1万2000人を見てわかった! お金に困らない人、困る人 (単行本) | |
クリエーター情報なし | |
集英社 |
・松尾昭仁
本書は、「考え方」、「働き方」、「コミュニケーション」、「ブランディング」、「魅せ方」の5つの観点から、10年後に「食えない人」、「食える人」にわけて、今どのような行動をしているかを述べたものだ。俗に「来年のことを言えば鬼が笑う」というので、10年後のことなど分かるわけはないと思うが、書かれていることには納得できるものも多い。
例えば10年後に食えない人は、コツコツ努力を重ねるが、食える人は努力しても今までの延長線上に劇的な変化はないと考えるというのだ。確かに本書に書かれているように自分がいくら希望の年収に向かって努力を重ねても、その会社の給与体形がどんなに出世をしたところでそれに届いていないのなら努力しても無駄だろう。それよりはあっさり転職を考えた方がいい。最も日本では、転職をして、今より食えなくなる可能性も高いのだが。
また、食えない人は「完璧」になるまで打席に立たないが、食える人はとりあえず打席に立ってフルスイングするというのもある。あまりに「完璧」を求めると、結局いつまでも何もできないということになりかねない。それよりは、とりあえずのアウトプットをしてみて、周りの反応を取り入れた方がずっと完成度の高いものができるだろう。
本当にここにあるような行動をすれば、10年後に食えなくなるかどうかはよくわからないし、10年後に食えるかどうかも保障の限りではないが、参考になることも多いのではないだろうか。
☆☆☆
※初出は、「風竜胆の書評」です。