「シミルボン」に「昆虫学者になりたかったよ」というコラムを投稿しました。興味のある方は、リンク先を覗いてみてください。
地理 2017年 08 月号 [雑誌] | |
クリエーター情報なし | |
古今書院 |
最近、地震や水害の関係でハザードマップに関する関心度が上がっているからだろうか、今月号の特集は、「〇〇マップを読む・活かす」である。
記事はやはり災害に関連したものが多い。マップをうまく使えば、災害情報を分析したり、危険を予測して情報を可視的に伝えられるのである。その他にも絵図から過去の景観がどうだったかを考えたりネパールの社会構造を地図で表したりと、〇〇マップの色々な使い方はどれも興味深い。やはり情報は可視化すると分かりやすさが段違いになる。ここで示されたもの以外にも色々な使い方が期待できそうだ。なかなか示唆に富んだ特集ではないだろうか。
ところで、私は常々地学と地理の一本化を主張しているのだが、今月号ではいくつか気になる記事を見かけた。まず「学校教育でみかける地球惑星科学用語の不可思議」という記事である。地球惑星科学に関する用語は、理科としての地学や社会としての地理で使われているが、それらの間で不統一が存在しているというのだ。これは地学と地理という事なる分野間の不統一だけではなく、教科書会社間の不統一、学術用語と教育用語間の不統一もあるというから呆れる。早急に地学と地理の関係者が用語を統一するための活動を立ち上げるべきではないかと思うのだが。
もう一つ気になったのは、高校で「地理総合」なる科目が必修化されるという記事だ。私達の時代は、高校1年で全員が地理を学ばされたので、それほど驚くようなことでもないが、これだけ科学リテラシーの欠如が目立つ我が国のこと。その前に物理の必修化の方が先にくるべきだろうと思うのだが。
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※初出は、「本が好き!」です。