Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

アルバニア周遊 21 聖ナウム修道院

2024-11-26 12:03:46 | ヨーロッパ

9月28日

今日もどピーカンのいいお天気。
 
昨日は食べられなかった朝食をしっかり摂ってホテルをチェックアウト。
車を停められない路地で待ち合わせしていたので早めに行って待っていると、約束の時間ぴったりに来たガイド氏、「時間厳守だね」と喜ぶ。「日本人だからね」と言うと、「イタリア人の場合には9時とか言えない。9時頃が精いっぱい」と笑う。

 オフリドの町を出たら湖沿いの道を南へ。
 
途中、湖に浮かんでいるのは3,000年ほど前にこの辺りにあった水上生活村の復元だそうだ。

1時間で聖ナウム修道院に到着。
 オフリドでも一番の観光地とあって駐車場は大型バスなどでいっぱい。

門をくぐって少し行くと左手には浅いけれどとてもきれいな池が広がっている。
 
この奥には泉があって、そこまで行く観光ボートもある。

 さらに行くとほにゃ~とした銅像があるが、これがこれから行く修道院を始めた聖ナウム。ブルガリア王国時代の人で、聖クレメントと共にキリル文字を作ったとされている。

ここから少し坂を上って門を二つくぐる。
  
 
後の門の上は今はホテル。正面の白い建物ともども以前は修道士の宿舎だったそう。

そして庭の中央に建つのが聖ナウムの教会。
 
入口で150ディナールを支払って中に入ると
   
 
壁一面フレスコで素敵すぎる!
聖ナウムがこの修道院を創建したのは905年だがその後何度か破壊され、現在の建物とフレスコは16世紀のものとか。

   
 
奥のイコノスタシスの彫刻も見事で、天井ドームの天使がかわいい。

入口ホールからは右手に小さなお堂があって、ここが聖ナウムのお墓らしく、熱心にお参りする人たちが。
   
  

教会内は撮影禁止と聞いていたが、周り中スマホで撮影しまくっていてお咎めもないようなのでこちらも撮らせていただいた。カメラはだめだけれどスマホはいいというのが多くの場所で通例になっているようで、ありがたいといえばありがたい。

 側面に回ると教会の造りがよくわかり、この前はテラス。
 
 
きれいな水の向こうに見える町はアルバニアだ。


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アルバニア周遊 20 オフリド後編

2024-11-25 14:50:41 | ヨーロッパ

9月27日 続き

St. John of Kaneo 教会から背後の丘を登って行く。
 
意外な急坂は途中から林の中に入って、視界が開けると大きな白い建物が見えた。
ここはどうもSt. Clement という大学らしい。

これを過ぎると丘の頂上に立つオフリド城塞にたどり着く。
 入るのには入場料が必要、城壁の中には何もないが
 
 

城壁の上から湖や市街地を見下ろせるのだから、やはりここに来ないわけにはいかない。

城塞が築かれたのは10世紀、市街にたくさんある教会の多くはビザンチン時代の13世紀頃の物、そして少し丘を下ると今度はローマ時代の古代劇場が見えてきた。
  
この町の歴史がいかに重層的かがよくわかる。今ここで記念撮影をしている団体は中国人だ。

ここから少し東にあるのは大きな Holy Mary Perybleptos 教会。
 
1295年創建のこちら、中のフレスコがきれいなのだが撮影禁止、なので画像はネットから拝借した。
教会の入り口にはパトカーが停まっていたが別に止められることもなかったので中に入ると、なにやらタカビーな女性が教会の人と打ち合わせ中。この後、例のハンガリーの首相がここを訪れたらしい。

 教会の前からは先ほどまでいた城塞が良く見える。
敷地内にはイコンの美術館もあって、普通なら入る所だがもう疲れたし、おなかも空いているので今回はパス。

階段を下って湖畔近くにたくさんあるピザ屋の一軒へ。
  
 
アルバニアも北マケドニアもピザ屋がたくさんあるが、ここは可もなし不可もなし。

食事の後は2時間ほどホテルに戻ってお昼寝。
夕方、陽が傾いてからまたちょっと街の散策へ。

ホテルの前の坂をちょっと上がってみると、犬がぎゃんぎゃん吠える小さな教会があった。
 
St. Nicholas of Wonderworks という素敵な名前のこちら、管理人のおばさんが犬を押さえてくれたので入ってみた。
  
 
すると小さいながらここにも素朴なフレスコ画が残る。
最初は「写真禁止」と言っていた管理人、我々が日本人だとわかると「日本人、大好きなの!いくら写真撮ってもいいわよ」と大歓迎。入場料も取らなかったのは最初から無料なのかどうかよくわからないが、日本人の評価が高いのは実にありがたい。その名を傷つけないようにせねば。

教会を出る頃には丘のこちら側の家々はもう陰に沈んできた。
  
城塞の上の北マケドニア旗だけが明るく陽を受けている。

そこで湖畔まで下ると
 
サンセットクルーズに乗り込む観光客がいっぱい。これを見送って湖に沈む夕日を眺めた。

湖畔からは朝も通ったメインストリートへ。
 
この町にはアクセサリー屋がとても多くて、この通りにもいっぱい。というのもここにはオフリド・パールと言う特産があるから。パールと言っても貝の中で育てる真珠ではなく、貝殻粉末と魚のうろこを使って作るとか。なので値段はかなりお手ごろ。

スーパーを覗くとちゃんとマケドニア製品のコーナーができているのは気が利いている。
その多くは瓶詰なのだが
  
 城から下りてくる途中では庭先でパプリカを炭火焼きして瓶詰を作っている人を見かけていた。このおばちゃんから一つ買えばよかった。

お菓子屋さんに並んでいるのはロクムやバクラヴァの類。
 
北マケドニアはアルバニアよりもトルコの影響が強く残っているように感じる。

さて、そろそろ夕食、と昼間目を付けていたレストランに行ってみると予約でいっぱいだと言う。
メインストリート沿いはカフェばかり、そこで仕方なくホテル近くの別のレストランへ。
 
伝統的建物の中で内装も雰囲気がいいのだが
 
ナスの詰め物は予想とはだいぶ違うもの。メインは地元料理らしいものがなくてシュニッツェルになってしまい、マケドニアの食事はちょっと残念だった。


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アルバニア周遊 19 オフリド前編

2024-11-23 14:35:08 | ヨーロッパ

9月27日

朝、部屋のベランダからの眺め。
 雲一つない、最高のお天気。

朝食をとるため、宿泊している建物を出て隣の建物の扉を開ける。
 
このホテルはワイナリーを経営していて、半地下のこの食堂の奥はワインセラーになっている。
 
野菜やチーズなどの他に卵料理も作ってもらえるが、昨晩はちょっとお腹の調子がよくなかったのでケーキをほんのちょっとだけいただくことにした。

商店が開き始める時間を待って街歩きに出発。
まずは昨晩も来た湖畔の広場へ。
 
ここから真っすぐ、一番の繁華街になるメインストリートが伸びている。

まずは両替屋で北マケドニアの通貨、ディナールを入手。
観光地であるオフリドでは大抵の支払いはユーロで大丈夫だが、教会の入場料に必要かと少し両替しておいた。
 1€=60ディナール。
とてもきれいな図柄。この国ではキリル文字になる。

メインストリートの先も広場になっていて、左手上方にはキリスト教会。
 
右手にはモスクがある。

ショッピングストリートの視察を終えたら旧市街に突入。
  

まずやって来たのは小さな St. Bogorodica Bolnichka 教会。
 
入口を入ると銭湯の番台のようなブースがあって、ここで入場料50ディナールをお支払い。
  
小さな堂内正面のイコノスタシスは1833年に作られたものだが、壁面のフレスコ画は1368年に描かれたもの。
 
入口を入ってすぐの壁にもフレスコがいっぱい、修復作業もしている様子。
オフリドの教会入口にはどこも英語の説明があるのがありがたい。

この教会から細い路地を挟んだ斜め向かいには St. Nicola Bolonichka 教会。
  
 
こちらは先の教会よりちょっと古く1313年の建立。フレスコの状態はこちらの方が若干いい。
先の教会のおばさんがこちらも管理していて料金徴収、最初は「写真禁止」と言っていたのが「3枚までOK」になって、我々がおとなしく熱心に見ていたためかその後はいくら撮っても何も言わなくなった。
我々の見学が終わると「両方見るのは大変なのよ」とでも言っていたのだろう、ブツブツ言いながら前の教会に戻って行った。

次に入ったのは Robovi Family House。1864年、この地の豪商が建てた家が今は国立の博物館になっている。
 
入ってすぐの1階にはなぜかローマ時代の石柱などが並んでいるが、2階から上は19世紀のお屋敷。
  
  
 
細かな木彫りはこの地方の特産らしい。

博物館の少し先、一番観光客が多くいたのは St. Sofia Cathedral。
11世紀建立の大きな教会内には古いフレスコが残るが写真撮影禁止。
  
  
裏から側面に回ると大きさがよくわかる、威厳のある造り。

この少し先で湖岸の建物はなくなって、その先は水上を歩く木道になっている。
  
 
湖水は緑がかっているが澄んでいて、石のビーチではまだ泳ぐ人たちも結構いる。
ここは標高690mもあり、湖の水深は深い所で288m、ヨーロッパで一番古い湖なのだとか。

ビーチを過ぎるとその先の小高い岩の上に小さな教会が見える。
 
St. John of Kaneo 教会は13世紀末に建てられたもの。
 
小さな教会はこの裏の崖から見下ろす景観こそが有名。


天気のおかげで観光ポスターのような写真が撮れた。


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アルバニア周遊 18 北マケドニア入国

2024-11-22 14:22:19 | ヨーロッパ

9月26日 続き

ベラトを出発し、まずは北へ向かう。
町を出てすぐに目に付いたのは交差点に置かれた古いミグ戦闘機。
 この脇の広い敷地はアルバニアがソ連と仲良くしていた頃に作られた空軍基地で、それが今はNATOの基地になっている。アルバニアが2009年からNATOに加盟しているとは、不勉強にして全く知らなかったので驚いた。

その少し先に行くと小さな油井のやぐらがたくさん並んでいる所があった。
 ここでは原油が採れる、が国内に精製施設がないのが問題とのこと。

 
オリーブ畑の続く中をしばらく行くと交通の要衝、エルバサンが近づいてきて
 今度は大きな工場が見えてきた。これは中国と仲良くしていた時代に作られた鉄工所。が今はほんのわずかに民間企業が操業しているだけでほとんどは廃墟なのだとか。
アルバニアには鉱物資源などもあるがインフラが整っていないので活用できず、政治が腐敗しまくっているので有能な人材はみんな海外に行ってしまう、なんのための民主化だったのか、とガイド氏は嘆く。

時間はもう2時。なかなかランチ休憩にならないな、と思っていたらエルバサンの外のレストランに停まった。
 
車がたくさん停まっていて、広い店内にお客さんは少ないが、天気がいいのでテラスはいっぱい。
ここはビーフステーキで人気の店だそうで、なるほど、ここに来たかったのでお昼が遅くなったのか。
 
ということでガイド氏おすすめのTボーンステーキとピラフを注文。ステーキは脂身がなくて、ちょっと硬いがおいしい。ピラフにヨーグルトをかけると、「君も立派なアルバニア人になったね」とガイド氏ご満悦。この一皿が500レク(約800円)。

エルバサンを過ぎたら東へ向かう。
 
緑の山が続いてその中を線路が走っているが、今は列車は通っていない。

やがて道は山を登り始めて、とてもいい景色。
  
 1000mを越える峠を過ぎた所でガイド氏は車を停めて何やら支払いをした。聞くとこれから北マケドニアに入る、するとアルバニアの車保険が効かなくなるので、ここで短期の保険に入るのだそうだ。

やがて右手に湖が見えてきた。これがアルバニアと北マケドニアの国境にあるオフリド湖。
 
すぐに国境の検問所があったが、車を降りることもなくパスポートを見せるだけ、10分もかからずに通過した。

ここを過ぎたら湖の北を回って東側にあるオフリドの町に入る。
が、町の手前にはパトカーがたくさん停まって脇道に入るよう指示され遠回り。後で聞くとちょうどハンガリーの首相が来ていたせいとのこと。
さらに旧市街に入ると狭い道が入り組んでわかりにくい。散々迷ってようやくホテルへの道にたどり着いたが、急坂の途中にあるホテルへは車が入れなくて、石畳を大荷物を引きずって入ることになった。

  中も階段しかなくて苦労したが
  
 部屋の外には小さなベランダがあって

赤い屋根の向こうにオフリド湖が見える。
  
すぐ下には石造りの小さな教会、急な坂はさらに上へ伸びて、いかにもオフリドの旧市街らしい。

 ホテルに着いたのが夕方5時、一息入れているうちに日が暮れてきた。
 そこで夕食を探しに行こうと暗くなった町へ。
 
石畳の続く街にはトルコ式に上へ行くにしたがって張り出す建物が並んで、それを模した街灯はどこか日本の提灯っぽい。

 ホテルから遠くない所に伝統料理をうたうレストランがあったので本日はここ。
 
アルバニアで出される無料のパンは普通の食パン型が多かったが、ホームメードというここのパンはアツアツ、ムッチリですごくおいしい。
 
ピーマンの肉詰めだけではちょっと物足りなかったのでバクラヴァを頼むと3つも来てしまったが、これもおいしく完食。支払いはユーロでOK、21€。

食後に湖畔に出てみると、広場にはカフェがいくつもあって外でくつろぐ観光客がいっぱい。
 
しかしベラトのようにやかましいこともなく、にぎやかだけれど落ち着いた感じ。
が、湖から吹いてくる風は冷たくて寒い。
 早くホテルに帰ろう。


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「ネネ」&「Dog Days」

2024-11-20 13:01:31 | 機内食・映画・美術展

一本映画を見に行くと予告編につられてまた映画館に足を運ぶことになる。
先日の「リトル・ダンサー」からバレエつながりの映画を見に行ってしまった。

 「ネネ-エトワールに憧れて」

今回はフランス映画。パリのオペラ座バレエ学校に黒人で労働者階級の女の子が入学して苦労する、というお話。
いかにもなストーリーで、まあ予想通りの展開ではあるのだが、今回は正直大外れ。

まずダメなのが主役の女の子。実際にバレエをやっているのだろう体の動きを見せ、ヒップホップなどに合わせて即興で踊る場面はいいのだが、肝心のバレエのシーンとなると圧倒的にうまくて主席で入学したという設定なのに同級生たちの方がうまく見える。
クラシックバレエの世界では有色人種は不利とわかっている、それでもなぜクラシックを踊りたいのか、その動機も熱意も伝わらない。
さらに先生を差し置いて同級生に技術的な「アドバイス」までしてしまう。これではいくら自己主張の強いフランスでも出自や人種に関係なく嫌われるのは当たり前だろう。

バレエ学校の校長は黒人であるネネの入学に反対する。それには実は理由があって、本人が自らの出自を隠していたからなのだが、これも相当に無理があって、そこから改心することになる事件もあまりにも唐突。

結局この映画の主題はフランスにおける移民の苦労らしく、監督ラムジ・ベン・スリマンの名前からもおそらくアラブ系なのだろう。
その主題はいいが、バレエに対する思い入れがまったく感じられないのが一番の問題点。わざわざオペラ座バレエ学校を舞台にしながら、バレエの魅力がまったく描かれていない。

久しぶりにダメダメな映画にお金を払ってしまった。


と、これ1本だったら本当に無駄足になる所だったが、幸いにして続けてもう一本、同じ恵比寿ガーデンシネマで見ることにしていた。

 「Dog Days 君といつまでも」

こちらは韓国映画。ある動物病院を中心に、そこに縁のある犬とその飼い主たち数組の話が同時並行で描かれていく、これもよくあると言えばよくあるわかりやすい設定。

面白かったのは主役であるユ・へジンという男優さん。この人、いかにもヤクザ役などの似合う御面相なのだが、ずいぶん前に「ラッキー」という映画で殺し屋役をやった時、女性たちが「男前だわ」という場面があってびっくりした。今回は人相が悪いからと大切なクライアントへのプレゼンからはずされる設定になっていて、やっぱり韓国でもそうよね、とほっとした(笑)次第。が、もちろん顔は悪いが純情ないい人の役。うまいのは言うまでもない。

韓国の役者さんたちは老若男女みなさんうまく、小型から大型まで登場する犬たちも芸達者。
飛行機の中で見ればちょうどいいぐらいの小品だが、気持ちよく見られてお口直し。

恵比寿ガーデンプレイスの中庭には季節柄のクリスマスツリーの他に巨大なバカラのシャンデリアが出現。
  
そこで写真を撮っていたのはさすが恵比寿、ペットシッターさんたちだった。


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