北斗の拳 1巻 | |
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ノース・スターズ・ピクチャーズ |
・(原作)武論尊,(絵)原哲夫
かって少年ジャンプに連載され、圧倒的な人気を誇っていた伝説の拳法漫画・「北斗の拳」。舞台は、核戦争により壊滅した近未来。一子相伝の暗殺拳である北斗神拳の使い手であるケンシロウが、様々な拳法を使う強敵と戦っていくというのが基本的なストーリーである。
ケンシロウの使う北斗神拳と表裏一体の関係にあるのが、南斗聖拳だ。北斗神拳が秘孔を突いて人体を内面から破壊する暗殺拳なのに対して、南斗聖拳では、外部からの破壊を極意としている。要するにこの作品のテーマは陰と陽、表と裏の二項対立の争いということだろうか。
この第1巻では、ケンシロウが、因縁のある南斗聖拳の伝承者シンと再び相まみえるところまでが描かれている。雑誌連載中もずっと読んでいたのだが、この後物語はどんどんとものすごい展開を見せていく。
いかにもラスボスという感じで登場したシンだが、実は南斗聖拳には六聖拳と呼ばれる六人の将がおり、シンはその中でも最強というわけではないのである。つまりは小ボスか中ボスクラスということなのだ。そしてシンの流派は作品中ではずっと南斗聖拳になっているが、他の六聖拳の流派との関連からか、後付けでやがていつの間にか、南斗孤鷲拳という流派名だということになってしまう。ところでこの作品ではいやというほど「南斗〇〇拳」という拳法を使う者が登場してくる。アニメにもなったが、そちらでは南斗爆殺拳なるものまで登場していた。これなど、ただダイナマイトを投げるだけ。どこが拳法やねん!
ところで、この北斗神拳、暗殺拳という割には結構派手だ。それに一子相伝という割には、ラオウやトキといった実力者が同門であり、奥義を伝承されているはずのケンシロウと比べても、まったく遜色はないのである。ケンシロウ、いったい何を伝承されたんだろう。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。