著者による「小市民シリーズ」の第3弾の解決篇。小鳩常悟朗と小佐内ゆきの小市民を目指すコンビが活躍する学園ミステリーである。ここでは二人は互恵関係を解消して、それぞれ彼女、彼氏ができている。小鳩君は、仲丸 十希子と言う同級生だが、小佐内さんは、瓜野高彦という一つ年下の彼氏だ。
でも、どうもどちらもしっくりこなかったようで、一旦離れた二人だが、結局は元の鞘に戻ることになる。仲丸さんの場合は、本命の彼氏は別にいて、その他にも二股をかけている。そして小鳩君に対して思ったような反応をしてくれない。小鳩君評して「糠に釘」。
そして、小山内さんの方は、もっとすごい。瓜野君は自信家だが、それをミスリードするように導いてぺちゃんこにしているのだから。
小鳩君によって狼に例えられている小山内さんだが、どう見ても、女狐という称号?に相応しい気がする。しかし、小山内さんの動機ってなんやねん。相手は仮にもその時は彼氏だったんだろう。
「うん、小鳩君。また一緒にいようね。たぶん、もう短い間だと思うけど」(p214)
(前略)お互いの美学をわかり合うには、まだもう少し時間が必要だ。でも間に合うのかな。卒業まで、あと六ヶ月(p235)
そう二人は、卒業を控えた3年生なのだ。でも結局のところ、六ヶ月と言わず一生のような気がするのだが。
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