これも異世界ものに分類されるが、とにかく笑える。主役は、中央アジアにあるというプルジア共和国の終身大統領アレクサンドル・プルチノフ。何かを乗りこなすことにものすごく執着している。それは、動物だったり、飛行機だったり、国家だったり。そのうえ、武道の達人で、マスターした武道は数知れず。
どのくらいの武道の達人かというと、異世界ものにはつきもののトラックだって背負い投げしちゃうくらいだ。だから、彼が異世界へ転移したのはトラックに轢かれたからではない。彼の像の首の部分が墜ちて来て、それにぶつかった彼は、目が覚めてみると異世界へ転移していた。そこから彼の無双が始まる。
なにしろ武道の達人。ワイバーンロードだって力でぶっとばしちゃうのだ。おまけに魔力もすごい。この作品では、魔力が気の様なものとして扱われている。プルチノフの気の練り方は、オキナワで覚えたカラーテからきているらしい。
ところで、このプルチノフ、イラストのように人相が悪い。悪いというより凶悪なのだ。作品中では、奴隷商だとか邪神の神官だとか、さんざんな言われようである。ふとおもったのだが、プルチノフのモデルって絶対あの人だよね(笑)
最初はおっさんが主人公ってどうよとも思ったのだが、読んでいるうちにどんどん面白くなってきた。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。