僕の小さなエルフ義母 (美少女文庫) | |
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フランス書院 |
・わかつきひかる、(イラスト)うるし原智志
主人公のマキシミリアンは、下級貴族の新米領主。父親が画家になると領主を辞めて旅に出たため、後を継ぐ形で領地経営をすることになる。
彼は、難しいロイヤルバカロレア試験に合格して、王都で下級官吏をしていたが、忖度ができないため、上級官吏になれなかったという過去がある。法律より忖度の方が優先されるという、なんだかどこかの国みたいなところだ。
かっての同僚は別にロイヤルバカロレア試験に合格していなくても、順調に出世している。結局は忖度と賄賂がものをいうのだ。じゃあなんで、そんな試験があるんだと思わなくもないんだが。
ところで、ある日旅に出ている父が、妻にするために買っていたというエルフ美少女奴隷のエルフィを奴隷商人が連れてきた。その値段を聞いて、一度はキャンセルしようとしたのだが、結局は引き取ってしまう。(実はエルフィは治癒魔法が使えるので高額だったのだが)
エルフなので、見かけは13歳だが、実年齢は百歳以上(本人は113歳くらいと言っている)。建前上は、父の嫁という立場なので、義母に当たるのだが、その可愛らしさに、マクシミリアンは次第に夢中になっていく。エルフィの方もマクシミリアンのことが好きなようで、そこは美少女文庫らしく、あんなことやこんなことを。もうこのあたりで、「リア充爆発しろ」なんて怨嗟の声が聞こえてきそうである。
実は、父がエルフィを妻として買ったのは、ある理由があったからなのだが、結局はハッピーエンドに落ち着く。
作者は、この手のジュブナイルポルノを手掛けているほか、普通のラノベも書いている女性作家だ。また、イラストを描いているうるし原氏は、有名アニメの原画をいくつも手掛けている実力者である。だからストーリーにも優しさがあるし、イラストの絵柄も綺麗だ。
☆☆☆☆
※初出は、「風竜胆の書評」です。