文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

放送大学公開講座等受講

2018-08-20 14:31:20 | 放送大学関係


 もう昨日のことになるが、放送大学の特別公開講座を受講してきた。これは同じ講師により2か月に1回開催されているものだ。昨年は確か毎月同じ講師によるものが開催されていたと記憶しているが、今年から変更されたようだ。

 今年初めての受講になるが、聴講したのは「リスクと情報の経済学」。講師は広島経済大学新垣繁秀教授。の内容はリスクのある場合の選択の話や保険料の決め方の話など。大体が知っていることだった。

 昼食は前日に続き、近くの松屋で「たっぷりネギ塩丼並」450円なりを食べた後、同じく放送大学で行われた特別講演会を聴いた。講師はRCC(中国放送)アナウンサーの本名正憲氏。こちらのテーマは「アナウンサー生活33年、僕が放送大学に入学した理由」だったが、ほとんどが今回の豪雨災害の話や原爆の日に関係した話などで放送大学関係の話は最後の方だけだった。自分が履修していた科目も紹介されたが、結論は「来学期があるさ」ということだったような・・・。

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書評:したがるオスと嫌がるメスの生物学

2018-08-20 12:35:25 | 書評:学術教養(科学・工学)
したがるオスと嫌がるメスの生物学 (集英社新書)
クリエーター情報なし
集英社

・宮竹貴久

 ちょっとエロいタイトルだが、決して人間のことではない。著者は昆虫学者ということで、述べられているのは、昆虫やクモなど、要するに「ムシ」と呼ばれるやつのことだ。要するに虫たちの生殖戦略について解説したものである。オスもメスも基本的には自分のDNAを残すことが生殖の最終目的だろう。しかし、オスはいくらでも種をまくことができるのに対して、メスの生むことができる卵の数には限度がある。ここからオスとメスとで生殖のためのやり方が違ってくるということだ。オスとメスのどちらかにとって有利なことが、もう片方には不利になることがあるのである。これを「性的対立」というようだ。

 例えば、オスはメスに他のオスから受精させないようにメスの寿命を短くするような暴挙に出るのである。キイロショウジョウバエは精液の中に毒が混じっているし、ヨツモンマメゾウムシはペニスに棘が生えており交尾中に生殖管に突き刺さって寿命を縮めるというのだ。そこまでいかなくとも、ウスバシロチョウやアゲハチョウの仲間は、交尾の際に精液に含まれる粘着性の分泌物でメスの生殖器を物理的に塞いでしまうのである。キタコガネグモダマシに至っては、交尾の後で、オスがメスの交尾器を潰してしまうという。自分自身が他のオスとメスが交尾できないよう繋がったままの状態になっている場合もある。イトトンボなどは、先に入っていた精子を、交尾する際に掻き出しているという。

 一方メスの方も負けてはいない。ヒメフンバエでは3つの受精嚢を持ち、実際に受精するオスを選んでいるし、フタホシコオロギは自分の近縁者の精子を受精には使わないという。また、上に挙げたヨツモンマメゾウムシでは、メスが生殖器の内壁を厚くして棘に対抗しているらしい。

 ところで、掻き出し効果だが、ヒトでも同じような効果があるのか、男女のあそことそっくりな模型を作って実験してみたというから面白い。やったのは、ニューヨーク州立大学だそうだが、やっぱり疑問に思ったら、突き詰めていくというのが学問の世界だよね。

 最後に一つ共感できる言葉があったので紹介して終わろう。

<研究している本人がまず面白がらないことには、他人にその面白さは伝わらない>(p46)

 理系方面に進みたい人は、まず自分が面白いと思ったことを突き詰めていくことが必要だろう。それはほかの人にはあまり興味がないことかもしれない。しかし、興味のない人に興味を持ってもらうためには、まず自分が面白いと思わなくてはだめなのだ。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。


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