、無責任ですけどね。

それはともかく、何より、彼女たちの子どもたちの行く末が案じられて仕方ありませんでした。
今となっては、分かりませんけど。

マリーの言葉遣いが、今の少女たちの言い方に近いと思いますので、若い方々にも親しみやすいと思いました。
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『マリー・アントワネットの日記Rose』吉川トリコ

2018-09-10 19:34:43 | 読書感想
十四歳の少女、マリー・アントワネット。
オーストリア名マリア・アントニア・ヨーゼファ・ヨハンナが、母のマリア・テレジアに勧められ、1770年1月1日(月)に日記を書き始めるところから、物語は始まります。

家族の紹介からフランス王太子との結婚準備の話題はもちろんの事、あのアマデウス・モーツァルトとのエピソードもあって、初めは軽く楽しめる雰囲気です。

世間の評価はともかく、マリー自身は、結婚相手についても実直で飾り気のないところに好感を持っています。
問題は、上辺だけ飾り立てた宮廷すずめたちと、殿下のその気のなさでしょうか?

周りがゴシップ記者ばかりの様な中、それでも心ある者と交流しようとするマリーの、幼いながらも誠実で率直な人柄に好感が持てました。

そして、Rose編のラストの出来事に、これからの物事をいくらかは知りつつも、波乱が少ない事を祈らずにはいられませんでした。
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