文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

電力販売業者の営業活動ルールまとまる

2016-01-23 21:27:03 | オピニオン

 gooニュース(読売新聞)によれば、経済産業省電力取引監視等委員会が、4月からの電力小売りの全面自由化を受けて、電力販売業者が一般家庭に宣伝や勧誘などの営業活動を展開する上でのルールをまとめたという。

 これによれば、「停電しにくい」という宣伝文句はアウトだという。これは当然のことで、停電するかどうかは、送電事業者の範疇だし、仮に販売業者の電源が落ちたとしても、電力系統につながっている以上、電気は流れてくる。

 料金を時価とするのも禁止だというが、寿司屋じゃなんだから、時価はないだろう(笑)。市場原理に任せていると、需給状況によっては電気の単価が高くなる場合も当然ある。しかし、需要家にとっては、電気料金があらかじめわかっていないと、怖くて使えない。

 「地産地消」をアピールする場合、発電所の場所、電気の供給地域を明示しなければならないというが、電気の場合、受給の不一致で必ず過不足が生じるうえ、電気に色はついていないのでどこから来た電気かもわからない。完全な「地産地消」に根拠がない以上、これも禁止したらどうかと思うのだが。

 
 
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きのえ温泉ホテル清風館(見学会バス旅行2)

2016-01-23 19:12:19 | 旅行:広島県

ホテル清風館


 大崎クールジェンの見学が終わると、食事のために、同じ大崎上島にある「きのえ温泉ホテル清風館」に移動する。最近はあまり視た記憶はないのだが、このホテルはこちらのほうではテレビでCMが時折流れている。


清風館の食事(まだいくつか出ていないものがある)


 上の写真が、清風館で出た食事だ。今回の会費はいつもより高かっただけあり、なかなかいいものが出てくる。列挙してみると、①先付 和え物、②造里 三種盛り、③鍋物 牡蠣鍋、④焼物 アワビ踊り焼き、⑤揚物 海老天ぷら、⑥蒸物 茶碗蒸し、⑦吸物 つみれ汁、⑧御飯 チリメン釜飯、⑨香物 三種盛り合わせ、⑩水物 盛合せ。あまり食べるものに興味がない私は、こんな機会でもないと、まず口にすることはないだろう(笑)。


温泉入口


 食事のあとはゆっくり温泉につかる。上の写真が温泉の入り口。ナトリウム、カルシウムを多く含んだ塩化物冷鉱泉で、神経痛、関節痛、冷え性、高血圧など広く効能があるという。露天風呂からは瀬戸内海の景色が見えて、なんとも綺麗だ。血流がよくなるためか、体がポカポカするような感じがしばらく続いて、温泉に入ったという気分を十分に味わった。


○関連過去記事
大崎クールジェン見学(見学会バス旅行1)
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大崎クールジェン見学(見学会バス旅行1)

2016-01-23 10:53:26 | 旅行:広島県

竹原港の建物(たけはら海の駅)


フェリー


 もう先週のことになるが、所属しているある団体の見学会に参加してきた。目的は、大崎上島にある「大崎クールジェン」の見学。竹原港からバスごとフェリーに乗り込んで、大崎上島を目指す。


大崎クールジェン


 「大崎クールジェン」は中国電力と電源開発が半々の出資を行い、酸素吹きIGCC(Integrated coal Gasification Combined Cycle)の実証試験を行っている会社だ。IGCCとは、石炭をガス化し、そのガスでガスタービンを回したうえ、排熱を回収して蒸気タービンを回すというもので、石炭ガスを使ったコンバインドサイクル発電方式である。

 この会社は、中国電力の大崎火力発電所の構内にある。ここでは、PFBC(加圧流動床複合発電方式:Pressurized Fluidized Bed Combustion Combined Cycle)による石炭火力発電所が運転されていたが、現在は動いていない。しかし、IGCC実証試験のために発電所のユーティリティ設備を活用するとのことだ。

 この試験は3期に分けて行われ、第一段階の開始はH28年度から。効率は、送電端で40.5%(HHV)とのことである。ここで発電端とか送電端という言葉の説明をしておこう。発電所には、発電機だけでなく、そのほかにも多くの補機があり所内電力が必要となる。この分を差し引いて計算した効率が発電所出口の効率ということになり送電端効率という。また、それを考慮しない発電機だけの効率は発電端効率と呼ばれる。

 また火力設備の効率にはHHV(高位発熱量:Higher Heating Value)とLHV(低位発熱量:Lower Heating Value)の2通りがある。これは、燃料の発熱量として、含まれている水分や燃焼により生成される水分の凝縮熱を含むかどうかという違いである。要するに水が蒸発する際に必要な熱量を、燃料から差し引くかどうかということだ。差し引いた熱量で計算した値がLHV、差し引かないで計算した値がHHVである。

 ここで効率は(発電量)/(燃料の発熱量)×100(%)(ただし、分子分母は単位をKcalかkWhでそろえる)なので、分子が小さいほど、効率の数字は大きくなる。だから、本質は変わらないのに、LHVの方が数値としては大きくなるのだ。日本の電力会社の火力発電所は、伝統的にHHVを使ってきたが、欧米やアジアの発電設備ではLLVが主流だそうだ。わが国でもコジェネなんかはLHVで表されていることが多いので、効率を見るときには注意が必要である。数値的には大体1割くらい違ってくると思えばよい。

 ところで2期は、CO2分離・回収装置を追設したCO2分離・回収型IGCC実証試験。また3期は、これに燃料電池を組み合わせた、CO2分離・回収型IGFCの実証試験が計画されているとのことである。




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