文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
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年収350万円のサラリーマンから年収1億円になった小林さんのお金の増やし方

2017-05-23 11:48:02 | 書評:ビジネス
年収350万円のサラリーマンから年収1億円になった小林さんのお金の増やし方
クリエーター情報なし
SBクリエイティブ

・小林昌裕

 本書は、年収350万円の営業職だった著者が、どのようにして年収1億円を得るようになったのかを解説したものである。

 著者はわずか6年で年収1億5千万円にもなったという。実に驚くべき数字だが、実際にそれを達成するためにはどのようにすればよいのか。著者の勧めるのは、<①ひとりでできる、②定期的に課金される、③働かなくてもいい>という夢のような話を実現してくれる「ストックビジネス」というものだ。確かに、寝ていても定期的にお金が入ってくるのなら、それに越したことはない。私のような怠け者には理想的なビジネスだろう。

 しかし、ストックビジネスを進めるに当たっては順番があるらしい。それは、不動産投資から始めるということだそうだ。著者は、このストックビジネスによって、食べるに困らないキャッシュフローを得ることができるようになったら、その余剰資金を使って、実働系や情報発信系などの更なるビジネスに進出することを勧める。

 それでは、なぜ最初に不動産なのか。それは金融機関からローンを引くことができ、掘り出しものも眠っているし、修繕や災害などにもある程度保険で対応できる。また空室リスクもやり方しだいで減らすことができるかららしい。こうしてみると、不動産投資はまったく理想的なビジネスであり、必要なのは一歩踏み出す勇気だけのように見える。

 しかし、このやり方が著者がビジネスを展開している関東圏ばかりでなく、人口が減り続けている地方において同じようにできるかどうかはよく分からなかった。また不動産投資には、確率は低いものの、いわゆる「事故物件」になるかもしれないというリスクもある。こちらは、物件を沢山持っていれば、数でリスクを薄められるかもしれないが、数を持っていない人にとっては、気になるところではある。

 もっとも、資産が勝手にお金を稼いでくれるというのは魅力的だ。しかし、私は、別に高級車もジェット機も欲しくはない。私のように、あまりお金を使わない人間にとっては、仮に年収1億円稼いだとしても使い道に困るだろうなあと思う(笑)。なお、本書に倣ってこれから不動産投資を始めようという人は、あくまで自己責任だということは、言うまでもない。

☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。
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