9月23日 続き
本日の宿泊はイオニア海沿いにあるヒマラと言う町。
ジロカストラのほぼ真西にあるが、間に山脈があるのでぐるっと遠回りをしなければならない。
途中の谷間には牧草地や畑が広がり、町がある。
やがて海辺で一番大きなサランダという町を過ぎると海が見えてきて、ここからとくねくねとした山道を上ったり下りたりしながら北上していく。
この海岸線は自称「アルバニアのリビエラ」、すぐ近くに見える大きな島はギリシャのコルフ島、早いフェリーなら30分で着いてしまうそうだ。
ジロカストラを出て2時間でヒマラの町に到着。
今夜の宿は町の端、海辺に建つ Rea Boutique Hotel。
チェックインすると出迎えてくれたのは中学生ぐらいの女の子、3階の部屋までエレベーターがなくて苦労したが、この宿はダブルの部屋しかないので今夜は一人一部屋。
ベランダがあり、バスルームには窓辺にバスタブ。
窓の外にはヒマラの海岸線が弧を描いていて最高だ。
到着したのが6時半、すぐに暗くなったので宿の主人にお勧めを聞いて夕食へ。
海岸沿いは遊歩道になっていてレストランがずらりと並んでいる。
中の一軒、Piazzaを勧められたので迷わず入り、シーフードのミックスグリルとパスタを注文。
パスタは大きなエビが乗ってまあまあだったが、グリルはミックスと言いながらほぼイカばかり。
海辺なので期待していたのにこれにはがっかり。しかもこの2皿でティラナのおしゃれレストランより高いとは納得いかない。宿の主人の信頼度は地に落ちた。
食後は散歩でプロムナードを端まで。
そこから1本中に入るとスーパーや雑貨屋など、ごく普通の商店街になっている。
ここでこぎれいなお菓子屋さんを発見。洋菓子やパンもあるが、バクラヴァが何種類も並んでいるので、上にブルーベリーの乗った変わり種を一ついただいてみる。するとこれが甘いバクラヴァに酸味が加わってすごくおいしい。ヒマラの印象、ちょっと改善。
ホテルに戻ったらヒマラの夜景を見ながら久しぶりにバスタブに浸かった。
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ある日、ぼーっと見ていたテレビで紹介されていた展示に興味をひかれ、東京農業大学へ行ってきた。
東農大があるのは世田谷、ではあるけれどどの駅からも遠くて、渋谷からバスに乗ったら30分以上もかかった。
東農大前のバス停で降りると馬事公苑の標識があって、その手前に大きな鶏の像が目立つ建物がある、これが東農大の「食と農の博物館」。
表には見たかった「南極飯!」のポスターも出ている。
入場は無料で、入り口を入ると警備員さんに丁寧に挨拶される。
ロビーには大きな耕運機が並んでいるところ、さすが農大。
その先に目指す展示があって、まずはアザラシとペンギンの剥製が迎えてくれる。
ペンギンはキング、皇帝、アデリーと3匹いるけれど、一番大きな皇帝ペンギンは昭和天皇に献上されたものとか。
その近くにはバーベキューをしている写真があるが、これは1957年の第一次南極観測隊がトウゾクカモメを焼き鳥にしちゃった時のもの。この頃にはペンギンを連れて帰ろうとしたり、食べたりもしたらしいが、カモメはともかくペンギンはおいしくなかったらしい。今はもちろん南極の生物は一切捕獲禁止。
その隣の部屋が南極観測隊の食事に関する展示。
ちょうどどこかの雑誌記者が元観測隊員にインタビューをしていたので、こちらまで話が聞けてしまってラッキー。
食事はいろいろなものが出るけれども、結局うれしいのは普段家庭で食べているようなメニューだとか
アルコール類もいろいろ用意されているが、荷物を減らすためにウィスキーはドラム缶で運んだとか。
食品会社からは長期保存可能な食材やフリーズドライが提供されるし
水耕栽培で野菜を育てることもしているが、野菜は量が少なく、卵や普通の牛乳は日持ちがしないので
しばらくすると一番のご馳走はこれになるんだそうだ。
インタビューのおかげでとても面白く見学できたが、展示はこれだけなのですぐに見終わってしまった。
そこで博物館の他の展示を見ると
2階には鶏の剥製がずらりと並んで、これが壮観。
オナガドリとか知っている種類もあるが、鶏とはこんなにいろいろいるのか、と実に面白い。
その先には酒器などのコレクションがあって、卒業生の蔵元のお酒がずらりと並んでいるのはさすが醸造学科のある農大。
さらにこの博物館の隣には温室があって多肉植物がたくさん見られるが
なぜかここにマダガスカルのワオキツネザルとその仲間が何種類もいる。
博物館の見学を終えたら、せっかくなので東農大のキャンパスにも入らせていただく。
構内は新しい建物が多くて立派。女子大生も思ったより多いと感じるのはこちらの勝手な偏見のせいか。
こちらに入って来たのはもちろん学食でご飯をいただくため。
左手にはカフェがあるがそちらはちょうどお昼時間でいっぱい、右手の殺風景な食堂の方が少し空いていたのでこちらに入る。
学食なのでもちろんお安くて、学生に一番人気は唐揚げ定食のようだったけれど、メンチカツ定食550円を注文。
メンチカツは出来合いのもので正直いまいちだったが、ご飯と味噌汁がちょっと驚くおいしさ。
しかしそれより隣のテーブルにいたアジアからの留学生のお弁当の鶏と卵の煮込みがおいしそうで、思わず手を出しそうになった(笑)。
食後はさらにキャンパス奥にある生協へ。
広い店内には食品に雑貨、書籍売り場も充実していて
東農大ブランドのカムカムというジュースや日本酒が充実。箱根駅伝でおなじみの応援グッズもあるが、先日の予選会ではなんと1秒差で11位、本選出場を逃してしまってかわいそうだった。大根踊りが見たかったのに。
軍手やつなぎを売っているのもさすが実用的、クリアファイルのキティちゃんまでつなぎを着ていて買いそうになったが
今回の戦利品はこちら。
ビタミンCがレモンの56倍というカムカムは爽やかでおいしく、屋久島のポン酢は卒業生が作っているとか。このポン酢、屋久島に行った時に買っていた。
東京農大見学、行くのはちょっと面倒だったけれど楽しかった。
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9月23日
今日から最終日まではクルヤを案内してくれたエグロン氏と一緒。
時間通りに迎えに来てくれて、細かい気づかいをしてくれるのでこの先は楽チン。
ティラナを出て少し郊外に出ると、道端に野菜や果物を売る屋台がたくさん見える。これに興味を示すと早速車を停めてくれた。
トマトやら梨やらブドウやら、値段はほとんど何でも1キロ1レク(約160円)。
中に道端でたくさん見かけた柿、まだ緑色でいかにも渋そうだが、これを買ってくれたので食べてみると意外にも甘くて渋みは全くない。しかも皮が薄いので丸かじりできる。今はこの柿が旬、もっと赤くなって柔らかくなる柿も人気があるのだそうだ。
道はよく舗装されて快適、交通の要衝、エルバサンを過ぎて南に向かうにつれて周りに山が多くなる。
ティラナから3時間ほどでテペレーナと言う町まで来た。
街の中心で寝そべっているのは18世紀にこの地方で勢力のあったアリ・パシャ。ナポレオンやビクトリア女王と手を組んでオスマントルコ時代に半独立の領地を保ったので人気があるらしい。
アリ・パシャの見つめる先には川の合流点がある。
この景色を見下ろすところにガソリンスタンド併設のカフェテリアがあるので、ここでランチ。
料理は煮込み系の物が多くて、選んだのはタフコーシというアルバニア料理。羊肉をヨーグルトで煮込んだ料理で、酸っぱい味が珍しい。パンは取り放題、この一皿が550レク。
この辺りの道端では蜂蜜をたくさん売っていて、一つ買いたいというと心得たとばかりに車を停めてくれた。
ここには山からの湧き水が出ていて、皆さん車を停めて水を汲んでいる。この水が冷たくてとてもおいしい。
蜂蜜は一瓶500レク、アカシアの蜜だそうだ。
ここを出るとすぐに山の上に城が見えてきて、これが世界遺産のジロカストラ。
入場料400レクを払って中に入ると、石造りの回廊脇にはずらりと第二次大戦時の砲撃機や、小さな戦車などが並んでいる。
ここを抜けるとテラスに出て城の建物を外から見ることができるが、ここは共産党時代には「7つの窓」と呼ばれる政治犯の収容所だったそうで
4世紀以来の歴史よりもこちらの方がアルバニア人には重要らしい。
この先の壁の中にはオスマントルコ時代には工房や店が並んでいたらしいが、ここで見るべきはテラスからの景色。
ジロカストラは「石の町」と呼ばれるそうだが、名前の通り、屋根まで石造りの家が立ち並んでいるのが見える。
テラスの先の門をくぐった先には石造りの時計塔。
城の反対側をずっと歩いて行くと城壁の先まで行くことができて
こちらから見る家々もかわいらしい。
城からの眺めを堪能したら、上からも見えたオールドバザールへ。
石畳の道に上階の張り出したトルコ風の建物が並び、1階は土産物屋やカフェになっているけれど
観光客だらけでもう大変。
運転手氏とはバザールを出た所にあるお菓子屋さんで待ち合わせ。
Kalimeraというこちら、有名店だそうで中には洋菓子やらトルコ風の菓子やらいっぱい。
暑いのでジェラートに転んでしまったが、お菓子も買ってみればよかった。
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9月22日
朝目覚めると室内は15℃、外は10℃とさすがに寒い。
簡素な部屋ではあったけれど、ダブルベッドでも暖かい布団を友人と取り合うこともなく、よく寝られた。
また母屋へ行って朝食。
バターとチーズはおいしい。
シュコダルへ戻るバスの出発は10時半なので、それまで村の散歩。
谷間なので村にはまだ日が差さず、岩山の上だけがまぶしい。
昨日前を通った教会もまだ日陰になっていて、扉も開いていない。
石壁には1917年のプレートが見える。
駐車場近くまで歩いて、こぎれいなホテルのレストランでコーヒーを飲みながらしばしまったり。
写真を撮らなかったが泊まっていた宿とはだいぶ趣の違うしゃれたホテルで、こんな所に泊まっていたらまた印象も変わっていただろうと思う。ただしここは期待した「素朴な村」からはさらに遠い。
宿に戻る途中、この村で見かけた唯一の店を覗いてみる。
いろいろ加工食品が並んでいるが、残念ながら地元の食材や特産品などはない。
教会まで戻るとようやくここにも日が差してきた。
日曜なのでこれから礼拝があるのだろう、開いた扉から中を覗かせてもらうととても簡素。ここはアルバニアでは少数派のカトリックの教会だそうだ。
宿の部屋に戻って荷造りしながら外を見ると、一列になって歩く人たちの姿が。
ちょうどシュコダルからのバスが到着した時間、みんなブルーアイに向かうのだろう、昨日よりさらに混雑しそうだ。
宿のおじさんに車で駐車場まで送ってもらうと、昨日の運転手氏が顔を見ただけで「これに乗りなさい」とバスを指示する。他に東洋人などいないので名前をチェックする必要もないらしい。
10時半出発予定のバスは早く全員揃ったということで、10:15に満席で出発。
すぐに山登りに入ると谷底にテス村が見えるが、ものすごい勢いで観光客が増えているらしい村、5年後に来たらまたすっかり変わっているだろう。
昨日以上の晴天で山の景色も素晴らしいが
やって来る車の数も多くて、結構大きなバスまで来るのですれ違いが大変。この道も変わるだろうか。
2時間走った所でまた休憩。
カフェの向かいにはずらりと養蜂箱が並んで、ここでも蜂蜜が採れるらしい。
復路は往路とは違ってシュコダル湖の沿岸を走る。走ればとても大きな湖だと実感する。
出発から2時間半でシュコダルに到着。
これからティラナまで戻るが、ツアーを予約した時、車で帰りたいと言うとツアー会社のおじさんが、「僕がいるから大丈夫。60ユーロで手配してあげる」と言っていた。
そこでツアー会社に行くと扉が閉まって誰もいない。心配性の友人が「日曜でも大丈夫か」と確認したのに、ああ、またやられた感でいっぱい。
しかしいないものは仕方がない。
バスを降りた所にケバブの屋台があったので、今日のお昼はおじさんの焼くケバブサンド。
ケバブ3本にピクルス入りで150レク(約240円)だけれど、これはちょっと塩辛かった。
近くにはタクシーも待機していて、ティラナまでは80ユーロと言う。ツアー会社のおじさんが言っていた60ユーロと言うと「バスで行け」と言われたが、どこに着くかわからないのがいやなので75ユーロにせこく値切って交渉成立。するとおっちゃん運転手、すぐにスマホをよこして地図にホテルの住所を入力せよと言う。スマホアプリはまことに便利。
1時間半でティラナのホテルに無事帰還。
フロントのお姉さんに「おかえり」と迎えられて、
今度の部屋は最初よりちょっと広い。
ハプニングはあったがとにかく行きたかったテスに行けて良かった、ともうこのホテルが我が家のよう。
夕食は最初の晩の散歩で見つけた、ホテルのすぐ裏のレストランへ。
店の奥はツアーのシニアの皆さんに占拠されているのでちょっと不安になったが
お肉と豆の煮込みも、シーフード・パスタもとてもおいしくて、最初の晩のレストランの半額で済んだのだから大満足。
食後の腹ごなしにまた散歩に行くと、
近くの公園には錆びたバンカーが。
この周辺は共産党時代には党のエリートだけが住める特権的なエリアだったそうで、少し先にはホッジャの元邸宅もある。
が、これが意外にもすっきりとしたモダンな建築、これも娘が設計したのだろうか。
中にはなにもなく改装中のようで、これから何になるのだろう。
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9月21日 続き
なんとか宿の部屋に入れたのが11時、一息入れた11時半には出発して今回どうしても行きたかったブルーアイという池を目指す。
のどかな村でのんびりしたいところだが、成り行きで1泊しかできなくなってしまったのでしかたがない。
宿の親父さんに聞くとあまり英語が得意でないのか、「あっちの方向へ行け、片道8km、往復3時間ぐらい」とかなりアバウトな案内、適当に行くと同じところへ行くのだろう若い子たちがぽつり、ぽつりと見えるので付いて行く。
何の案内表示もなくて最初こそわかりずらかったが、あとは一本道。
途中に家も一軒あるぐらい、かなりスリリングな橋を渡ったりもしたが、アップダウンはあまりなく、木陰に入ったり日なたに出たり。
秋なのであまり花は見えないが、途中ところどころで小さなシクラメンのような群落も見えた。
谷底を川が流れていて、これがきれいなブルー。川原で水遊びをしている子たちもいる。
気温は20℃ほどだが、日差しが強いので水に入りたくなるのもよくわかる。
出発して1時間半でカフェがあったので、ここでランチ。
あまり食べたいものもなくてフライドポテトを頼んだが、これはいまいち。
ここを出て川を渡るとNderlysajという村に入る。ここまでで6km。
実はテス村からここまでは自動車道が通っていて、車で来ることもできる。
しかし大きな駐車場から先2km強は誰でも歩かなければならい。
道はすぐ上りになって、下を見ると駐車場脇でも水がグリーンでとてもきれい。
しかしこの先は岩がゴロゴロしてずっと上り。狭い道に人はいっぱいで、ここまでよりずっときつい。
やがて飲み物を売る店が一軒現れて、ここからやっと下り。「Welcome to Blue Eye」の看板が見えて少し行くと
小さな橋の下をブルーというよりエメラルドグリーンの川が流れていて、これはきれい!
橋の下は少し深くなっているらしく、ここから飛び降りて泳いでいる子もいる。
しかし水辺に降りて手を入れてみるとすごく冷たくて、10秒も入れていられない。水温は10℃以下だろう、飛び込んだ子たちもすぐに上がってくる。
ここまで駐車場から1時間、きれいな水辺で30分ほど遊んで引き返したが、テスを離れてからとんでもないことを発見してしまった。
看板があり、橋から飛び込む子たちがいたのでてっきりここがブルーアイだと思い込んでいたのだが、実はここからさらに先に小さな滝のある池があって、そここそがブルーアイだったのだ。
同行の友人はまだ先に行く人たちに気が付いたが、何もなさそうだと思って引き返したとのこと。
ここを再訪することはなさそうだし、もったいないことをしたと悔やまれる。
が、この時はそんなこととはつゆしらず、まだ続々とやって来る人たちとすれ違いながら来た道を戻る。
駐車場に降りる手前に広い岩場があって、行きには寄らなかったので行ってみると
岩の間を水が流れて、滝になって落ちている。なかなかの迫力でここも面白い。
帰りは45分で戻って来たが、さすがに上り下りで疲れてしまった。
すると駐車場にはテス村行きの乗り合いタクシーが待っていて、一人5ユーロというのでこれで帰ることにする。
乗客がいっぱいになるまで30分ほど待ったが
狭くてもきれいな舗装道路を走って、15分で朝着いた駐車場に到着。
周りの山には夕陽があたり、影がどんどん伸びている。
ここから宿までの途中にはコンビニのような店が一軒だけ、そして村のシンボルのような小さな教会があるが
道筋を一本間違えたせいもあって30分もかかってしまい、帰り着いたのは17時。
村にはレストランもなさそうなので夕食付きをお願いしておいたところ、食事は母屋とも言うべき予約を受けた宿で19時から。
メニューはピラフにサラダ、夏野菜の炒め物にメインはあまり肉の付いていないフライドチキン。我々でも物足りないと思うほど料理が少なくて、チーズとフライドポテトでおなかを満たした感じ。村の食事にはちょっと期待していたので、これにはがっかり。売れ残りには理由があるということか。
同じテーブルに着いたのは若いドイツ人カップル2組。片方はキャンピングカーで来ていて、もう片方の学生のような二人はヴァルボナ村から一山越えるトレッキングをしてきたとのこと。
みんな口を揃えて「まだあまり観光化されていないと聞いて、ラストチャンスと思って来たのに、予想と違った」と我々と同じような感想。ドイツ人でさえそうなのか。
食事を終えて外に出ると真っ暗、寒かった。
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