思考を鍛えるメモ力 (ちくま新書) | |
クリエーター情報なし | |
筑摩書房 |
・斎藤孝
本書は「三色ボールペン」で有名な著者が、メモを取ることの効用や、メモの取り方について述べたものだ。
まずメモを取ることにはいろいろな効用がある。本書で述べられているのは、忘却防止、伝達の行き違いや漏れの防止、考えの整理、要約力やコミュニケーション力などの能力向上など。
本書では、まずメモを取ることの効用について述べたあと、メモ初級者から上級者や達人に至るまでの方法が述べられている。キーワードは「守りのメモ力」から「攻めのメモ力」へ。
確かに、メモを取らずに頭の中だけで考えようとしても、いろいろと取り落としが多いのは事実だ。また頭にふと浮かんだアイディアなどを直ぐにメモしないと、ちょっと時間が経つと忘れてしまうだろう。メモを取ることは色々な場面で欠かせないのである。最近は面倒くさいのであまりメモを取らないようになったが、やはり頭の柔軟さを保持するためにはメモは必須なのだろう。反省、反省。
また本書には、「本にメモを書き込んで読書ノートにする」ということで、メモを書き込んだ著者の本が紹介されている。(pp073-075)私も結構書き込みはする方だが、これだけ見開き2頁の中に書き込むと、かえって何を書いたか忘れてしまいそうな気がする。それよりは章末に要約でも書いた方が役に立つと思うのだが。
もちろん本書にあることが絶対ではない。本書を参考に、各自が工夫して自分なりのメモの取り方を確立すればいいと思う。少なくとも、まったくメモを取らないよりはましだろう。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。